近況報告コラム「東奔西走」第40回
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別世界の住人
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3歳の頃からこれまでの39年間、阪急宝塚沿線に住んでいる。どこに出るにも阪急電車に乗らなければならない。
幼少の頃の電車の思い出といえば、煙たい車内だ。今では考えられないことだけど、当時の大人たちは電車の中でも平気で煙草を吸っていた。自分の身の丈の倍ほどもある大人たちの顔が、紫煙の向こうに見えた。その煙たい車内に煌びやかな人たちがいたイメージが鮮烈に残っている。
タカラジェンヌだ。
今ではあまり見かけなくなったけど、その頃はよく阪急電車の車内でタカラジェンヌを見かけた。金髪に、後ろ髪を短く刈り上げてびっちりとオールバックを決めた頭。なにかの決まりでもあったのか大概が二人組だった。幼
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