診察室で電話に出るのはOK? NG?
「電子機器に影響を及ぼすため」という理由で、飛行機の機内や病院などでは、携帯電話の電源を切るのが常識になっていますよね。いま、この常識が変わろうとしているんです。
8月19日、総務省や携帯電話会社などで構成される「電波環境協議会」が、医療機関における携帯電話の使用についてガイドラインを発表しました。
その中では、携帯電話や医療機器の性能向上により環境が大幅に変わったとして、医療機関での患者の携帯電話利用を「可能な限り認められることが望ましい」としています。
時代に合わせ、これまでの方針をガラッと変えたわけですが、これはあくまで「原則」OK。病院ならどこでも携帯電話を使っていい、というわけではないので、注意が必要です。
待合室や病室は「OK」
ガイドラインの中では、以下のエリアでの携帯電話の使用を認めています。
・待合室
・病室
・食堂、廊下、エレベーターホールなど医療機器が無いエリア
病室は「医療機器から1m程度離れていること」が条件ですが、通話もメールもWeb利用も問題なく利用できるとしています。
ただし、「歩きながらの利用(歩きスマホ)」や「他の患者の静養を妨げるような通話」はNGです。これは病院に限らず、公共の場所でのマナーの範囲ですよね。
手術室は「NG」、カメラ使用は「禁止」
一方、これまで通り携帯電話の利用を禁止するエリアは以下の通りです。
・手術室
・集中治療室(ICU)
・検査室、治癒室など
これらのエリアでは、生命維持装置など、万が一のリスクが大きい医療機器が多いため、これまで通り携帯電話は電源オフが必須です。とはいえ、手術中にスマホをいじる余裕は無さそうですが...。
診察室については、医療機器への影響は限定的であるとして、電源を切る必要は無いとしています。ただし、診察の妨げとならないよう、通話は控えるべきとのこと。
最後にもう一つ、大事な禁止事項がカメラ機能。患者のプライバシーや、医療情報漏えい防止の観点から、カメラ機能の利用は原則禁止とするそうです。
病院内でのルールに従いましょう
ガイドライン上の記述ではOK/NGを定めていますが、医療機関によって環境は異なるもの。ガイドライン内でも、各医療機関にてルールを定め、わかりやすく掲示することを求めています(上記はルールの一例)。
個人で「ここは大丈夫でしょ」と判断せずに、病院内でのルールに従って、正しく携帯電話を使うようにしましょう。
電波環境協議会:「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」等の公表について
(井上マサキ)