番組やCMで気になったキーワードを検索したり、テレビで見た内容についてツイートする...日常の行動としてすっかり定着した感がありますよね。
そうした現状を受け、テレビ業界側でもスマホとテレビ番組を連動させる仕組みを次々と発表してきています。ここでは今年の国際放送機器展 (Inter BEE 2014) で複数のブースから出展されていた「テレビのセカンドスクリーン(もうひとつの画面)としてのスマホ」を進化させる最新の取り組みについてご紹介しましょう。
マルチ画面放送を研究する業界団体がある
関西圏を中心とした民放テレビ各社による「マルチスクリーン型放送研究会(マル研)」では、テレビ番組の放送内容とスマホアプリをリアルタイムに連動させる仕組み『SyncCast(シンクキャスト)』を、一部地域でスタートさせています(iTunes/Google Play)。
SyncCastでは、番組の内容に合った情報やリンク情報(ブロックと呼ぶ)をスマホアプリ上にプッシュ配信。番組で取り上げられたキーワードのリンクや、舞台となった地名からGoogleマップに誘導してくれるなど、今までならユーザーが自力で検索していた「ひと手間」を軽減してくれます。
また、放送中のテレビCMと連動したクイズに解答するとスマホクーポンをゲットできるといった特典も提供されるそうですよ。
放送+インターネット=ハイブリッドキャスト
先のSyncCastも含めて、放送とインターネット情報を融合させたサービスは『ハイブリッドキャスト』と呼ばれます。これによってアンケートや投票といった視聴者参加型の番組を作ることが可能になりますし、番組に関連した情報をスマホにプッシュすることもできます。
株式会社メディアキャストのハイブリッドキャストシステムでは、テレビ画面に表示されるコード(番号)をスマホアプリに入力するとクーポンが有効になる仕組みが提案されていました。
また、日本テレビのグループ企業である株式会社フォアキャスト・コミュニケーションズでは、テレビに内蔵されるB-CASカードの固有番号を利用して視聴者のテレビを特定、懸賞などに気軽に参加できる仕組み『テレビコネクト』を発表。
また、同社ではアマゾンのサーバー資源を利用して瞬間的なアクセス集中にも耐えるオンライン投票システムも出展。さすが『バルス祭り』の日テレ関連企業ですね。
オンデマンド動画にも放送通信連携の波が
オンデマンド動画配信サービスでも、テレビ番組と連動した動画を配信するなどの取り組みには積極的な模様。見逃し番組などをオンデマンド配信する『アクトビラ』もマルチアングル映像と並行して放送通信連携のサービスを展示していました。
スマホの普及が進み、手のひらの上でネット検索やソーシャルメディアを手軽に使えるようになったことで、テレビ視聴者のスタイルは大きく変わったようです。テレビとスマホを連動させる新しい仕組みが浸透していくと、さらにまた違ったテレビの楽しみ方が誕生するのかもしれませんね。