IBMは、中国支社の持つ研究所を中心に中国の北京市と提携し、産官学の体制を構築して大気汚染問題の解決を目指すことを発表しました。
これは、IBMの世界12カ所の研究拠点のネットワークとともに産官学の技術革新体制を構築する中国のエネルギーシステム改革プロジェクト「Green Horizon」の一環です。
中国の大気汚染はかなり深刻で、日本にもPM2.5が毎年飛来しているのは皆さんもご存知のことかと思います。日本のためにも、ぜひIBMと北京市にはがんばって欲しいところですね。切実に。
北京市では1600億ドルを投資し、2017年までに有害なPM2.5の排出量を25%低減する目標を掲げています。
IBMが持つ最新の光学センサーやビッグデータ解析、気象予報技術などを活用した環境モニタリングシステムの開発を進めていくとのことで、新たなエコビジネスの展開も期待できそうです。
では、具体的に中国の大気汚染はどの程度のものなのでしょうか。兄弟サイトのギズモードが過去に何度か取り上げていましたので、簡単にご紹介いたします。
2012年初頭:危険レベルへ
今から2年と半年前の2012年初頭、以前より懸念されていた北京市の大気汚染は「危険」レベルに到達してしまいます。
PM2.5を含む灰色の霧に包まれ、フライトのキャンセルも発生し始めます。
2013年初頭:計器が振りきれる
それから一年後の2013年初頭、米大使館屋上の大気測定計器が振り切れてしまいました。
400を超えると人体に有害という大気汚染指数(AQI:Air Quality Index)は最高の500を超え、755という未知の数字に。この頃から、だんだんと日本へもPM2.5の飛来が報道され始めるようになりました。
2014年初頭:アメリカ到達、核の冬レベルへ
そして今年の初頭、ついに中国の汚染物質は太平洋を超えてアメリカ西海岸へ到達してしまいます。
等の中国では、あまりにもひどいスモッグが日光を遮り、食料不足の懸念まで発生し始めます。研究者は「核の冬と同様の状態」とまで表現しました。
「核の冬」なんてアニメぐらいでしか聞いたことがありませんでしたが、まさか研究者の口から発せられる日が来るとは。それ程に、中国の大気汚染が深刻ということにほかなりません。
もちろん中国当局もさまざまな対策を講じていますが、未だ解決には至っていません。今回のIBMの協力により、改善されることを祈っています。
米IBM、北京市と提携=中国の大気汚染でIT駆使[時事通信]
(コンタケ)