夜間のLINEの使い過ぎによる子どもの睡眠不足等の問題が起きている。そこで、市町村や学校は禁止や制限によって対応している。
石川県は2009年から、小中学生に携帯電話を持たせないことを定めた条例を施行している。その結果、文部科学省の2012年全国学力・学習状況調査によると、同県中学生の携帯電話所持率は32.7%と全国で最も低く、最も高い神奈川県の81.3%の半分以下となった。
しかし、高校1年生の携帯電話所持率を見ると96.5%と他県と変わらなくなる。むしろ高校生になって初めて慣れない携帯電話を持つことによるトラブルが懸念される。
また、携帯電話やスマホ以外でも、タブレットやゲーム機などでもネットやSNSは利用可能だ。ただ禁止しても、効果は期待しづらい可能性がある。
「禁止」から「制限」へ
愛知県刈谷市は、全小中学校で夜9時以降のスマホの利用を禁止するという制限を設けた。福岡市教育委員会でも、市内の小中学校で午後10時以降のスマホ利用を禁じるよう指導を求めている。
指導に強制力はないため、違反したから罰則があるという訳ではない。しかし、学校で時間制限を決めることで、子どもの夜間利用を抑えるきっかけにしようというわけだ。
他にも石川県加賀市、静岡県全域、兵庫県多可町、熊本県人吉市など、禁止ではなく制限で対応するところが増えている。
決まりが子どもを守る可能性
子どもの反応はどうなのだろうか。福岡県うきは市立吉井中学校が同校生徒に実態調査をしたところ、約3割以上が「ぐっすり眠れるようになった」、約4割が「学校で友達との会話が増えた」と回答するなど、子どもからの反応も良いという。
LINEは自分だけだとやめづらいが、共通のルールが決まっていることでやめやすくなる効果がある。自分の住む地域でこのような決まりがなくても、クラス等で話し合ってルールが決められれば、トラブルが減らせる可能性があるだろう。