十二月二十三日夕方、小誌記者の携帯が鳴った。
「インタビューをお受けしようかなと思って。思い付きなんですが」
声の主は、読売新聞グループ本社の山口寿一・代表取締役社長(67)だ。
「夜九時に本社に来て頂けますか。その後の予定はありませんので」
約五時間後、大手町に聳える読売新聞本社ビル三十一階の応接室を訪ねた。やや疲れた様子で現れた山口氏。事前の取材依頼に沿う形で質問をぶつけた。
――今後の経営は、“脱主筆”のような形になる?
「読売にとっては、渡辺さんって大変大きな存在なのでね……」