【ROOMIE KITCHEN】たこ焼き器、やめました。このプレートがあればたこ焼きからアヒージョまで場所を取らずにできちゃうんだ

Text & Photographed by 城リユア この夏は、ひと味違うキャンプはどうだろう? 

野沢温泉で行われている「LIFE FARMING CAMP in NOZAWA ONSEN」は、申し込むとブナ林ハイキングや、坐禅などの体験や温泉、オプションでオーガニックファームで採れた無農薬野菜などを贅沢に使ったディナーや、SUP、サウナなどのアクティビティも楽しめるキャンププログラム。

しかも筆者のようなアウトドア初心者でも気軽に「ツリーハウスを舞台に、サスティナブルな体験ができる」と聞き、はりきって行ってきました!

電気も食材も自給自足するキャンプ場

東京駅から新幹線に揺られること約2時間、最寄り駅・長野県の飯島駅に到着。早速迎えにきていた専用マイクロバスに乗り込み野沢温泉へ向かいます。

ここは美しい水が循環する町として知られ、13もの源泉かけ流し湯が共同浴場として無料開放されているという、なんとも太っ腹な湯の里なのです。

温泉街の中心にある山小屋風カフェ「七良衛門珈琲」にて受付を済ませると、ゲスト全員がもらえる野沢温泉オリジナルの温泉タオルとステンレスタンブラーを受け取りました。

今宵はこちらのシェフと一緒にキャンプ場でディナーを作るということで、期待が膨らみます!

いよいよ今回のキャンププログラムの舞台「NOZAWA GREEN FIELD」へ!

樹木の間を縫うようにして作られたツリーハウスにテンションが上がりました。なんですかこのお洒落な空間は……!

この場所で使われる電力はすべて、太陽光パネルで自家蓄電した電気でまかなわれています。

エリア内には完全無農薬の畑も。時季によっては収穫体験もできます。採れたての野菜はディナーの食材に。

入浴はもちろん野沢温泉にて!

環境に負荷をかけない米ぬか製シャンプー&ボディーソープのレンタル備品、バンブー製の歯ブラシ、バクテリアが分解可能なラムネタイプの歯磨き粉がアメニティとして支給されます。

極めつけはトイレ。いわゆる“ぼっとん便所”です。ゲストたちの排泄物はコンポストで1年かけて肥料化され、オーガニックファームの養分にしているそう。

トイレに置かれているもみ殻を上から落として消臭……! 正直、最初は少し引いてしまいましたが、ウォシュレット機能といった現代社会にあって当然の“文明の力”も「ないものはない」といい意味の諦観が湧いてきて、「この不便さを楽しんでやるぞ」というマインドに切り替わりました。

こちらがこのプログラムを企画した一人、プロデューサーの小松隆宏さん。東京で慌ただしい生活を送るなか「もっと豊かな暮らしができないものか」とずっと考えてきたそう。

「もしかしたら本当の豊かさって、不自由な生活のなかにこそあるのかもしれない。そんな気づきから『人生を耕す』をテーマにした、サスティナブルな農的暮らしを体験できるキャンププログラムを企画したんです」と語ります。

エリア内には水汲み場も。水はすべてここで確保します。野沢温泉の町中にも公式の水汲み場があり、ここは本当に水の里なんだな〜と実感できました。

地元のガイドさんと“ブナ林ハイキング”

このプログラムの魅力の一つが、「野沢温泉村の始まりを知るブナ林ハイキング」を地元のガイドさん(スペシャリスト・池田 和夫さん)の案内で楽しめること!

標高1300mの場所まで車で行くと現れるブナ林。突如、池田さんがその辺でつんだ雑草で草笛を作り吹き始めました。

一体何ごと? と唖然としていると、「クマがよく現れるから。鉢合わせしないよう予め大きな音を出し、今から林に入るよ伝えてるんですよ」と池田さん。な、なるほど。

草笛の吹き方を教えてくれるネイチャーガイドの高野 隼人(ハヤピー)さん。筆者には難しすぎて無理でした。

よく見ると、根本近くがS字型に歪曲したブナの樹が目立ちます。幾度も雪に倒される豪雪地帯ならではの形状なんだとか。

ブナの種の中にある実も食べてみました。クマも大好きだそうで……!

かわいらしいブナの芽も発見。大きく育つのは奇跡のような確率です。

「実はいま野沢温泉に湧き出ている温泉水は、約60年前にこのブナ林に降り注いだ雨水。ミルフィーユのように何層にも重なったクッション性の高い土が天然の濾過装置の役割を果たしています。

かつては人間が住むエリアにもブナは生息していました。でも現在は山奥にしか残っていません。人間にとって使い勝手がよくないブナを伐採して代わりにスギを植林したりした結果ですね」(池田さん)。

山ではタケノコ採りも体験(正確にはガイドの皆さんが採ってきてくれるのを待っていただけ)。その場でかじって食べてみたところ、コリッとした食感と素朴な味わいが印象的でした。

温泉街へ戻る途中、日本の夕陽100選に選ばれたサンセットポイントへ。温泉街を取り囲む山に夏季休業中のスキーのジャンプ台を発見。その後、ハイキングでかいた汗は野沢温泉で流して、スッキリ!

みんなで力を合わせてテント張りに挑戦

今夜はツリーハウスでテント泊。キャンプ初心者の筆者も、スタッフさんの力を借りながらテント張りに挑戦! アルミの骨をつなぎあわせたりクロスにしたりしてテントの強度を高めます。

シュラフは息を吹き込んで膨らませます。肺活量に自信がない人にとってはひと苦労。まだ肌寒い春先もシュラフの下に弾力性&断熱性のあるエアーベッドを引くので、快適です。

30分ほどでテントはサクっと完成!

ラグジュアリーなアウトドアディナー

気付けばすっかり夜のとばりが降り、わずかばかりのランプが森を控えめに照らしていました。

待ちに待ったアウトドアディナータイム。ダイニングテーブルがなんともラグジュアリーな雰囲気にセッティングされていて感動。

ゲスト全員とスタッフさんで食卓を囲み、地元の山菜やオーガニックファームで採れた無農薬野菜をふんだんに使った地産地食グルメを楽しみました。

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味わい深いナチュールワインも最高……!

今宵のディナーは平原 孝将(ひらっち)シェフと一緒に作りました。5年前まで東京でパティシエをしており、もっと地域に根ざした料理を作りたいと移住を決めた方です。

飯山市で7軒の農家しか生産していない希少な「みゆきポーク」を炭火でローストしたBBQもうまし!

正直、サスティナブルな地産地消ディナーと聞いて精進料理のように質素なものをイメージしていましたが、目でも舌でも楽しめる料理と特別感のあるワインに大満足の宴でした。

キャンプに来てまさかこんなに美味しいごはんが楽しめるとは。

お腹が満たされたらベンチに移動し、ファイアーピットを囲んでリラックスタイム。星空を眺めながら語り合う優雅な時間は癒やし以外の何者でもなかった……!

ヘルシーな朝食のあとは、坐禅とSUP体験

森のツリーハウスで気持ちよく目覚めた翌日。

早朝から地元の健命寺で坐禅&読経を体験できます(今回は住職さんがご不在で実施されず残念)。

朝食は山小屋カフェ「七良衛門珈琲」にて。温泉卵や地元の豆腐屋さんの油揚げを使ったひと皿、椎茸の煮物、ウドの胡麻和え、野沢菜の炒め物などローカル発のヘルシー料理を堪能。身体が喜ぶのを感じました。

朝食のあとはオプションのサップを体験。波がないので、初心者でも比較的簡単にトライできます! ほかにも希望すればアウトドアサウナも可能だそう。

居心地のよい自宅を離れ、あえて不便な自然のなかに身を置くことで見失いかけていた本当の豊かさにに気づく。おいしい水と空気、温泉に癒やされ、星空を見上げながら乾杯したひとときは、自分の人生を見つめ直す素敵な“余白”となりました。

暑さが苦手のキャンプ好きが太鼓判!
賢く◯◯を取り入れたら快適になったよ

BBQや焚火の火の粉から守ってくれ
マーモットのワークキャップは難燃性!

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