ノルウェーという国にあまり馴染みのないみなさまでも、「物価が高い」ってウワサは耳にしたことがあるんじゃないでしょうか?

そう、その通り! すべてのものが、スーパーお高いのです。特にお酒の価格となれば、悲鳴をあげてしまうほどのウルトラ級の高さ!

でもお酒に強いノルウェー人、そんなことではめげません。なんと、自力でせっせとビールをつくっちゃうのです。

厳しい寒さのなか、おうちで過ごす時間が多い北欧の暮らし。ビール造りは、イエナカでの楽しい趣味のひとつとして人気です。

ビール造りの肝となるのは、「おいしい水」「温度管理」「消毒」。

美しい自然に囲まれているノルウェーは、水道水が驚くほどおいしく、さらにほとんどの家に地下室がついているので、お酒造りに最適です。

材料選びから発酵まで、すべて自分でやり遂げます。

まずは、麦芽やホップをお買い物。ビターテイストからフルーティーなお味まで、材料選び次第で自分好みに何通りでも変えられちゃうのも、研究心をくすぐるところ。

材料を揃えたら、使用する器具やボトルをすべて消毒します。

クーラーボックスに66℃のお湯を注ぎ、モルツ(麦芽)を入れます。このモルツは糖分を含んでいて、部屋中が香ばしいあまーい香りに包まれます。

1時間後、ザルを使用して液体を取り出し、鍋に入れて吹きこぼれないように沸騰させます。このとき、ホップも投入します。

さらに1時間ほどしたら、専用のパイプを使って鍋の中を20℃まで冷まし、糖度を測りイーストを加えます。

このイーストがパクパクと糖分を食べ、アルコールを生み出してくれるのです。

2週間ほど地下室で寝かせたら、いよいよビン詰めです。

仕上げのボトルのキャップ閉めも忘れずに。こんなマシンを使ってグイグイと閉めていきます。

一度に15リットルと、かなりの量をつくるので、キッチンは散らかり放題です。

それでもとっておきのビールが仕上がったら友人を招き、ワイワイ自慢しあうのがノルウェー流「至福のとき」なんです。

残念ながら、日本では酒税法の関係で個人では醸造できませんが、ノルウェーに足を運んだ際は、自家製ビールにお出迎えしてもらいましょう。

それではみなさん、ノルウェー語で乾杯しましょう。スコール!



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