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五畳一間でも、書斎や2口コンロはつくれる! プロダクトデザイナーの暮らしの実験室(稲城市)|みんなの部屋
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五畳一間でも、書斎や2口コンロはつくれる! プロダクトデザイナーの暮らしの実験室(稲城市)|みんなの部屋

2022-05-31 20:30

    Photographed by Kaoru Mochida 新宿から電車に揺られて約30分。京王相模原線・稲城駅周辺は、東京と言えど、のんびりとした雰囲気が漂います。

    そこから程近いところにあるのが、月の半分はクリエイティブユニット・TENTでも活躍されている、フリーランスのプロダクトデザイナー・上田さんが暮らす五畳一間のお住まいです。

    まるでプロダクトをデザインするかのように、仮説検証を繰り返して生み出したという、余裕を感じさせる空間づくりの知恵をうかがいました。

    名前(職業):上田一輝さん(フリーランス・プロダクトデザイナー)
    場所:東京都稲城市
    面積:約5畳(1R)
    家賃:約3万円
    築年数:36年
    間取り図(上田さん作成):

    ■目次
    1. お気に入りの場所
    作業スペースにもなる出窓
    5畳でつくる書斎空間

    2. この部屋に決めた理由

    3. お気に入りのアイテム
    欲しくて商品化した本棚
    持ち歩ける明かりたち
    デザイナーならではの「アイデアのお供」

    4. 暮らしのアイデア
    おうちの収納としてのバックパック
    狭いキッチンは拡張する
    見えない境界線を引く
    あえての裸電球

    5. 残念なところ

    6. これからの暮らし

    お気に入りの場所

    作業スペースにもなる出窓


    このおうちに決めた理由の一つでもあるという、広々とした出窓。ちょうどスタンディングデスクとして使えるピッタリな高さで、気分転換に立ちながら作業するのがお気に入りなんだとか。

    「窓から人の流れを見たり、春には一面に咲く桜を楽しんだりできます。でも、あまりにも気が散るのと、部屋がピンクになりすぎてしまうのとで、すりガラスシートを貼りました。おかげで、物撮りにもこの場所は重宝しています」


    あまりの馴染み具合に気づかなかったのですが、下に敷かれていたのはカッティングボード。PCだけでなく、工作の時もここで作業されるのだそう。


    積み木のおもちゃのようなこれは、上田さんがデザインしたカードスタンド、「OBAKE CARD STAND」。

    「それぞれキャラクターがあって、大きいほうが恥ずかしがり屋。なので後ろにいます。小さいほうは前に出たがりなんです。目がネオジウム磁石になってるので、カードを貼り付けることもできます」

    5畳でつくる書斎空間


    デスクとして使っている、無印良品の折りたたみ机は、シーンに応じて色んなレイアウトがあるんだとか。


    例えば、ガッと作業に集中したい時は、壁に寄せない配置に。

    「さらに、キングジムの『TOOL STNAD』を入口に置けば、『これが終わるまではここを出ないぞ!』というような、ストッパー代わりに。

    仕事道具は全部ここに入れているので、机の上もゴチャ付かず、レイアウト替えも簡単です。

    こんな感じで、5畳でも工夫すれば書斎ができあがります」


    今度は机を窓際に配置。

    「ここに置けば、さっきとは打って変わってカフェみたいになるんです。狭い空間で1人で作業してると独房っぽくて寂しいんですけど、カフェの2人席で作業してる体だとまだそんな気持ちにはならないかなって(笑)。桜の満開の季節は、特等席ですね」

    この部屋に決めた理由

    1番の決め手は、ちょうどいい高さの出窓だったと語る上田さん。

    でもどうして、五畳一間という空間を選んだのでしょうか。

    「会社を辞めて、半年間好きなことをして暮らそうと思って、それにふさわしい家賃を考えた結果、ここになりました。

    でも、仕方なくというわけではなくて、どうせならコンパクトな暮らしに振り切って見るのも面白そうと思ったのも理由の1つ。

    就職活動の中で、『この狭い部屋で暮らしの実験的なことしてます』ってアピールするのは、ある意味ポートフォリオになるんじゃないかなっていう(笑)」

    お気に入りのアイテム

    欲しくて商品化した本棚


    部屋に置かれた本棚も、上田さんがこの5畳の空間をヒントに考案したプロダクト。

    文庫本から雑誌まで、いろんなサイズの本を収納できます。

    さらに、お気に入りの雑誌などの表紙を見せてディスプレイすることもできるんだとか! 考えつくされている……!

    「読書が好きというより、本が並んでいる景色が好きなんです。だから最低限紙の本を置いておきたいと思ってつくりました。

    本棚の圧迫感がないように、1枚で軽やかに。立てかけて使うものなので、壁が傷つかないよう四隅に丸みをつけました」

    「立てかけたときにできた隙間は収納スペースにもなります。ちょうど配線類を隠すのにもってこいなんです」

    持ち歩ける明かりたち

    「TENTのテーブルランプ『イチ』は、コードレスなのでどこでも作業場にできるんです。電池の入れ替えは面倒ですが、2個使いしているので、半永久的に使えます(笑)」

    「バルミューダのランタンもお気に入りです。そこら中に掛かっているS字フックも、実はこのライトを付けるためのもの。

    窓際にテーブルを置いて、これを取り付けたらカフェっぽさが一気に増します」

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    デザイナーならではの「アイデアのお供」

    出窓の小物を置いてあるこちらのスタンドは、idontknowの「UPRIGHT」という製品。あまりにも背景と化して気づかなかったのですが、コピー用紙がドサッとまとめられています。

    「A4のコピー用紙を500枚置くためだけの、すごいニッチな金属製のスタンドです。

    コピー用紙は、デザイナーにとって、アイデア出しに最強の道具なんです。こうやって塊にしておけば、インテリアにも馴染みます。

    さあアイデアを出すのだ!っていう圧も感じられて(笑)」

    同じくidontknowの「METHOD」は、チーム向けのアイデア出し製品。表裏が白紙のはがきで、1枚1案太いマジックで書いていくのがルール。

    「細かく書き込めないから誤魔化しが利かないので、企画の筋がいいかを純粋に判断できます。、TENTの製品の多くも、ここから生まれているんです!」

    暮らしのアイデア

    おうちの収納としてのバックパック

    愛用しているバックパックは、YouTubeや商品企画をおこなうdripの「FLOORPACK」。名前の通り、2階建てのバックパックです。

    「下の階にも簡単にアクセスできますし、ポケットがサイドではなく上部にあるので満員電車でも便利です。

    重さも分散されるので、思ったより重く感じられないのもお気に入り。

    何より、ゴリゴリの機能性バッグなのに、こんなにスッキリとした見た目で……なんてズルいアイテムなんだ……」

    FLOORPACKが掛けられているのは、TENTが手掛けた「DRAW A LINE」。

    「仕事道具を入れているバックパックは、移動袋でありながら、家の収納なんです。

    手の届く範囲に存在させておきたかったので、DRAW A LINEの位置を逆算させて設置しました」

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    狭いキッチンは拡張する

    キッチン横に置かれた、同じ高さの食器棚と冷蔵庫。

    元々いらないと思っていたという冷蔵庫は、途中で買い足したものなのだそう。

    「冷蔵庫を選ぶとき、食器棚との高さを揃えようと思って。要は、キッチンの延長なんですよ。

    ここでまな板を置いて切ったり、カセットコンロで調理したり。作業台を買ったら、冷蔵庫の機能がついてきたみたいな感じです(笑)」

    小さくてシンプルなカセットコンロは、韓国のアウトドアメーカー、KOVEAの「Cube」

    「カセットコンロっぽくなくて、キッチンの一部になりえる存在のものを買いました。IHでパスタを茹でて、こっちで具材を炒めて……と2口コンロに無理やりしたって感じです」

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    見えない境界線を引く


    冷蔵庫横もマグネットを活用して、今までのアイデアやティッシュケースを設置。

    マグネットフックを利用して、絡まりがちな充電コードも引っかけられていますが、充電場所をここにしたのにも理由があるのだとか。

    「僕の中では、この冷蔵庫が境界線なんです。

    ここから向こう側は、集中したりリラックスしたりする場所なので、スマホを持ち込みたくなくて。

    狭い空間は、自分の中で仕切りを作っておかないとオンオフができないので、充電場所はここだけに集約しています」

    あえての裸電球

    「最近、ペンダントライトを外して電球だけにしました。

    みすぼらしいかなって思ったんですけど、意外と部屋が広く見えるし、着替えの時にぶつかることもないし良かったです。

    使っているのはスマート電球の『Philips Hue』。夜は暗いところで過ごしたかったので、一番暗い明るさに調整できるっていうのがポイント高いですね」

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    残念なところ

    上田さん撮影


    好んでミニマムな暮らしをしているという上田さんは、この狭さがネックになってることはそれほどないと語ります。

    「自分の製品の在庫を置くための収納は欲しいなって思うんですけど、暮らしの分には、意外とこのくらいの倉庫のような囲まれてる空間が好きなんだなって気づきました。

    強いて言えば、今は毎朝マットレスを畳んでいるので、常設で置いておけるスペースは欲しいかも。

    でも昔の日本の暮らしのように、切り替えがあるのも悪くないです。あれもこれもある暮らしっていうよりは、自分で空間を作り上げるほうが好きなんです」

    これからの暮らし

    「商品を自分でつくって売っているので、狭い5畳だとどうしても暮らしと仕事が混在してしまいます。そこをもっと両立させたいですね。

    注文を受け付けられる上限が決まってしまって、本当は100台売れるのに50台しか受け付けられない、なんてことが発生しちゃってるんですよ。それがちょっともったいないなって。

    でももっと工夫すれば、もしかしたら、まだ5畳でも両立できるんじゃない?っていう挑戦心もあります(笑)」

    取材後、上田さんのTwitterでは、早速0.5畳のバックヤードが設けられたことが報告されていました。

    5畳の家に0.5畳のバックヤードを作ります

    発送作業と在庫管理の効率化! pic.twitter.com/9bkrDRG3td

    — うえだ (@kkahmtm1105) May 14, 2022

    他にも、段ボールの試作品や吸音材など、実験の名残が所々に点在していた上田さんのお住まい。

    そんな5畳の暮らしの実験室から生まれるプロダクトは、きっと快適でゆとりのある暮らしをもたらしてくれるに違いない。そう、とくと感じさせてくれるお部屋でした。

    センスの光る美大卒夫婦のお部屋もチェックしておかなくっちゃ!

    実家暮らしのお部屋作りも、参考になるな~

    RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2022/05/831602/
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