こんな寒い日には、「ゆっくり海外へ旅行に出かけて、あたたかい国でのんびりしたい……」なんて妄想をしてしまいます。
とはいえ航空券のチケット代も上がる年末年始、海外旅行は気軽には行けないもの。ならばせめて、旅行気分だけでも味わいたい!
そう思った私が、同志であるROOMIE編集部員たちと集ったのは都内某所のとあるおうち。
テーブルの上に広がるのは、カレーやタコス、パッタイなど世界各国の料理たち。そう、腕によりをかけて……ではなく、実は全部デリバリーしたもの。
今日は1日、家から出ないし料理だってしないぞ。思いっきりのんびりして旅行気分に浸るんだ……!
本日のメンバー(右奥から時計回りに)
尾田和実:ROOMIE・プロデューサー
岩澤春香:ROOMIE編集部員
田口モトキ:ROOMIE編集部員
マツザキチアキ:ROOMIE・編集アシスタント
ちゃなまる:ROOMIE編集部員
小池田まゆ:ROOMIE編集部員
国によって食文化もさまざま
おいしそうな料理を目の前に、まずはみんなでいただきますの挨拶。
田口モトキ(以下、田口):いただきますって他の国でも言うんですかね?
ちゃなまる:たしかに、言わないのかも……?
尾田和実(以下、尾田):日本では「命をいただきます」の意味だけど、たとえばメキシコだと“Buen provecho”(ブエン プロベチョ)=いい食事をって意味らしいね。
<インド料理>
3種類のカレーとナン、サモサ、タンドリーチキン
ちゃなまる:カレー、すごいおいしい! ナンがモチモチしてる。
岩澤春香(以下、岩澤):インドでは、北インドと南インドで食文化が少しちがうらしいです。今日みたいにちょっとドロッとしてるのが北インドのカレーで、南はナンを食べないらしくて……。日本で親しみがあるのは北のほうなのかな?
一同:へ~!
尾田:この揚げ物はなんだろう?
ちゃなまる:あ、サモサですね! マッシュポテトみたいなものを皮で包んで、揚げたものらしいですよ。
岩澤:清潔の価値観も日本とはちがって、有名なのは手で食べることだと思うんですけど。揚げ物も、油で調理することで浄化されるっていう意味で揚げるらしいです。
小池田:調理方法にも意味があるんだ……! 食文化のちがいってたしかに明確だから、おもしろいですね。
ちゃなまる:岩澤さんはインドに行ったことあるんでしたっけ?
岩澤:いえ、ないんですが……(笑)。
日本人でも食べやすいシンガポールの料理
<シンガポール料理>
海老オムレツ(ホーカーズ)、チキンライス
マツザキチアキ(以下、マツザキ):大学の卒業旅行でシンガポールに行ったんですけど、めちゃめちゃ楽しかったです! マリーナベイサンズっていう屋上にプールのあるホテルに泊まったんですけど、朝も夜もプールに入って……。
小池田:私も行ったことがあるんだけど、街がすごくきれい。ガムを食べるのが禁止だったり、喫煙できる場所が決められていたり……。
尾田:街を汚したら警察が飛んでくるんだよね。
マツザキ:料理がすごく食べやすかったですね。多国籍文化だから種類も多くて、日本人の口にも合うものが多かったのかも。
尾田:屋台村みたいなのもあるよね、小さい屋台がたくさんあって……。
田口:シンガポール料理ってどういうものなんだろう?
小池田:私が食べたのは、シンガポール風チキンライスと、ラクサっていうココナッツ系の辛いスープの中に麺が入ってる料理。最近はカップ麺でもラクサ風のものが出てるけど、おいしいですよね。
話は旅の思い出へ…
マツザキ:食べ物以外だと、地下鉄がすごくきれいで、日本と同じ感覚で乗れたのが印象的でした。
田口:地下鉄でいうと、自分はイギリスの地下鉄がけっこう衝撃的でしたね……。めちゃめちゃ狭いうえに、日本とちがうのはみんな満員を嫌がるから満員にならないんですよね。
尾田:ロンドンの電車ってすごくいい加減で、乗ったあとにさあ、スタート!ってところで「この電車は走りません、隣の電車に乗り換えてください」って全員移動したことがあった。日本じゃありえないよね(笑)。
田口:日本の電車、時間通りに来るのがすごいらしいですね。
岩澤:1~2分遅れたことへの謝罪アナウンスが流れたのを聞いて、海外の人がビックリした……みたいなのが前にニュースになってましたね。
小池田:海外旅行で乗り物のトラブルってけっこうありますよね。韓国に行ったときに、この電車随分空いてるな〜と思って適当に乗ったら、車庫みたいなところに入る電車だったことが……。
ちゃなまる:ベトナムに行ったときに友達とバイクタクシーに乗ろうとしたら「2人乗っていいよ」って言われて……。
小池田:え、乗れるんですか?
ちゃなまる:ダメでしょ(笑)。わざと夜市とかも通り抜けてくれたんだけど、メーター動いてなくて……めちゃくちゃ怖かった! ちゃんと届けてくれたんだけどね。
尾田:イギリスのタクシーもすごかった。乗ったときにけっこう古いな~と思ったんだけど、走ってたら急にドアがバーン!って開いて……。
一同:えっ!
尾田:慌てて閉めようとしたんだけど、運転手が「いいんだそれで!」って怒ってて。なんでだろうと思ってよく見たら、ドアからヒモが伸びてて、全開にはならないようになってた(笑)。古くてもメンテナンスして使うのかな。
ちゃなまる:ドアが壊れたらさすがに直してほしいですけどね……(笑)。
メキシコといえばテキーラ!?
<メキシコ料理>
タコス、メキシカンサラダボウル、サルサソース
田口:尾田さん、メキシコに行ったことあるんですよね?
尾田:うん、一泊二日の弾丸で。仕事で行ったから、招待してくれた人がおもてなしをしてくれてフランス料理を食べたんだけど……。
岩澤:メキシコでフランス料理!
尾田:その当時、メキシコにはフランス料理のお店があまりなかったみたいなんだけど、日本のフランス料理とは違って、ちょっとスパイシーっていうか……メキシコっぽい味だったんだよね。
田口:映画とかのイメージもあって、メキシコのハードルは上がってるな……。
ちゃなまる:1人じゃ歩けないイメージがありますね。
尾田:そのあとメキシコ料理のお店に行ってお酒を飲んだんだけど、すごく暗くて、テックスメックス風のロックンロールバンドが演奏してるお店で……。
一同:うんうん。
尾田:その夜はすごく楽しかった。ところが帰国して、メキシコで同行してた人から送られてきた写真に「絶対に人のいるところで見ないでください」って注意書きがあって。
一同:えっ……!?
尾田:家に帰ってこっそり見たら……(以下略)。
一同:え〜!!!
尾田:要は暗くて、テキーラをものすごい飲まされてるから、みんな酔っ払ってわからなかったんだよね。
岩澤:狐につままれたみたいな。
田口:テキーラって本物はすごく甘いんですよ。植物の甘みみたいなのがあって……おいしいくてスイスイ飲めると思ったけど、でもやっぱり度数は強い!
尾田:完全にその罠にハマったよね(笑)。
ベトナム料理とパクチーの関係
<タイ料理>
パッタイとガパオ
ちゃなまる:自分が行ったことがあるのはタイとベトナム。ごはんがおいしくて、よかったな〜。パクチーも好きだし!
マツザキ:私はけっこう苦手なんですよね……。
尾田:僕は大好き。でもベトナムって、日本人ほどパクチーをたくさん食べないって話じゃない?
岩澤:パクチーラーメン、みたいに山盛りにはしないんですかね。
ちゃなまる:サンドイッチとかを食べるとだいたい入ってましたね。日本でいうワサビみたいなものなのかな……? 物価も安くて、水よりビールのほうが安い!
岩澤:あ、チェコもそうだったな。
田口:ビールでいうと、イギリスに行ったときバーで頼んだビールが全然冷えてなかったのがびっくりしたな。
ちゃなまる:ベトナムは氷に入れられるよ。
小池田:えっ!じゃあ溶ける前に飲まなきゃいけないってことか……!
尾田:ベトナムだとあとは……バインミーとか?
ちゃなまる:めっちゃ食べましたね。本当においしいんですよね、鯖の缶詰とトマトに、パクチーが入ってて……。
小池田:合うんですか?
ちゃなまる:おいしいんだよ!
尾田:なますみたいなのが入ってるよね。
ちゃなまる:そうそう。酸っぱい大根の細切りとか、本当に日本の酢の物みたい。あとは、おかゆみたいなのがうまかったんだよな~。石鍋に入ってて、ハツとかレバーとか中に何入れるか選べて……。そういうのを食べながらタイガービールを飲むのが最高だった!
小池田:いいなあ。パクチーは苦手だけどベトナムには行ってみたい……!
いつか行きたいあの国
ちゃなまる:みんないろいろな国に行ってるけど、これから行ってみたい国ってある? 僕は韓国に日帰りで焼肉とか食べに行きたいな。
尾田:アルゼンチンとかは興味がある。肉があまりにおいしすぎて、帰ってくるとみんなパンプアップしてるって話を菊地成孔さんのラジオで聴いて以来ずっと(笑)。アルゼンチンが近くなるに連れて、機内食のクオリティが高くなるらしいよ。日本みたいなサシの入った肉じゃなくて、肉々しい肉。
田口:それは行ってみたい!
尾田:あとはアルゼンチンに住んでいた知り合いが言ってたんだけど、キッチンにワインの蛇口があった時代があるらしい。家庭用のタンクがあって、蛇口をひねるとワインが……。
岩澤:夢のような蛇口……!
田口:食べ物って海外旅行の動機ですよね。
ちゃなまる:たしかにこういうごはんを食べてると、海外旅行に行きたくなる!
田口:海外旅行気分を味わいつつ、現地のごはんを思い出してより行きたくなったかも……(笑)。
たまにはこんな冬ごもりもアリだな…!
旅の思い出話を聞きながらその国の料理を食べるだけで、不思議となんだか旅行をしたような気分になったこの日。
寒くて長い冬は家にこもって、こんな贅沢な時間を過ごすのもいいなぁ……。
いつかの海外旅行を夢見て、楽しい食事の時間は続くのでした。
Photographed by Kaoru Mochida
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