JASRACなど85の権利者団体で構成された「Culture First」にて、著作物の複製に対する新たな補償金制度の創設についての提言が発表されました。INTERNET Watchさんが報じています。
この保証金制度について、現在Twitterを中心にかなり話題になっています。というのも、提言の内容が以下のようなものなためです。
提言のうち「補償の対象は私的複製に供される複製機能とする」という点は、機器や媒体、サービスなどを区別せず、私的複製に供される「複製機能」を補償の対象としようというもので、これによりPCのような汎用機器や、オンラインストレージなどのサービスも対象となることが想定される。
INTERNET Watchより引用
これはつまり、「複製」ができるあらゆる機器・サービスが、権利団体に補償金を支払わなければいけなくなるかもしれないということです。
もっと分かりやすく言うと、パソコンやスマホは値上がり、オンラインストレージサービス(Google DriveやDropBox)などは無料プランがなくなってしまうかもしれないということです。Gmailだって、対象になりえるでしょう。
また、
「複製機能のあるものはすべて、ということがスタート点」
という発言も出ており、かなり広い範囲で補償金を取ることを想定していると思われます。ここで言う、「複製機能」の定義がどのようなものなのかにもよりますが。
これだけでも、かなり「えー...」という感じがしますよね。しかし、一番の問題は、すでに音楽や映像などを複製することが違法になっている点にあります。
2012年の著作権法改正により、合法的に音楽や映像を複製することは一切できなくなりました。この法律は、著作権団体自身により推し進められたものです。
つまり、複製機能を持つものから補償金を取るということは、パソコンやスマホを使う人間が全員違法行為を行うことが前提となってしまっているわけです。
これは、私の頭では、どう理屈をこねまわしても「おかしい」という結論にしかなりませんでした。おかしいですよね...?
この件に関しては、ブロガーの篠原 修司さんが「ふざけるな。JASRACなどの著作権団体、パソコンやHDDレコーダーからの私的複製補償金の徴収を主張」で分かりやすくまとめておられました。ぜひご一読ください。
「そのうち鼻歌を歌ったら、その鼻歌にも著作権料が発生する」
なんて冗談をネットでよく耳にします。昔は笑い飛ばしていましたが、なんだか現実味を帯びてきたような気さえしますね。
果たしてこの提言、国は受け入れてしまうのでしょうか。もしも、複製が合法化されるというのであれば、理解できる内容なのですが...。
「複製機能」を私的録音録画補償金の対象に、権利者団体が提言[INTERNET Watch]
ふざけるな。JASRACなどの著作権団体、パソコンやHDDレコーダーからの私的複製補償金の徴収を主張[篠原 修司ネットで言いっぱなし]
(コンタケ)