日本人の現代病「肩こり』。厚生労働省による昨年平成25年の国民生活基礎調査によると、自身の健康について「自覚している症状がある」と答えた人は全体の約30%。結果を症状で分けると、「肩こり」は女性で1位、男性で2位(1位は腰痛)という結果が出ています。肩こりを自覚している人の多さがわかりますね。
ここ最近のスマートフォンの普及も肩こりの一因かと思われますが、どうやら「タブレット端末」もその仲間入りをしそうなんです。
タブレットのキーボードは肩がこる!?
米ノーザンイリノイ大学の研究チームが発表した論文によると、タブレット端末上でタッチスクリーン式のキーボードを長時間使用すると、肩に慢性的な問題が生じる恐れがあるそうなんです。
研究で行われた実験では、タッチスクリーン式・デスクトップパソコン・ノートパソコンの3種類のキーボードを比較しています。それぞれのキーボードで、被験者にグリム童話の一節を5分間タイプしてもらい、腕や肩の筋肉の動きや、キーを押す力を測定しました。
その結果、従来のキーボードに比べて、タッチスクリーン式のキーボードは筋肉の動きが少ないことがわかりました。
動きが少ないのなら、運動量も少なくて省エネなのでは? と思いますが、話は逆なんです。タッチスクリーン式の場合、ちょっとでも画面に触ると誤ったキーを入力してしまうため、常に少しだけ指を浮かせた状態になります。この状態は上背部(肩と腕を支える部分)に長時間負荷をかけることにつながるのだそうです。
研究ではタイピングの精度にも触れています。デスクトップ型とノート型のキーボードのタイピング速度は平均で1分間63語、タッチスクリーン式が1分間25語という結果になり、入力の正確さも従来のキーボードが上回ったとのこと。
長時間タイプをするときは、精度を保つ意味でも、健康のためにも、タブレット端末ではなく従来のキーボードを使ったほうが良さそうですね。
タブレット端末でのタイピング、肩に負担も-米大学の研究論文[The Wall Street Journal]
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