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男性はとにかく「こだわりを持つ男」に憧れるものなのですね。しかもハードボイルドな感じの...。確かにそういう男性は魅力的ですし、もしもBARカウンターにダンディな殿方がいらしたら、女性としてはやはり気になってそわそわしてしまうのも事実です。

...が、しかし! facebookなどのSNSで「こだわりのある俺」を写真つきで投稿されるのは、見ていて「トホホ」な気分になるもの。

たとえばこんな投稿写真。ゆったりと紫煙が立ち上るタバコ、その手には高級ブランドの腕時計。バーボンのロック。BARカウンターの奥には、渋い感じのレコードが飾ってあったり...と、とにかく「キメキメ・カット」。

素敵です。確かにダンディな一コマです。しかし「この一枚」を撮るために、BARのカウンターにて片手で必死に写真を撮っているわけですよね? facebookではその様子までが残念ながら透けて見えてしまうため、思わず失笑してしまうのです。

リアルにBARで「カウンターの奥に素敵な男性がいるわ」というシーンがあったとしましょう。女性が少しドキドキしながらお酒を飲んでいると、突然「パシャ!」とシャッター音が聞こえてきて、その音の方向を見ると、さきほどの素敵な殿方が必死な形相で「ダンディな俺のバーボンロックとたばこと...、えっと奥のレコードも入るようにしたいなっと」という風にいろんな角度で写真を撮りまくっていたら、当然引いてしまいます。そんな現実が見えなくても、facebookではなぜかそれが透けて見えてしまうのです。

そしてそんな投稿写真には必ず自己陶酔型の文章がセットになっているのがお約束。

「このひとときがあるから、俺は生きていける」「BGMはジミー・ジョーンズのヴォーグ盤。バーボンとセットで今夜の俺を癒してくれている」的な...。自分に酔いすぎていて、かなりのトホホ感です。「いやいや、この一枚撮るために必死でパシャパシャしたんでしょ」と突っ込みたくなる投稿です。

ダンディな俺、こだわりのある男を演出するにも、そこに「必死感」があると全然ダンディに見えてこないという恐ろしい罠が潜んでいます。この場合は「必死な一枚」の写真とともに、ポエティックな文章ではなく「バーボン飲んでまーす☆」など妙に軽い一文のほうが、そのギャップでトホホ感を相殺してくれるかもしれません。同じ陶酔写真でも「がんばって撮ったのね。ご機嫌なのね。楽しい一夜をお過ごしなさいな」と優しい気分になれそうな気がします。

 

RSS情報:http://www.tabroid.jp/news/2014/11/sns-dandyism.html