前回のネコの目線に続いて、動物の目線にたとえて構図やアングルの意味を学んでいきます。今回は大空を飛ぶ鳥が上から眺めるトリの目線の意味について。
空からの目線のことを昔から鳥瞰図(ちょうかんず)=Bird's Eye Viewと呼びます。鳥が見ているかのような景色のことです。
また写真や映像用語でも上からのショットのことを俯瞰(ふかん)とも呼びます。ひと目でパッととらえた景色の全体図が頭に入る情報性の高い撮り方ともいえます。
また翼を持たぬ人間は天からの目線は高い建物や航空機などにでも乗らないかぎり、鳥瞰図を目にすることはできません。一種、人知を超えた神の目線にも似ている、主観性の強い誰かの目線というよりもきわめて客観性を帯びた目線の構図ともいえます。
また、見晴らしのよい上方からのショットの利点は遠近感を表現できること。この道路を撮った一枚のようにパースペクティブ=遠近感の効いた一枚となります。
高みから人物と離陸する飛行機をパシャリ♪
人と飛行機が一番目立っていますが、全体の構図の中では、一つの記号でしかありません。トリの目線=客観性の意味がなんとなく伝わるかと思います。
俯瞰ショットは、高いところから撮るばかりではなく、このように人物を真上から撮る時にも有効です。鳥瞰図と似たような意味合いが表現できます。
もう一枚、モデルのにゃんさんがカメラを見つめているので人物の存在感が強まりますが、これも客観性の高い一枚。トリの目線が描く構図は、必ず地表の上にアイテムが置かれることでジオラマな地図を見ているかのような感覚を覚えます。
撮る者の主観性は薄まり、情報性が強まり、同時に客観性が高まるということなのかもしれません。トリの目線な写真、どーぞお試しあれ!
次回は、アリの目線です。
また来週をお楽しみに!