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春日太一の木曜邦画劇場 第592回「お馴染みの物語にまさかの仕掛け。橋本忍は近松をも飲み込んでいた!」『女殺し油地獄
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今回は『女殺し油地獄』を取り上げる。 さて、ここで少し近況報告を。拙著『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞を受賞し、先日、授賞式が開催された。この仕事をしていると「これで一区切り」という感覚はなかなか味わえないのだが、ここでは珍しく、そんな達成...
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《祝・大宅賞》春日太一「鬼・橋本忍との12年」【特別寄稿】
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
五月十六日、大宅壮一ノンフィクション賞に『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が選ばれた。取材・執筆に十二年余りを捧げた筆者の春日太一氏が、『羅生門』『七人の侍』『砂の器』と幾つもの大作を生み出した橋本忍(二〇一八年没、享年百)とどう対峙したのかを綴った。
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春日太一の木曜邦画劇場 第564回「別々の4人の物語が終盤で一つに。これが『まくり』の橋本の腕力だ!」『七つの弾丸』
コメ0 週刊文春デジタル 10ヶ月前
橋本忍といえば、『砂の器』『八つ墓村』などにおいて、原作の内容をガラリと変えて自分の色に染め上げる豪快な脚色をしてきた。ただその一方で、キャリアの前半ではオリジナル脚本でも名作を数多く残しており、脚色だけでなくゼロからの創作においても類稀な技量を見せつけている。 今回取り上げる『七つの弾丸』も...
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春日太一の木曜邦画劇場 第563回「恐ろしいまでの『作家の業』。鶴屋南北の姿が橋本忍に重なる」『白扇 みだれ黒髪』
コメ0 週刊文春デジタル 10ヶ月前
橋本忍は名作として広く知られる映画の脚本を数多く書いてきた。ただ、実は結構な多作でもあり、そのフィルモグラフィの中には有名ではない作品も少なくない。 そうした映画は、名画座や衛星放送で稀にかかる時にしか観る機会はなかった。それが今では、配信プラットフォームのU-NEXTでかなりの数が観られるように。...
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春日太一の木曜邦画劇場 第562回「幼い頃、逢魔が時に見た本作が橋本忍の名を強烈に焼き付けた」『八つ墓村』
コメ0 週刊文春デジタル 11ヶ月前
おかげさまで、最新刊『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』は発売から三日で重版という猛烈な初動の売れ方となった。 その生涯を追うほどに橋本作品に魅せられたキッカケは、子どもの頃の土曜日の夕方にテレビで観た二本の映画だ。 一つは『影の車』。不倫相手の息子に殺されるかもしれないと考えるよ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第561回「悲劇をドラマチックに。橋本忍は原作を自分の色に染め直していく!」『ゼロの焦点』
コメ0 週刊文春デジタル 11ヶ月前
橋本忍の映画人生を追った最新刊『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』では、橋本の「脚色」にも着目している。 橋本は原作小説の内容を大きく様変わりさせ、自分なりの色合いに染め直していく脚色方法を得意としていた。前々回の『砂の器』は、その最たるところといえるだろう。 今回取り上げる『ゼロ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第560回「名作を生み続けた橋本忍は、なぜこのカオスな作品を製作したのか」『幻の湖』
コメ0 週刊文春デジタル 11ヶ月前
『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が十一月二十七日に発売される。『羅生門』で脚本家デビューして以来、幾多の名作を生み出してきた橋本の映画人生は、「栄光」そのものといえる。だが、それだけではなかった。キャリアの終盤は「挫折」が続いたのだ。その双方をサブタイトルに入れたのは、光と影の双...
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春日太一の木曜邦画劇場 第559回「原作にはない過酷な父子の旅姿。年を経て橋本忍の脚色を理解する」『砂の器』
コメ0 週刊文春デジタル 11ヶ月前
いよいよ十一月二十七日、最新刊『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が発売される。 これは、名脚本家・橋本忍の生涯を追った評伝だ。当人への計九回、約二十時間のインタビュー、没後に発見された門外不出の創作ノート、周辺人物への取材などから、創作の裏側を詳らかにした。 そこで今回は、橋本の...
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【ドンキホーテコラム】ショーケン死す 2019/3/29(金)
コメ0 パチランブログ 68ヶ月前
フジテレビ開局60周年記念ドラマ“砂の器”を観ていました。 昭和49年の橋本忍&山田洋次脚本、野村芳太郎監督の“砂の器”が、上京してアシスタントをしていた頃、何度も映画館に足を運び台詞を暗記する程繰り返し見た邦画で、男はつらいよ以外に無かった名作が、何度かリメイクされドラマ化されましたが、今回大幅な設...