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作家さんの作品が300も!人と人をつなげる、ハンドメイド愛にあふれた部屋(調布)|みんなの部屋
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作家さんの作品が300も!人と人をつなげる、ハンドメイド愛にあふれた部屋(調布)|みんなの部屋

2019-08-28 12:30
    「家のあちこちに作家さんの作品が300はありますね。部屋全体が、作品のギャラリーのようになってきてしまいました(笑)」(中前さん)

    今回、自慢の部屋を見せてくれたのは、「“つくる”の価値を届けるメディア」として、全国のものづくりの現場や、つくり手の想いを発信する『minneとものづくりと』編集長の中前結花さん。

    「作家」と呼ばれる全国のクリエイター約55万人が手がける作品が販売されている国内最大のハンドメイドマーケット『minne』。中前さんが携わる『minneとものづくりと』は、その作品制作の裏側を取材する記事や、企業とクリエイターで協力しながら制作するタイアップ記事などを配信しています。

    もともとフリーランスとして活躍していた中前さんが家で仕事をすることを前提に選んだ部屋というだけあり、暮らしにメリハリをつけるさまざまな工夫が施されています。

    名前:中前結花さん
    職業:『minneとものづくりと』編集長、エッセイスト
    家族構成:ひとり暮らし
    場所:調布市
    面積:約40㎡、1LDK(ロフトあり)
    家賃:94,000円(管理費込み)
    築年数:6年

    この部屋に決めた理由

    以前は田端(東京都北区)に住んでいたという中前さん。調布はなじみのない土地でしたが、部屋を探し始めたころはちょうど駅周辺の再開発が佳境を迎えていました。

    「歩いてすぐのところにシネコンができると聞いたんです。レイトショーを観たあと、電車に乗らなくても歩いて帰れるという環境に憧れていたので、住んでみようかなと思いました」(中前さん)

    中前さんの住まいは、外観は洋館風の佇まい。ロビーや廊下などの共有部分にはチェスターフィールド風のソファや優雅なアーチを描いたアイアンのインテリアなどが置かれ、まるで避暑地のホテルのよう。

    その流れでドアを開けても、まったく違和感のない中前さんの部屋。ここに決めたのは、腰板やドアがブルーだったからでした。

    「映画『かもめ食堂』の世界観が好きで、白い壁の下半分やドア、窓枠にブルーが使われていてひと目ぼれしました」(中前さん)

    塗料には、「ミルクペイント」を使っているそう

    それまではピンクをベースにした部屋づくりをしていましたが、ここに越してからはブルーの小物ばかりに目がとまり、壁掛け時計や家具の一部も自分でブルーに塗るまでに。

    お気に入りの場所

    天井が高く開放的な空間

    家探しをしていた3年半ほど前はフリーランスで働いていたため、家でも快適に仕事ができるように天井の高い開放的な部屋を探していたそう。

    この部屋は、メゾネットとも言えそうな立派なロフトがあるぶん天井が高く、中前さんのおめがねにかないました。

    「天井にもともとついていたシーリングファンも気に入っています。このファンのおかげでエアコンの効きもいいし、快適なんですよ」(中前さん)

    朝日が差し込むロフトの寝室

    「ここは朝日が入るし、夏は、多摩川の花火がちらちらと見えたりもするんですよ」(中前さん)

    ロフトは約6畳のスペースに、ベッドとドレッサー、大きなテレビを配置。コンパクトな空間ながら、欲しいものがすべて揃っています。

    奥にあるウォークインクローゼットには大好きな洋服がいっぱい。さらに地元の関西から泊まりに来る友人のためにお布団が2セットも収納されています。

    残念なところ

    ベランダがない

    天井の高さと引き換えに、あきらめたのはベランダ。

    「お布団が干せないのが残念なんですが……。浴室乾燥機がありますし、わりと頑丈な物干し用のリールがついていて、軽いお布団なら部屋の中でも干せますね」(中前さん)

    ファンの掃除や電球の交換が大変

    天井が高いぶん、掃除や電球の交換はやりにくいのが難点。

    「階段も幅が狭くてちょっと急なので、親しい友人には『私と連絡がつかなくなったら、階段から落ちてるか電球交換で足をすべらせてるか、どちらかだと思って』と話してあります(笑)」(中前さん)

    暮らしのアイデア

    前の家で使っていた本棚を食器棚に

    「リビングに面して少し斜めになったキッチンの角度も好きで、きれいに整えるようにしています」(中前さん)

    キッチンでは前の家で本棚として使っていた棚を、食器棚として活用。ピンクの冷蔵庫は、ピンクが好きで集めていたころの名残りだそう。

    暮らしにメリハリをつける3つのテーブル

    キッチン前にはカウンターテーブル、窓際には仕事用のデスク、テレビ前にはダイニングテーブル。

    LDKには用途の違う3つのテーブルを置くことで、毎日の生活にメリハリをつけているのだそう。

    「カウンターキッチンに憧れていたので、この部屋に決めてからまずカウンターを買いました。ここでは朝ごはんを食べたりします」(中前さん)

    TIMELAGさんのダイニングテーブル(オーダーメイド)

    「ダイニングテーブルはお気に入りのソファのサイズに合わせて、作家さんにオーダーメイドでつくってもらったんですよ」(中前さん)

    仕事用のデスクは、もともと2階の寝室に置いていましたが、「仕事をしなければいけないのに、ついベッドでゴロゴロしてしまう自分に危機感をおぼえた」という理由で、最近やっと1階におろしたそうです。

    お気に入りのアイテム

    蚤の市で見つけたごはん鍋

    調布はハンドメイドのイベントが多く、そこでの蚤の市に中前さんもよく足を運ぶのだそう。

    そのときに買ったお気に入りの食器だと紹介してくれたのは、1〜2人前くらいの量にちょうどいいごはん鍋です。

    「鮭やきのこを炊き込みごはんにすると本当においしいんですよ。つくってもらったテーブルを汚したくなくて、テーブルクロスも蚤の市で購入しました」(中前さん)

    壁にディスプレイしたカンカン帽

    KENT HATさんの帽子 他

    大好きで集めているというカンカン帽は、両面粘着テープでつけられる3Mのピンチにはさんで玄関の壁にディスプレイ。こうすることで帽子の型崩れも防げます。

    「亡くなった母は編み物の先生だったんです。このセーターは小さい頃に編んでもらったもので、宝物です。私のハンドメイド好きは、母親譲りなのかもしれませんね」(中前さん)

    セーターの左にある帽子は、お母様のもの。なくしたくなくて代わりのものを買ったのが帽子を集めるきっかけになったそうです。

    「ハンドメイドイベントでは、目印のかわりにいつもこの赤い帽子をかぶっています」(中前さん)

    minne作家さんのハンドメイド作品たち

    アクセサリーは、toukianさんの豆皿に並べてディスプレイ

    「そのひとつひとつに手間暇がかけられていること、想いが込められていることを知っているぶん、どんな作品にも惚れっぽいですね」と語る中前さんの部屋には、たくさんのハンドメイド作品たちが飾られています。

    クマゲラ工房さんの馬のお香台セット

    一安 眞紀子さんのペンギンピッチャー

    nachi73612さんの木製オーナメント

    「木のオブジェには、作家さんお手製のオーナメントを季節ごとに飾りかえています」(中前さん)

    tassel de sicaさんのタッセルキーホルダー

    毎年自分の誕生日に買い足しているというタッセルは、今年でもう3つ目になるそうです。

    これからの暮らし

    「取材でお会いした作家さんや、エッセイの挿絵を描いていただいた作家さんのイラストは、購入して壁に飾ることが多いです。どれも個性的で本当に素敵で。この壁をギャラリーのようにたくさんの作品で埋めることが目下の目標です」(中前さん)

    作家さんの作品の良さを伝えたくて、ひとつひとつ撮影しては、Twitterで紹介しているという中前さん。

    作品を撮影するために、部屋を整えておきたいというのも中前さんの思い。SNSだけでなく、『minneとものづくりと』に掲載する記事の撮影をここでおこなうことも多いそうです。

    中前さんの裁縫箱。作家さんの影響を受けて、ますますハンドメイドが好きになった

    「つくり手の方に向けた記事を書くことも多いので、『あの作家さんに届くといいなあ』と特定の方を思い浮かべて執筆することもありますね。その他の記事やエッセイも感想を寄せてくださる方がとても多くて。

    同じ『ものづくり』をしているもの同士、感想を言い合う、応援し合う、ような関係ができているような気がして本当にうれしくなります。心の中でとても頼りにしていますね」(中前さん)

    「作家さんに寄り添い続けるために、」と前置きしながら、「ただ『素敵な作品ですよ』と紹介するだけではなく、『minneとものづくりと』を通じて、作家さんとブランドや企業をつないで、作家さんがご自身のポートフォリオに胸を張って書けるようなお仕事やご縁を増やしていきたい」と語る中前さん。

    作家さん、そして作品への思いがあふれた人の住む空間は、こんなにもやさしいものかと感動するばかりなのでした。

    Text by 大森りえ
    Photographed by Kayoko Yamamoto

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