ノーベル賞に負けない程の盛り上がり。
アジア最大級のテクノロジー総合見本市「CEATEC JAPAN 2014」は、エレクトロニクスやIT関係でない職種の方には、あまり馴染みがないイベントかもしれません。
しかし、まだ商品化の前段階にあるものも含めて、一般ユーザーにとってもワクワクするような展示がたくさんありました。その一部を写真とともにご報告します。
モビルスーツのようなスケルトニクス
まるでモビルスーツのような外骨格の「スケルトニクス」では、乗っている人の動きに追従したダイナミックな動作ができます。「フレッツ光 ギガ速い。」のCMで使用されて話題になったのでご存じの方が多いかもしれません。
思わず「これで闘ったり他の競技をしたりできるんですか!?」と聞いてしまいましたが、残念ながらパワードスーツではない模様。人には不可能な速度で走ったり巨大な物を持ち上げることはできないようですが、今後もエンターテイメントや企業PRなどのパフォーマンスに活用していくとのことです。
スマートグラスでエンターテイメントの未来が変わる?
続いてエプソンのブースでは、スマートグラス「MOVERIO」を体験してきました。
かけてみると、思ったよりもずっと軽くて快適です。メガネをかけた上からも使えるように設計されているとのことでした。
映像の見え方は、ふだん見ている視界の中に320型のディスプレイが置かれている状態という表現が一番近いのかもしれません。これを使えば自宅でも野外でも好きな場所でハイクオリティな映像コンテンツを楽しめます。部屋のスペースの関係で大きなディスプレイを置けないという悩みも解決しそうです。
こちらはすでに市販されており、映像コンテンツの他、ゲームなどを楽しむ専用アプリも多数出ています。360°の視界に現れる敵を打ち落とすシューティングゲームなどもあります。もちろんスマホ経由でウェブの閲覧も可能。たとえばGoogle Mapをグラス越しに見ながら街を歩くと、SF映画の中に入ったような気持ちになりそうです。これを使ってサバイバルゲームをやってみたい。
本田の目線でフィールドに立てる? 中京テレビ放送の試み
スポーツファンにとって、応援している選手が試合に出ている時の視界をそのまま追体験できることは、夢のような体験に違いありません。中京テレビ放送はシャープや複数の大学との共同開発で、先日のワールドカップの放送映像をサンプルにその試作を作っています。
VR(バーチャルリアリティ)ヘッドセットOculus Rift(オキュラスリフト)をかけると、自分がフィールドに立った目線を体験できます。ぐるりと回っても上や下を向いても、視界が完全に再現されているので、かつてない程、没入感のある映像体験ができます。
選手の視界も体験できる一方で、ゲームコントローラーで操作すれば、自分でフィールドを移動することができます。「あの場面」をテレビ映像とは別の角度から見ることも、ゆくゆくは可能になるということです。
特筆すべきは、ソーシャルと連動してコンテンツを生成していく仕組みになっていることです。フィールドの中の選手やボールの位置を、放送された映像だけでなく、観客がSNSなどにポストした画像からもサンプリングして、より正確な位置を割り出します。
こちらはサービスインする前の試作段階ですが、他のスポーツ種目や観光番組にも活用していく予定とのこと。今後のエンターテイメントのありかたを変えかねない挑戦的な試みだと感じました。