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“普通のマンション”を自分らしくアレンジする。ときめくものをパズルのように組み合わせる2人暮らし(香川県高松市)|みんなの部屋
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“普通のマンション”を自分らしくアレンジする。ときめくものをパズルのように組み合わせる2人暮らし(香川県高松市)|みんなの部屋

2022-01-14 07:30
    香川県は中部に位置する県庁所在地の高松市。小豆島や直島といった、瀬戸内海でも人気の島々ともアクセスがよく、近年は移住者も増加している人気のエリアです。

    そんな市内の中心部に、今回ご紹介する山﨑さん夫妻の住まいはありました。

    お名前(職業):山﨑亞子さん(音楽のイベンター・執筆業・デザイン業など)、山﨑洋一さん(会社員)
    場所:香川県高松市
    広さ:3LDK/129.79㎡(バルコニーとポーチ含む)
    築年数:15年
    住宅の形態:マンション
    間取り図:

    編集部作成

    一時期はヴィレッジヴァンガードのようだと言われていたほど、たくさんのものに溢れていた山﨑さんの住まい。そこから断捨離を経て、今の空間に落ち着きました。

    お部屋を見渡すと、それぞれカラーの異なるものがミックスされているのに、空間として統一された印象を受けます。

    そんな住まいで変わらず使い続けているインテリアと、変化してきたレイアウトやお部屋のつくり方についてお話を伺ってきました。

    ■目次
    1. お気に入りの場所
    常によりよく変化させているリビング・ダイニング
    憩いの場となっている和室
    観葉植物がすくすく育つ窓際

    2. この部屋に決めた理由

    3. 残念なところ

    4. お気に入りのアイテム
    カタログで衝撃を受けたTRUCK FURNITUREのソファ
    何度も悩んで行き着いたダイニングテーブル
    ベニワレンとザナフィのモロッコラグ

    5. 暮らしのアイデア

    6. これからの暮らし

    お気に入りの場所

    常によりよく変化させているリビング・ダイニング

    住まいの中心で、SNSでも写真を載せることの多いリビングダイニングは、亞子さんがその時々で模様替えしながら楽しんでいる空間。

    「横に長いつくりですが、開放感があるリビングダイニングなので、あえて空間を間仕切りせず、一つのハコとして部屋づくりをしています。大きなテーブルを置いてみたり、ラグをたくさん敷いてみたりしていた迷走期も経ながら、居心地のいい空間にすべく試行錯誤中です」(亞子さん)

    「ダイニングは友人を招いても十分なスペースを保ちながら、2人暮らしなので極力コンパクトにしました。また、リビングはわが家のシンボル家具である、TRUCK FURNITUREのソファーを魅せる形でゆったりとレイアウトしているところもお気に入りですね」(亞子さん)

    現在ソファが置かれているスペースは、長らくテレビの定位置だった場所。現在はプロジェクターで映画が見られたらと、壁の余白を大きく設けていました。

    「テレビをほとんど観ないのに、テレビに呪われてるなとある日思ったんです。テレビとテレビボードがあるから置きたいものが置けないんだと。それに気づいてテレビのサイズもワイヤレスの小さなものにして、ダイニングに置くようにしました。そうしたことで壁が表立って空間は広く見えるし、全体のバランスもいい具合になって自分好みの空間に変わりましたね」(亞子さん)

    憩いの場となっている和室

    モダンなインテリアが絶妙に溶け込んでいたのが和室。温かみのある和室本来の持ち味は活かしながら、インテリアでシックに整えられた雰囲気がたまりません。

    「入居当時は一面に絨毯を敷いてみたり、机を配置してみたりと和室の使い方に四苦八苦しましたが、あまり和室ということに捕らわれず、同じリビングとして好きなものをレイアウトしたらなんだかしっくりきました。今ではこの和室を褒めていただくことが多く、自分らしさの象徴にもなっていて、お気に入りです」(亞子さん)

    居心地のいい和室を最も好んでいるのはご主人の洋一さんなのだそう。

    「気づいたらここでだらんと休んでいることが多いですね。飲んで帰った夜も、天気のいい日中も、ここが寝室なんじゃないかと思うくらい、ずっとこの場所にいます」(洋一さん)

    観葉植物がすくすく育つ窓際

    日当たりのいい窓際はお2人がくつろぐ場としてはもちろん。植物も元気よく育つ心地のいい空間になっていました。

    「窓際はいろいろとものを置いて装飾していた時期もあったのですが、断捨離で物数を減らす流れの中で、置いてあっても絵になる植物を中心とした空間に変わっていきました」(亞子さん)

    「日当たりがいいので冬も暖かく、逆に夏は角部屋のため浜風がすごくよく抜けて、1年中心地よく過ごせるところも気に入っていますね」(亞子さん)

    この部屋に決めた理由

    街中でありながら、静かで日当たりもいい角部屋

    マンションの建設が始まるタイミングで、中心地という立地のよさから関心を持ったという今の住まい。繁華街とも近いため、夜の環境もしっかり確認してから決めたのだそう。

    「マンション購入がブームで、費用的にもいい条件だった頃に出会ったのがこの住まいでした。中心地でありながら夜は静かな周辺環境で、間取りも南向き、ベランダがコの字になっている角部屋、プライベートポーチがついていることも決め手になりましたね」(亞子さん)

    亞子さんが物件を購入後、数年経ってご結婚された洋一さんも今の住まいには大満足でした。

    「飲みに行くのが好きなのですが、夜帰る時に公共交通機関を使うとなると乗り過ごさないか不安です。その点、歩いても帰れる今の住まいは最高の立地ですね」(洋一さん)

    残念なところ

    “枠にハマっている感”のある住まい

    マンション購入時、床や扉の色は3つの選択肢から選ぶしかなく、どれもそこまで気に入らないまま、消去法で決めてしまったと話す亞子さん。SNSでさまざまな住まいを見るたびに自由度の低さを感じることがあるとのこと。

    「あくまでパッケージになっているマンションを購入したので、枠にハマっている感はありますね。

    今はリフォームやリノベが当たり前のようになりましたが、当時はそこまで知識もなかったので、今の感覚で物件を選んでいたらまた違ったところを選んでいたのかなと思います」(亞子さん)

    「ただ、長年住む中で、今あるものでどうにか工夫しようという気持ちが高まり、自分らしさの試行錯誤をした結果が今なので、それはそれで気に入っています」(亞子さん)

    お気に入りのアイテム

    カタログで衝撃を受けたTRUCK FURNITUREのソファ

    部屋の顔だと話していたTRUCK FURNITUREのソファ。運命的な出会いから心打たれ、購入のためにお金を貯め続けたと話す、思い入れの深いインテリアでした。

    「TRUCKとの出会いは、約20年ほど前に書店で見つけた『TRUCK WORKS』という一冊のカタログ本でした。本の装丁から紙質、レイアウト、写真に至るまで全てが完璧過ぎて、中でも存在感バチバチで威厳のある風格を漂わせるレザーのソファーは好みドンピシャで、“様になる一生モノのソファー”を探していた私にとっては、これ以外考えられませんでした。紙が擦り減るくらいカタログをめくって、眺めて、数年迷ってお金を貯めて、最後は大阪のお店まで足を運んで購入しました」(亞子さん)

    「私にとってはすごく高い買い物だったけど、今眺めてもTRUCKの家具たちは本当にカッコいいなぁと惚れ惚れします。たくさん座って、心地よくうたた寝して、本を読んで……。当時からはすっかり革の色も木の色も変化してしまいましたが、人生とともに成長していくこのソファーは、今ではうちのシンボル家具になりました」(亞子さん)

    「SNSや友人の住まいを見ても、魅力的なソファはたくさんありますが、わが家にはこれ以上のソファはないと今でも思います。これからおばあちゃんになっても、ずっと大事にしたい。そう思える初めての一生モノ、そんな思いの詰まったソファです。今の生活は間違いなくこのソファーが原点ですね」(亞子さん)

    心から一生モノと思える出会いって本当に素敵ですよね。原点であり、家族のように愛されているソファは、心なしか誇らしげに見えました。

    何度も悩んで行き着いたダイニングテーブル

    2人の時はもちろん、友人6人くらいまでであれば十分に対応できると話していたのがダイニングテーブル。ご夫婦が何度も何度も悩んで辿り着いた、こだわりのインテリアなのだそう。

    「ダイニングテーブルは歴史があって、よくある北欧風のテーブルからオーダーして作った長机まで、また以前は大は小を兼ねるで大型のものを使っていました。ただ暮らしの変化の中で、2人ならもっとコンパクトに、丸テーブルでもいいなと思うようになったんです。ただ最初はなかなか気に入ったものが見つからなくて……」(亞子さん)

    そんな中、知人に紹介されたお店で出会ったのが、地元のインテリアショップUTSUMIorientalの丸テーブル。

    「最初にお店を訪れた際に天板が気に入ったのですが、古材の丸板に合わせる脚がしっくりこず、かなり悩みました。脚のデザインや本数、改めて天板の種類など、お店に申し訳ないくらい何度も訪れては検討しました。かなりワガママも言ったのですが、とにかく親身に話を聞いてくださり、納得のいく買い物ができてよかったです」(洋一さん)

    和室のあり方を変えてくれたアート

    美大に通っていたこともあり、絵を見たり描いたりすることが好きだったという亞子さん。和室に飾られていたドローイング絵画は、カフェで一目惚れした山口一郎さんの作品でした。

    「自分が動物占いで“チータ”ということもあり、かなりたくさんの“いきもの”の中からチータを選びました(笑)。“絵を愉む”という余裕や余韻が、今の生活を楽しめているんだという一つの指標となった気がします。

    そしてこの絵を和室に置くことで、野暮ったい和室のイメージが払拭され、インテリアにおける“自分らしさ“という表現方法を見出せた気もしています。いろんな意味で生活に幅を持たせてくれた作品ですね」(亞子さん)

    ベニワレンとザナフィのモロッコラグ

    お部屋の至るところで使われていた布物やラグは使い勝手もよく、その時使うことがなくても時間が経って出番が出てくることがよくあるとのこと。

    「ベニワレンとザナフィというモロッコラグがお気に入りです。元々テキスタイル系のものが好きだったので、家に敷く絨毯は妥協したくなく、気に入るものをずっと探していました。

    たまたま地元で知人がモロッコラグの専門店を運営していたので、そちらで好みの色や柄を相談しつつ購入。ラグ一つで部屋の雰囲気がぐっと変わるので、和室にも躊躇することなくモロッコラグを敷いています」(亞子さん)

    暮らしのアイデア

    ときめくものをパズルのように組み合わせる

    何か一つのテーマにまとめるというよりは、心がときめくものを活かす部屋づくりを考えている亞子さん。お部屋づくりは完全に任せていると話す洋一さんも、そのセンスにはいつも驚かされているそうです。

    「どこか一つの箇所というよりは、大きい部屋の枠の中でアイテムをパズルのように組み合わせることで魅力を最大限に引き出しているなと思っています。スイッチが入る瞬間は隣で見ていてわかるのですが、深ぼっていく姿勢やつくり出すインテリアの組み合わせ、色の掛け合いは本当に上手だと思いますね」(洋一さん)

    「特にブランドなどへのこだわりはなく、家に置いた時のイメージがきちんとできるかどうか。ただ、温もりを感じたり、時代を感じたり、ストーリー性のあるものが好きなので、どうしてもヴィンテージや造り手が見える物が多くはなってしまいます。

    シンプルで潔いお家にも憧れるのですが、植物から漫画まで常に何かにハマっているタイプのため、もの数の少ない、生活感がない部屋は落ち着きません。かといってものが多すぎても気持ちがとっ散らかってしまうので、シンプルとごちゃごちゃの間で漂っています」(亞子さん)

    これからの暮らし

    自分たちに合った暮らしの追求

    これまでも暮らしに合わせてアイテムの追加と断捨離を繰り返してきた山﨑さん。大切にしてきた感性は変わらず大切に、これからも住まいづくりを進めていきたいそう。

    「新しく何かを取り入れることは簡単ですし、上を見れば素敵なお家はたくさんあります。ただ私のテーマとして、今あるものでこのごく普通のマンションをいかに居心地のいい空間にできるか?ということが常にあるので、身の丈に合った範囲で日々のトキメキを見逃さずに生活していきたいと思います」(亞子さん)

    「直近だとプロジェクターの導入と、住み始めから使っている食器棚のサイズをコンパクトにすることがありますかね。ライフスタイルの変化に合わせて空間も使うものも見直しながら、今の住まいをよりよいものにしていきたいです」(亞子さん)

    たくさんの情報が流れる中で、自分が好きだと心動かされるものを大切にして住まいづくりをされている山﨑さん。ご夫婦の居心地のいい暮らしを求める先に、どんな住まいの景色があるのか、これからも目が離せません。

    Photographed by tsubottlee

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