アイオワ大学の図書館に保管されているRobert Mudie氏の「Winter」という本。

Fore-edge paintingと呼ばれる技法を使ったこの本は、背表紙の反対側にあたる「小口」と呼ばれる部分に絵が隠されているのです。

普段本が閉じている状態では見えないのですが、本を開いたりしてページがある一定の方向に少し斜めにずらされた時だけ絵が現れます。




中にはDouble fore-edge paintingと呼ばれるものもあり、それはページをどちらの方向にずらしても絵が見えるのです。

もともとデコレーション目的で描かれはじめて、古いものでは1650年代に既にこの技法が採用された本が見つかっています。たまに挿絵で入れにくいシーンなんかも隠し挿絵として描かれていたそうです。

19世紀に出版されたこちらの本。図書館にある古い本は、言葉も古いし調べもの等をする時以外ではなかなか触ることのない縁の遠い存在に感じますが、こんなところに遊び心が隠されているなんて、なんだか親近感がわきます。

知らずに手に取った本がもしこんな本で、途中で絵の存在に気づいたら、なんだか嬉しい気持ちになりそうです。

[Colossal]

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