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最近、希少部位のお肉を扱うお店が増えている気がする。
○オリジン弁当 :: メニュー[関東] :: お弁当
http://www.toshu.co.jp/origin/menu/menu.php?kubun=2
例えばオリジン弁当のようなチェーンのお弁当屋さんでも、牛肉の「みすじ」を扱ったり。みすじを使っていることを前面にだして、「牛みすじ弁当」と。
まあ、以前と比べてお肉の希少部位名が一般化して、単語で伝わるようになってきたからなんだろうね。言葉として知られていなければ、どれだけ希少で価値がある部位だとしても、それが伝わらない。伝わる環境が整ってきたからこそ、こういう商品が成立する。
ただ、この流れが加速すると、やがては虚偽表記とかの問題が発生すると思うんだよね。
何故希少部位を使っているとうたうのか。それは文字通りそれが「希少な」部位であるから。希少故に価値があると。その「価値がある」ということを強調していきたい。
しかしそれには危うさがある。
・通常の部位と希少部位に決定的な違いはあるの?
実はない。希少部位が何故希少であるかの話にも通じるんだけど、希少部位ってのは一般的な区分によってできたものではなくて、細分化した結果できたもの。
○お肉のことならなんでもわかる!食肉なんでも大図鑑 - 牛肉の部位
http://jbeef.jp/daizukan/encyclopaedia/section.html?encyclopaedia_section_id=650
実はお役所的に正しい区分ってのは9つしかない。あとは自主規格のようなもので、食肉小売品質基準の部位の一部を別の名前で呼んでいるというだけのこと(業界団体などで自主的にルールがあったりしますが、お役所のとは別)。
例えば牛肉の最高級部位に「シャトーブリアン」っていうのがあるけど、食肉小売品質基準的に言えば「ヒレ」。あくまでヒレの一部で、ヒレとは別の部位というわけじゃあない。
・通常の部位と希少部位を分ける境界線ってあるの?
これもない。
引き続きシャトーブリアンを例にすると、ヒレの中央部がシャトーブリアンなのだけれど、ヒレとシャトーブリアンを分かつ明確な境界線なんてない(希少部位によっては関節とか骨とかで明確に分けられるものもある)。
なもので、「○○のいいところ」=希少部位というケースも少なくない。ヒレの中央のいいところをシャトーブリアンと呼ぼうと。で、そこはヒレの真ん中だから、あまり動きが少なくて柔らかくておいしい。そういうところはあまり量がとれない。だから高級部位ね、みたいな。
そういう主観的な話であり、客観性の乏しい話なんです。
なもので、希少部位に関しては「言うだけ得」という側面がある。希少であるからお得だと。でもその希少性の証明ってなされない。実は山ほどある部位かもしれない。厳格な区分だと確かに希少だけれども、その区分自体が甘ければ希少性は減るというケースもある。名ばかりの希少部位。
あるいは味を伴わない希少部位かもしれない。何故希少部位が珍重されるかといえば、その部位が大きな区分の中でも特に良い部位だからで、味の良さを本来伴う。シャトーブリアンはヒレの中でも特に柔らかくおいしい、みたいな。
しかしながら、元々の肉質が悪い牛であれば、その希少部位の肉質も悪い。肉質の良い牛の通常部位に劣る。希少であることでついつい勘違いしてしまうけども、希少であることは必ずしも味の良さを保証しない。あくまで、ある1頭分の枝肉の中での希少性であって、牛肉としておいしいかどうかは別問題。
希少性を売りにするマーケティングは、「希少なものはいいものだ」という一般的な認識を前提にしているけども、その前提自体が危ういものであるということを考慮に入れておきたい。希少部位であるということに目を奪われすぎないように。大事なことはあくまで味。量の大小ではないのだ。
○オリジン弁当 :: メニュー[関東] :: お弁当
http://www.toshu.co.jp/origin/menu/menu.php?kubun=2
牛みすじ弁当
1個590円
稀少部位のみすじを使用し、玉葱の入った醤油ベースのタレです。
(http://www.toshu.co.jp/origin/menu/menu.php?kubun=2 より)
例えばオリジン弁当のようなチェーンのお弁当屋さんでも、牛肉の「みすじ」を扱ったり。みすじを使っていることを前面にだして、「牛みすじ弁当」と。
まあ、以前と比べてお肉の希少部位名が一般化して、単語で伝わるようになってきたからなんだろうね。言葉として知られていなければ、どれだけ希少で価値がある部位だとしても、それが伝わらない。伝わる環境が整ってきたからこそ、こういう商品が成立する。
ただ、この流れが加速すると、やがては虚偽表記とかの問題が発生すると思うんだよね。
何故希少部位を使っているとうたうのか。それは文字通りそれが「希少な」部位であるから。希少故に価値があると。その「価値がある」ということを強調していきたい。
しかしそれには危うさがある。
・通常の部位と希少部位に決定的な違いはあるの?
実はない。希少部位が何故希少であるかの話にも通じるんだけど、希少部位ってのは一般的な区分によってできたものではなくて、細分化した結果できたもの。
○お肉のことならなんでもわかる!食肉なんでも大図鑑 - 牛肉の部位
http://jbeef.jp/daizukan/encyclopaedia/section.html?encyclopaedia_section_id=650
牛肉の部位は農林水産省が定めた「食肉小売品質基準」によって、9部位に分けられています。
(http://jbeef.jp/daizukan/encyclopaedia/section.html?encyclopaedia_section_id=650 より)
実はお役所的に正しい区分ってのは9つしかない。あとは自主規格のようなもので、食肉小売品質基準の部位の一部を別の名前で呼んでいるというだけのこと(業界団体などで自主的にルールがあったりしますが、お役所のとは別)。
例えば牛肉の最高級部位に「シャトーブリアン」っていうのがあるけど、食肉小売品質基準的に言えば「ヒレ」。あくまでヒレの一部で、ヒレとは別の部位というわけじゃあない。
・通常の部位と希少部位を分ける境界線ってあるの?
これもない。
引き続きシャトーブリアンを例にすると、ヒレの中央部がシャトーブリアンなのだけれど、ヒレとシャトーブリアンを分かつ明確な境界線なんてない(希少部位によっては関節とか骨とかで明確に分けられるものもある)。
なもので、「○○のいいところ」=希少部位というケースも少なくない。ヒレの中央のいいところをシャトーブリアンと呼ぼうと。で、そこはヒレの真ん中だから、あまり動きが少なくて柔らかくておいしい。そういうところはあまり量がとれない。だから高級部位ね、みたいな。
そういう主観的な話であり、客観性の乏しい話なんです。
なもので、希少部位に関しては「言うだけ得」という側面がある。希少であるからお得だと。でもその希少性の証明ってなされない。実は山ほどある部位かもしれない。厳格な区分だと確かに希少だけれども、その区分自体が甘ければ希少性は減るというケースもある。名ばかりの希少部位。
あるいは味を伴わない希少部位かもしれない。何故希少部位が珍重されるかといえば、その部位が大きな区分の中でも特に良い部位だからで、味の良さを本来伴う。シャトーブリアンはヒレの中でも特に柔らかくおいしい、みたいな。
しかしながら、元々の肉質が悪い牛であれば、その希少部位の肉質も悪い。肉質の良い牛の通常部位に劣る。希少であることでついつい勘違いしてしまうけども、希少であることは必ずしも味の良さを保証しない。あくまで、ある1頭分の枝肉の中での希少性であって、牛肉としておいしいかどうかは別問題。
希少性を売りにするマーケティングは、「希少なものはいいものだ」という一般的な認識を前提にしているけども、その前提自体が危ういものであるということを考慮に入れておきたい。希少部位であるということに目を奪われすぎないように。大事なことはあくまで味。量の大小ではないのだ。