我、生存。
マンハッタンでの停電に出くわしてから自然の猛威は怖いなと改めて実感中。週末もずっと熱波と洪水が続く中、なんとか外に出ないようにしてこれを生きながらえた。
熱波はメガネが曇り体温よりも高くなるので息が苦しい。洪水は手元の携帯のアラームが忙しくなり続き雷が響き、稲妻光り、バケツをひっくり返したような雨が降る。これはアトラクションじゃない。ひっそり家の中にぴといると、しばらく荒れ狂った空は次第に収まって雨がピタッと止むと今度は生ぬるい凪が一瞬訪れて辺りが沈む。そうなると妙な静寂に包まれて不気味だ。人っ子一人いないこのポーズをされたジオラマのような街をてくてくグロッサリーに買い出しに行くと、見慣れたミャンマー人のレジの男の子が眉を潜めて「困ったもんだね」と呟く。
ぴと2年前、ACのinstallなしで「ひと夏の経験」をしたことを思い出す。あれは随分無茶だったな。扇風機だけで汗タラタラ流しながら(ぴは舌ハアハアさせながら)。ごめんよ、チャレンジングなあの時のダデイを許しておくれ。
そういえば今までも大雨や大雪やいろんな天気に見舞われつつもこうやってなんとかやれていることに感謝したくなる。今年はお互いいい栄養しっかりつけて水分摂ってACを味方につけて頑張ろう。
ここまで書いて一応念の為、携帯のWeatherアプリを開いてみると、なんとブルックリンただいま気温は摂氏21度。え?まじかよ?慌てて窓を開けると外はヒンヤリした風が吹いている。ちょっとちょっと聞いてないよお、教えてよお。もう。ちなみに東京はただいま25度、パリスは37度、えええええ?大丈夫?カトリーヌ?(もちろんドヌーブです。面識ないけど)セドナ26度、大阪26度、ストックホルム23度、ホノルル23度、サンフラン13度。わ、サンフランっていつもヒンヤリ、上着がいるね。アムスは32度か。
家にずっと閉じこもりなのでこの際できることを率先してやる。自炊もそう。まず朝食。ブロッコリー、カリフラワー、トマト、チキンの胸肉(たまに最近もも肉も使用、やっぱり美味しいね、あのちょこっとの脂身)などをニンニクスライスでソテーしてチャチャっと作りお皿に、ご飯を炊き梅干し1個載せて頂く。上から白ごまパパパと振りかけて。味噌汁はレトルトはなまるきしじみ汁。キンキンに冷やしといた水出し麦茶。適当に手を抜いて。
しばらく仕事をしてるとあっという間に昼がやって来る。さて昼食にしますか。ブロッコリー、カリフラワー、トマト、チキンの胸肉(いえ、もも肉です)などをニンニクスライスとコンソメで味付けてミネストローネスープを。材料は冷蔵庫にある同じものなんだよね。で、朝炊いたご飯でおかゆを作る。食後はトワイニング英国紅茶。いちおうの午後ですから。
午後は掃除したり原稿チェックしたり練習したり譜面の整理したり洗濯したり。
夜になると、材料はもちろん同じだが、これがジャジャーン鍋に変身する。昆布だしで、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、チキンの胸肉(もも肉)に、シメジ、豆腐、キャベツ、白菜を足してポン酢でいただく。
ぴご飯は基本、予め作り置きしてタッパーで保存しているものなのだが、缶のフード(歯が少ないので、ドライはやめました)、チキンの胸肉(もも、笑)、その煮汁のコラーゲン、茹でブロッコリー、茹でキャベツ、茹でさつまいも、トマト、これにおかゆがほんの少しとヘンプミルク。
これかなり美味しいみたい!皿が溶けるまで舐めてるもの。
お腹がゆるいかな?と思ったら野菜を少なめにしてなど調節しつつ、、、、食後に今週はココナッツ水。これも便の様子を観察して毎回変える。
そして、二人とも食べ過ぎたなと思ったら、ビオフェルミン。僕は10粒ほど。ぴは3粒ほど。仲良いでしょ?
当初西海岸へ出張の予定だった日々がNYにいれることになりよかった。時差がとれるともっと楽になるのだろうけれど焦らずちょっとずつだね。人間の体って不思議だね。正直というか長い距離をものすごいスピードで何度も行ったり来たりすると恐ろしいトルネードが体の中に起こるんだね。58年も付き合ってきているのにまだ未知の部分がいっぱいある。
そういえば昨晩は黒川の湯(濁り湯の素)でぬるいお風呂を入れてゆっくり浸かってみた。湯の中で体をストレッチ。深呼吸。きっとこういうのがいいんだね。ついつい端折りたくなる日常。お湯に浸かってゆっくりするとか白湯を入れてホッと一息するとか楽しいことをぼんやり考えてニンマリするとか。一瞬でもこういう瞬間があると随分違うものなのだなあと思う。
日本も毎日のようにあちこちで洪水警報や大雨警報などの防災情報が出されている。どうかくれぐれもみなさん気をつけてください。
文・写真 大江千里 (C)Senri Oe ,PND Records 2019