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【お仕事と暮らし探訪】美術監督・岩城南海子さんにインタビューしてきました!
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【お仕事と暮らし探訪】美術監督・岩城南海子さんにインタビューしてきました!

2012-08-27 22:30
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    はじめまして。『お仕事と暮らし探訪』シリーズの連載をさせていただくことになりました、大滝です。

    20代はインテリアデザインや家具を作ったり、30代は広告・マーケティングのお仕事をさせていただきました。40代は、ヒトにテーマにした仕事作りを目指して日々奮闘しています。クリエイターのお仕事と暮らしを通じて見えてくる「快適な暮らしのヒント」をご紹介できたらと思います。

    さて、第一回目のインタビューは、来る9月1日(土)全国ロードショーが始まる『映画 ひみつのアッコちゃん』の美術監督をされている岩城南海子さんに、お仕事と暮らし方についてお話を伺いました。


    ■台本の活字を立体に変換する。それがずっと映画として残る醍醐味

    大滝(以下「大」):映画 ひみつのアッコちゃん』の撮影について聞かせてください。今回のお仕事は、いつ頃から始められたんですか?

    岩城(以下「岩」):昨年の秋口から、ロケハンを始めました。監督・カメラマン・照明・美術でロケハンをしていくんですが、そのときのコミュニケーションの中でアイデアを出し合って、各シーンの構図を固めていきます。そして各シーンを、頭の中でつなげていくパズルのような作業を繰り返して形にしていきます。





    今回は、徹底的にかわいらしい女の子の部屋作りにこだわりました。スタッフも女の子でスペシャルチームを作って「女の子の思い描く、かわいい」を目指しました。気心の知れたスタイリストさんと、普段の会話の延長でコミュニケーションを図りながらテーマを共有できたのは、非常に良かったですね。今回のお仕事は、全体的に、とてもスムーズに作業が進行しました。
      
    現場でセットを見た役者さんから「かわいい~」と言っていただけたり、主演の綾瀬はるかさんには「アッコちゃんの部屋ってこんななんだ~!」と素直な感想をいただけてうれしかったです。





    大:今回の映画で、制作期間はどのぐらいかけられたんですか?

    岩:クランクインからクランクアップまでおおよそ半年間かかりました。撮影に入ったら撮影隊が来る前に準備をして、撮影が終わったら片付けをして、最後に帰るような生活になります。その期間は、家にはほぼ眠りに帰るだけという状態になりますね。洗濯機を回しながら、そのままウトウトしてしまうこともあります。もう業界には10数年いますので、それが当たり前になってはいます。

    大:かなりハードなお仕事ですね…。それでは、美術監督という仕事について、そして醍醐味を教えてください。

    岩:映画の美術とは、作品ごとに異なる、映画の主題やシーンに沿って、まずは関連の資料を集め、それを読みあさってテーマを絞り込みます。台本の中の活字をビジュアルに変換していく過程で、またアイデアが出てきて、スケッチを描き変えていきます。文字だけの台本を読んだ時点で、その場面を空間的に把握していきます。頭の中の劇場で舞台が進行していく感じですね、空想力を使うと言うか…。綿密にイメージして、形にしていく、そしてどこにカメラを設置して、どういうルートでカメラを移動するかという、カメラワークまで決めていきます。それでも、実際に撮影を開始するといろいろと思惑と違っていたり、あらためて気付かされることもあるんです。





    この仕事のやりがいは、台本の中の活字をイメージから立体化して、それが映像作品として残ること。そこに醍醐味があります。そして、作品に携わった多くのスタッフと作り上げた喜びを分かち合えることですね。



    ■お料理が大好きです。どんなに忙しくても主人のお弁当作りは欠かしませんよ

    大:極端に忙しい時期もありますが、暮らしの中で実践しているストレス解消法などありますか?

    岩:撮影期間が終われば、オフになりますから、今はのんびり過ごしています。自宅の庭にある小さな家庭菜園での、野菜作りにハマっています。もともとお花を育てるのが好きだったんですが、今の家に引っ越して、庭があったことから、畳1畳分ぐらいのスペースを耕してトマトとかキュウリとかを作ってるんです。朝の水やりの時間がなんとも言えず好きですね。



    (岩城さんの家庭菜園と収穫野菜)


    大:ご自身のお部屋作りのこだわりって何かありますか?

    岩:レトロなものや古いものが大好きなんです。一目ぼれして購入した、引き出しが30個ぐらいついている大きな箪笥があるんですが、これを使ったり、見ていると落ち着くんですね。その色やデザインに合わせて、他の家具とか民芸品とか食器なども集めるようになりましたね。食器はお料理に合わせていろいろな種類のものを使っています。

    忙しい映画の撮影期間で、唯一とも言える癒しの時間が料理です。台所に立つと気持ちがリセットされる感じがして…。それほど料理が大好きなんです!




    (岩城さんのご自宅にある大きな箪笥)


    大:なるほどー。お料理はroomie読者さんにも好きな方が多いですね。どんなお料理を作られるんですか?

    岩:魚が好きですね。今の時期だとカツオがおいしい。あまり手のかかった料理ではないですけれど、お気に入りのお皿にカツオのお刺し身を盛りつけて、自宅の庭に生えているシソをたっぷり乗せていただきます。それから、どんなに忙しくても欠かさず主人のお弁当を作っています。

    大:えー! すごい! お忙しいのにすごいですね。ご主人もお幸せですね! ちなみに岩城さん、ご結婚をされて3年になるそうですが、家庭円満の秘訣ってありますか?

    岩:個々の時間を大切にすること。一緒の空間にいるときも、お互いが好きなことができる関係や環境を持てるように心掛けていますね。主人が読書していて、私はお料理をしていても、無意識につながっていると言うか。自然とそうなっていますが、大切なことだなって思います。





    何かとハードな印象のある映画業界。1年の内、半年は撮影のためハードにお仕事をし、残りの半分はゆったりと自分の自分の時間を過ごす、美術監督の岩城南海子さんは、とても自然体で朗らかな印象の女性でした。

    いつもご自宅でくつろぐときに愛用しているオットマンとフロアスタンドを『映画 ひみつアッコちゃん』のセットに持ち込んで撮影に使用されたそうです。岩城さんたちが目指した「女の子の思い描く、かわいい」を、ぜひ劇場でご覧いただければと思います。オットマンとフロアスタンドを探してみてください。では、次回も素敵なお部屋と仕事の話をお届けします。テクマクマヤコン☆テクマクマヤコン☆。


    映画 ひみつのアッコちゃん』9月1日全国ロードショー
    (c)赤塚不二夫/2012「映画 ひみつのアッコちゃん」製作委員会

    (大滝敦)
    RSSブログ情報:http://www.roomie.jp/2012/08/17817/
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