「結局、自民党は小池氏に頼るしかないね」
 こう政治部記者が語るのは、四月二十八日に投開票の衆院東京十五区(江東区)補欠選挙のことだ。
 三月二十八日夜、公明党都本部代表を務める高木陽介政調会長の携帯が鳴った。
「うちは乙武さんを出すから、よろしくね」
 電話の主は小池百合子都知事。補選で小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会」が、乙武洋匡氏(47)を擁立するという「通告」だった。高木氏は自民党都連会長の萩生田光一前政調会長に即連絡。萩生田氏も小池氏から電話をもらっており、「どうしようもねえなあ」と苦笑しあった。翌日、自公は乙武氏を推薦する検討に入ったと報じられたが“同床異夢”だ。 
週刊文春デジタル