ドアを開けてすぐの目立つ場所にいたのは、鮮やかな萌黄色がなんとも可愛らしいラウンジチェア。
このソファに詰め込まれた魅力を、Lewis目黒店のオーナーである箙(えびら)さんに語って頂きましょう。
王道のテキスタイル
60年代のデンマーク製というこのラウンジチェア、ビビッドなテキスタイルがとても印象的です!
これも以前見せてもらったハイバックチェアのように、デンマークの最高峰ブランドである Kvadrat(クヴァドラ)のものなのでしょうか?
そうですね。 クヴァドラの中でも人気の高い、ハリンダルというテキスタイルを使用しています。
ハリンダルは、流行りの言葉で言うならば、クヴァドラにとってのアイコニックな存在。
この年代のソファとは切っても切り離せないものです。オリジナルとしても良く貼られていますよ。
北欧のインテリアと相性の良いテキスタイルとして、現在でも作り続けられているハリンダル。
ウールにビスコース(レーヨン)が混紡されたことで生まれる、厚みがあるのに柔らかな質感は、一度触れたらもう病みつき。
耐久性が高く、摩耗しにくいのも特徴のひとつなので、長く付き合い続けるにはピッタリの生地と言えるのだとか。
新たな魅力
そんなハリンダルに覆われたバックスタイルは、丸みがあってとても可愛らしいですね~!
でも可愛らしいだけじゃなく、確かな存在感もあるというか……。
パイピングが入ることによって、その存在感というのは強くなりますよね。
このパイピングは、オリジナルの方には無かったんですよ。
でも、「絶対にあった方がカッコいい!」と考えて、職人にオーダーしました
オリジナルの姿をただ再現されたのではなく、オーナーのこだわりが上乗せされたチェアだったとは……。
ほ~、と感嘆しながらパイピングをたどっていくと、すこし変わったデザインの肘掛けに目線が行き着きます。
機能的な存在
肘掛けの先端だけオーク材が露出しているように見えますね。特殊なデザインなのでしょうか?
この肘掛けは、60年代の張りぐるみのチェアでは良くみられるデザインです。
肘掛けに腕をおくと、ここをつい触ってしまうんですよね。すると、だんだんと黒ずんでしまいます。
それを防ぐこともできますし、ただオークの手触りを楽しむのでも良いですね。
後ろから抱きしめられている感じ
身長が180cm近い男性が座っても安定感のある座面
魅力的な要素が詰まったこのチェア、コンパクトに見えますが座ってみると窮屈な感じはありません。
体が沈み込むというよりは、後ろから腰を中心にホールドされている感じです。
この極上の座り心地の秘密は、背面と座面に設置されたそれぞれ異なる強さのバネにあるとか。
職人さんの存在
こうした張りぐるみのチェアには使う生地もそれだけ多くなりますし、作業の工程も多くて手間がかかるんですよね。
当然コストは上がっていきますが、この店には専門の職人が常駐してくれているので、生地の張り替えなどにかかるコストを、自社で賄うことができています。
その分お値段を少し下げて、なるべくお客様が手に取りやすいよう工夫を続けているんです
Lewis目黒店に常駐されているのは、なんとその道50年の職人さん。
使い込まれたミシンを操る姿に、声をかけることも忘れてずっと見入ってしまいました。
この、家具とお客様の両方に対する真摯な姿勢こそ、Lewisがヴィンテージファンから愛される理由なのでしょうね。
あわせて読みたい:
これぞ英国クオリティ! 機能性たっぷりのヴィンテージキャビネットは、自由自在な使い方ができちゃうんだ - ROOMIE(ルーミー)
ちょうどいい座り心地のチェアだから“ジャストライトチェア”って言うの、ちょっとカッコ良すぎない? - ROOMIE(ルーミー)
マンガ『602号、木の見える部屋』第6話~新年あけまして~ - ROOMIE(ルーミー)