とはいえ棚の並び方や商品セレクト、店員さんとの距離感など、自分の購買欲をかきたてる、マッチする店を見つけることはなかなか難しい……。
そこでROOMIEが厳選した、さまざまなジャンルのショップをご紹介。実際に足を運んでみて、通いたくなるようなショップを見つけよう。
暮らしの店 黄魚
URL:http://www.kio55.com/住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-9-19 代々木公園Qビル1階A
電話番号:03-6804-9888
営業時間:月曜日~金曜日 11:00~18:00
土・日曜日 12:00~18:00
定休日:水曜日
黄色い看板のイラストは、店主の高はしこごうさんが自ら描いたもの
代々木八幡駅、もしくは代々木公園駅から徒歩3分。渋谷方面へと抜ける八幡商店街に、暮らしの店「黄魚」があります。
目印は鮮やかな黄色い看板。お店が入っているビルは間口が狭くて、ちょっと隠れ家のような雰囲気です。
もとは電気設備のための分電盤室だったというこぢんまりとした店内は、清潔感のある白で統一されていて、そのなかにカラフルな器や道具、アクセサリーが行儀よく並びます。
店主:高はしこごうさん
すべて店主の高はしこごうさんが日本全国、あるいはヨーロッパやアジアの国々で買い付けてきたもの。
作家の器はもちろん、味のあるヴィンテージ品に出会えることもあります。
2012年にこごうさんがオープンさせたこの小さなお店。どんなふうにできたのか、お話をうかがってきました。
お店のコンセプト
「黄魚」という店名は、こごうさんが生まれたときに、画家であるお父様がもうひとつの名前候補として考えていたものなのだそう。
お店をオープンするにあたって、この名前を使いたいと伝えたとき、お父様はとても喜ばれたといいます。
「急に思い立って始めたお店なので、コンセプトと言えるほどのものがないんですけど……。
ただ、娘から自慢の母だと思ってもらえるような店にしたいとは思っていました」(高はしさん、以下同)
「わたし自身、もともと器の学校に行っていて10年くらい器づくりもしていたんです。
でも、小さい子どもがいて、東京で窯を持つのは難しい。ただ、目利きはできるので『じゃあ器を売る方になろう』って。
自分で仕事を作ったんですよね」
「器を選ぶときはとにかく“料理を盛った姿が想像できるもの”を買い付けるようにしています。
和洋中、どんな料理がのっても様になるもの。あまり個性的すぎても食事の邪魔になるので、そういうことがないようにと考えています」
高はしさん自身、料理が大好きなのだそう。「どんな料理を盛りたいのか?」と、相談しながら器を選ぶのも楽しいかもしれませんね。
お客さんはこんな人たち
代々木八幡エリアは、ここ数年で話題の店が何軒もできて、がらっと街の様子が変わりました。
「街に観光客の方が増えたので、お店にも観光で遊びに来た方が多くいらっしゃいます。オープン当初のように、近所の方にも、もうちょっと来てもらいたいですね。
年齢層は幅広くて、大学生くらいの方から上は83歳まで! よく大学生の進路相談にのったりするんですよ(笑)」
「あとは海外の方も多く訪れてくださります。知らないうちにオーストラリアの有名なガイドブックで紹介されていたみたいで(笑)。
ヨーロッパやオーストラリアの方はけっこう、うちにある器を気に入ってくれるみたいです」
今後のショップづくり
「いつか娘にお店でアルバイトしてもらえたら最高ですね。だから、それまではお店を続けないと。
娘は今から『わたしがアルバイトできる年になったときも、お店がすてきなままだったらやってあげる』と言っているので(笑)」
いまも買い付けのときには、高はしさんと一緒にいろいろな国や地域へ行くという娘さん。母娘一緒にお店に立つ日もそう遠くないのかもしれません。
器だけではなく、陶芸家の作るアクセサリーやキッチンアイテム、高はしさんが気に入ったくつ下やブランケットなど。
こざっぱりとした部屋に、センスの良いアイテムが並ぶ心地よい空間にぜひ足を運んでみては。
[暮らしの店 黄魚]
Photographed by Yutaro Yamaguchi