2021年に入り、ボカロタイムズとしては、派生した企画を考え、実際に形にしていっています。その一環として、今回は座談会という形で、ボカロタイムズに掲載されてきた1か月の楽曲達を振り返りながら、その中から一推し楽曲を決めていこうというのを決心しました。
座談会を通じて、様々な分析、主観のある方々の話を読み物としてお楽しみ頂き、最終的に決定する楽曲にご注目頂けると幸いです。なお、今回座談会にご協力頂ける方は全て、SmileSエージェントの皆さんの力をお借りして、発行をすることが出来ています。本当にありがとうございます。皆さんのやるよーという声がなければ、この企画は成り立つことはありませんでした。本当にありがとうございました。では、ここから座談会の模様を活字でお届けいたします。非常に読み応えのある内容になっていますので、長文で恐縮ですが、最後までお付き合い頂けると幸いです。
- キュレーター(記載時:無名太文字表記)
- 猫さん
- 黒さん
- XXさん
ボカロタイムズ座談会1月号始めたいと思います。皆さんよろしくお願いします。本日は座談会ご参加いただきありがとうございます。このタイムズでは掲載開始から、数多くの楽曲(約130曲)ご紹介してきましたで、その数多くの楽曲の中から、ボカロが好きなメンバーの皆さんをお呼びして、掲載楽曲の中から今月のイチオシ楽曲を決めようじゃないかという座談会を毎月行うことにしました。今回その第1回目ということでどんな曲が出てくるのかというのも非常に楽しみにしています。では、ここで座談会メンバーの皆さんにお一人ずつ自己紹介をしていただきたいと思います。その際、推しのボカロ曲をそれぞれご用意いただきましたので、自己紹介と合わせて、推しボカロ曲について語って頂き、今回の座談会の意気込み等も語っていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。ではまず最初、猫さんからお願いします。
猫:改めまして、猫です。
普段ボカロは自分自身と色々とボイスロイドの動画投稿だったり、バーチャルでの活動だったり色々してるんですが、ボカロに関しては聴く側として、いろいろ自由気ままに聞いています。とりあえず持ってきた楽曲を紹介します。今回、【かるみあどーるず】という楽曲をピックアップで持ってきました。こちらの曲は...vocaloidタイムズの第11号ですね。1月上旬に公開されたやつの新着ピックアップの中にあった楽曲の一つで、投稿されたと聞いて、ばっと聞きに行ったんです。ピコピコサウンドといいますか、チップチューンだったり。ものすごい可愛い感じとか、昔ながらのレトロな感じとか。そういう系の曲が、この界隈の曲って多いんですけど、世界観と歌詞と曲とPVと全部合わせてその聞いてる人を引きず...言い方があれなんですけど…はめるような…独特の世界観があって、この界隈のいろいろ動画を聞いてます。今回、【かるみあどーるず】は、トルピオさんの投稿なんですけど、7月に【あねもねぐりっじ】っていう、いわゆる前作みたいなを出していて、その【あねもねぐりっじ】のつづき二部作みたいな。そういう感じの立ち位置の曲で、かるみあどーるず自体、その界隈では、元の曲があるんですけど。そのもとの曲の、ものすごいリスペクトしてあるPV、曲含め、ものすごいリスペクトしている。あとはそのさっき言った二部作なので全く関係がないわけではない。途中で...かるみあどーるずを聞いてて聞いてる最中に途中で【あねもねぐりっじ】の方のサビが聞こえてきたりとか、【あねもねぐりっじ】の歌詞のところで語った世界観とか。そういうものを【かるみあどーるず】にもひっぱってというかもってきて。2作品でものすごい物凄いはめてくるような。そういうのがあって、最近めっちゃ推してます。ちょっと長いからこのぐらいで色々自由気ままにボカロを聴いてるのでよろしくお願いします。
この熱さ、最高です。ありがとうございます。ではですね、ちょっと質問していきます。
まずお聞きしたいのが、そもそも私もそうでしたけど、ボカロ曲を聴き専として聞いている猫さんにお聞きしたいのは、好きなPの曲を聴くって言う派なのか、この楽曲、いい曲はいっぱい聞いてみていく派なのか、それとも両方ともまんべんなく聴くという方向性としてどんな感じですか
猫:そうですね三択っていわれると一番最後のどっちもっていう感じなんですけど。
ボカロPって自分の曲のイメージというというか、そういうものを持っていて毎回その持ち味を出してくれボカロPもいれば、いろんなことに挑戦して、いろんな種類の楽曲を作ってるって言うボカロPもいるので、結構、自分の持ち味を生かしてというか、大体、他の曲も気になることが多いので、Pの投稿楽曲をまとめて聞いたりとかありますね。
ありがとうございます。素晴らしい。ほんとそういう熱意のある方がこの座談会きていただけると本当ありがたいです。ありがとうございます。でもう一点、質問なんですけど、ボカロ曲って本当にもピンからキリまでバラードからアップテンポまで。様々な曲があるんですけど猫さんにとってボカロ曲の中でこの曲の傾向はわたしにとって好きな傾向だなっていうのは何かありますか
猫:そうですね、語彙力がないところからわかると思うんですけど、あたまから色々曲を聴いて、座って語れる人もいれば、完全に体で聞いてるというか。リズムにのって、「ああなんかこれすきだな」っていう、ボカロリスナーには2パターンいると思うんですけど。自分は、完全に後者で、本当にまじできいて「ああ!」ってなるので、リズムを刻んでたり可愛い曲を好んで聞いてますね。
なるほど
猫:(【あねもねグリッジ】等)この界隈自体、PVがドットなので、パット見、可愛く見えるんで。この曲で聴きに行ったのが最初のきっかけ。この曲を聞いて、この界隈にハマるきっかけとなりました。
ありがとうございました。今日は本当に短い間ですが、よろしくお願いします。ありがとうございます。
では黒さんお願いします。
黒:黒です。宜しくお願いします。(持ってきた楽曲に対して)すっごい、この2011年でこんなボカロロックを作るんだと思って、これは一目惚れというか、惚れた曲っていうのがありまして。楽曲的にも素晴らしいですし、好きなタイプな歌詞。途中でギターソロもありまして、現代のギターソロというよりは、もっとつたない感じのギターソロっていうのが。2011年にあった、この時のこういう感じの曲っていうのが、すごく好き。これはですね、すごく推したい曲なんですよね。いかんせん、この再生数がなかなか伸びず、1万ちょいしか、いってないということなんですけども。このお方はですね、くろずみPさんっていう方ですね。2012年でP活動がおわっているので、ここで盛り上がったら、こう復活してくれるんじゃないかと。この人の他の楽曲もかっこいいです。
よろしくお願いします。改めてですが、同じ質問してくんですけども。黒さんがこのボカロのいろんな曲聞いてく上では、楽曲中心なのか。それとも好きなPの曲を聴くというのか。はたまたどっちとも言うと、傾向でいうと、どうですか。
黒:どっちもだね。楽曲も好きだし、今有名Pさんがあげれば、とりあえず楽曲聞いてみるのもありますね。楽曲中心が基本かなとおもう。やっぱり有名Pさんだけじゃ、ちょっと音楽性に偏ってしまうかなと思って、いろいろ聞いていきたい。最初のいち小節を聞いて刺さるかどうか。刺さればまた聞き続けるし、他の人が推しているなら、もうちょっと聞いてみるかみたいな。そんなところです。
ありがとうございます。もうひとつ同じ質問なんですけど、いろんな曲を聞いてく上での好きな傾向っていうのが、もし黒さんにあれば教えて下さい。
黒:ネタ、下ネタ系は聞いてて楽しくて。ネタであり、シモネタでありながらも、音楽がいいのも面白いし、リリック派の人間で、どうしても歌詞を見て言葉を見つけて、そういう流れなのかというのを見つけて。それが音楽になると、どういう風に変化するのか、楽しみ方を自分はしているので、頭空っぽで聞けるんでお勧めです。
なるほど。今日は短い時間になりますけど、よろしくお願いします。最後にXXさんお願いします。
XX:ただのニコ厨のXXです。今回選んだのは【ニケの砂城】です。この曲なんですけど、ボカロ好きな人もそうだし、あんまり聴かないっていう人も、聞いた瞬間に、あれって思ったと思うんですよ。絶対あの曲が頭に浮かんだ人がいるとおもう曲が。発表された時に、ちょっと一部、ボカロ界隈で火がついたという噂も聞いてまして。ボカコレの対談の中でも、曲名言っちゃいますけど、【アフターまるまる(伏せています)】って呼ばれてたんですよね。最近のボカロシーンを、そんな中でこの曲ですよ。ド直球で、あの曲へのアンサー歌詞から、何から。あーなるほど!ってなるんですよ。ようは所信表明にやられた。真っ向からあのひとに、勝負を挑んだ。曲自身のメッセージをつよく、ルーキーとしてこれを出すという勇気にやられた。
その空気にやられたってとこですね
XX:あとは音楽全般ですね
はいありがとうございます。同じ質問をして行くんですけど。XXさんがボカロを聴く上では、楽曲中心なのか、好きなPを中心に聞いていくのか。それともは両方とも聞いて行くのかって言ったらどれにあたりますか
XX:私も両方ですね
その好きな曲の傾向とか、そういうのが、もしあれば是非お聞きしたいんですけども。何かありますか
XX:広く浅くで行くと、自分の音楽遍歴を再確認をしたら、アニソン系ハードロック系です
そのアニソン系とかハードロック系とか、そういうような曲の傾向があるようなボカロ曲があればこれはって思うような感じがあるかなっていうことですか
XX:そうです
なるほどわかりました。短い時間なりますけど、今日はよろしくお願いします。
以上3名と私を入れた。合わせて4名では今月の推し曲を決定する座談会を行っていきますので、本日短い時間ですけど、よろしくお願いします
ここからはタイムズがスタートした11月そして12月にご紹介してきた約130曲の中から今月の推し曲として「新着枠から1曲」「発掘枠から1曲」計2曲を決めていきます。このパートでは新着曲から座談会を行っていきたいと思います。皆さんには、新着枠の中から1曲選んでいただきました。その楽曲の紹介と「なんでその楽曲を選んだのか」という理由をお教えください。皆さんにお聞きした後にフリートークを行い、最終的にどの曲を「今月の推し曲」にするかを決めていきたいと思います。
では、まずは黒さんからいきましょう。お願いします。
黒:はい。俺が今回新着で推したのはですね、錦さんの【凡人代表】これを推していきたいと思います。これのね、これのいいのがね、わたくしはね鏡音一家としてねレン廃なんですけども。はい。鏡音リンレンでございますよ、はい。そしてですね、やっぱり音楽と、曲とですね歌詞がですね、やっぱりね心に刺さるんです。はい。もうこの2人にこんな曲を歌わせたらですね、やはりもう…すごくいいんです。すごくいいんです。何がいいって声質が合ってるんです。調声等がね。本当にうまいんですよ、作り方が。ほんとにうま過ぎて、聞いてて心地いい音楽っていう感じもありますし、気分が上がる曲でもありますし、「わかる…自分も頑張ろう」って思うような曲になっております。
はい、ありがとうございます。では次、猫さんいきましょう。
猫:自分が新着枠で持ってきた楽曲は、いるかアイスさんの【Brand New Day】です。この曲はプロセカ(※プロジェクトセカイ)の楽曲コンテストに応募されて、見事採用となって2月からプロセカに入る予定の楽曲になっています。いるかアイスさんは琴葉姉妹の歌うボイスロイドだったり、結構可愛い曲を作る方で、自分の中で「琴葉姉妹のかわいい楽曲って言ったらこの人!」というイメージでした。なので曲を聴く前から「あっ、これ絶対いいやつ」って思っちゃってました。プロセカってスマホの音ゲーなんですけど、こういうピコピコしてて疾走感のあるThe ゲームミュージックみたいな、ゲーセンの音ゲーにも普通に入ってそうな曲ってあまりなかったんですよね。なので今は「これがプロセカに入るんだ」っていう期待とわくわくとでごっちゃになってます。
結構最近のボカロ曲ってちょっと重めの曲が多いんですよね。そんな中のこういう明るい曲ってものすごい目立つし、プロセカに入ることを抜いても今後のボカロをけん引してくれそうな感じがして、個人的にめっちゃ好きです。
はい、ありがとうございます。ではお待たせしました。XXさんお願いします。
XX:はい、お願いします。最近のボカロ曲ってアップテンポの曲が多いんですけど、私の選んだ【モナリザの涙】は結構しっとりバラード系だと思うんですよ。歌詞の世界観とかが最初不穏なんですけど最後にすっごく救われるようなイメージです。尚且つPVで歌詞が流れるんですが、ニコニコ動画でコメント職人が打ったような感じで歌詞が出てくるんです。それがまた「あぁニコニコだな」と思えて、結構好きな楽曲です。
なるほど。ありがとうございます。ここからは皆さんとお話をしながら今月の一推し曲を決めていきたいと思います。
黒さんは『歌詞専』とのことですが、この3曲の中で「歌詞がすごく響いたな」という曲はどれでしたか?
黒:やっぱり自分の【凡人代表】なんだけど、弱い者の立場というわけではなくて「自分は凡人なんです、けど色々やってますよ」っていう思いの丈をちゃんとリリックにのせているっていうのが読み取れやすかった。
ちなみに【Brand New Day】は音ゲーの為に書いたというのがほんとわかりやすい歌詞の流れっていうか、音ゲーを意識した作り方をしているなという歌詞のはめ方だった。【モナリザの涙】は一見聞けば不穏な感じなんだけどニコニコ感はすごくある。というのがこの3曲に対して思ったことかな。
なるほど、ありがとうございます。では猫さんはどうですか?
猫:そうですね。自己紹介の時から言ってきた通り、体で聞いてるタイプではあるけど一応歌詞もちゃんと聞いてて。そうなると【凡人代表】の歌詞響くなぁっと思いましたね。
自己紹介の時に歌詞で世界観を作ってる曲ということで『かるみあどーるず』を紹介したんですけど。それとは逆に、世界観をつくるんじゃなくて歌詞と音楽で伝えるっていうところに基点を置いたら、もう『凡人代表』やべーなって感じに思いました。
すごく伝わってくるのはもちろん「あーそうか!」っていうような、私も聞いてて「なるほどな」っていう印象を持ちました。
黒:わかってるねぇ!猫さん!
すごい。
では最後XXさんにお聞きしたいのは、XXさん結構色々な曲を聞いていると思うんですけども、この3曲で一番印象深かったものって何でしたか?
XX:1番って結構…1番ですよね?
もちろん1番でなくても。この曲とこの曲のここがよかったとかあれば。
XX:【Brand New Day】は、私ももともと音ゲーをやっていたので、音を聞いてるだけで譜面が頭に浮かぶような感じ。このメロディのつけ方だとたぶんこういう譜面だろうなと思い浮かんで、音ゲーやってる人間は大好きな曲だなって言う印象でしたね。疾走感もよかった。【凡人代表】は90年代のアニソン感があるというか。
私はそれすごく共感しますね
XX:結構、私はNicoBoxで聞くんですけど、 【凡人代表】を聞いているとアニメのオープニングが頭に浮かんでくるんですよ。尚且つこの歌詞っていうので結構やられますね。
あー、なるほど。たしかに。その着眼点は私にはなかったけども、そうだなって聞いてて思いましたね。ありがとうございました。
黒:一発目の…一小節目がそんな感じだもんね
XX:やはりこの出てきた3曲って一発目の音からやっぱり違うんですよね。
わかるわかる。すごくわかります。
XX:その中でもやっぱり・・・【凡人代表】かなぁ
なるほど。なんかすごく今、皆さんの意見がまとまってきた感じがありますけど、お時間的にもいい感じになってきました。もちろん【モナリザの涙】も【Brand New Day】も魅力的な曲ですが、今回皆さんの話を聞いたうえで総括すると【凡人代表】になるんじゃないかなと考えているのですが、いかがですか?
黒:あの中でいえば俺は【凡人代表】が抜きんでてるって感じがするかな。
猫さんはいかがですか?
猫:そうですね。ちょっと別の視点になっちゃうかもなんですけど、結構【Brand New Day】はプロセカにも選ばれている楽曲ということで、今後どんどん知名度アップしていくと思うんですよ。なので一旦ここでは置いておいても【凡人代表】を推していいんじゃないかと思っています。
すばらしい着眼点じゃないですか。さすが。XXさんはいかがですか?
XX:そうですね、やはり人に勧めるってなると皆に聞きやすい曲という着眼点も必要だと思うんで。そうすると【凡人代表】って誰にでも勧められる曲って感じするんですよね。
なるほど。では改めて確認させていただいたうえで、曲を選定させていただきます。今回の「今月の新着枠」のなかでは【凡人代表】ということでよろしいですか?
猫:大丈夫ですー
XX:はい、OKです
黒:いいです、はーい
はい、では今月の新着枠の中の一推し曲は【凡人代表】に決定いたしました。
皆さんありがとうございました。
提供:2021年1月29日 キュレーター&執筆者 エージェントNO.118
- 2024/11/12The VOCALOID Times #200
- 会員限定の新着記事が読み放題!※1
- 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
-
- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
- ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。