週刊文春デジタル
もう時効だと思うんだけど私はかつて、普段メガネを掛けていないにもかかわらず、“日本メガネベストドレッサー賞”の経済界部門を受賞したことがある。世間から「ヒルズ族」の一人として扱われ、騒々しい話題の中心部にいた気がする2007年頃の話である。
華やかな授賞式では、ちゃっかりと新調したメガネを掛け、宮崎県知事だった東国原英夫さんたちと並んで一緒に記念写真に収まっていた。正確に言うと、視力は非常に悪くて普段はコンタクトを着けているので、当時も寝る前の誰にも会わないほんの短い時間だけはメガネをしていた。
ある日、私の故郷、福井県鯖江市の市長から突然電話があって「藤田さんは、メガネしてる?」と聞かれたので、正直に寝る前だけだと答えると、少し間があって、「メガネは掛けているのね。じゃあ大丈夫」と言われて電話が切れた。