日本の年金制度と年金制度が直面する問題を解説します。

 

社会保障を実現する方法には、「保険」と「福祉」があります。

保険は保険料の支払いに基づいて、個々に権利が発生します。

福祉は税を財源に行なわれますが、税の支払いによって個人に給付を受ける権利が発生することはなく、必要に応じて給付が行なわれます。

若い世代を中心に、NISAやiDeCoを念頭に、自ら将来のために積み立てをすることで公的年金は不要になるのではないかという声があります。

しかし、私的な積み立てでは長寿のリスク、つまり自分が何歳まで生きるかわからないため、積み立ての必要額が定まらない、怠惰のリスク、自分で積み立てをするつもりだったけれど先延ばししてしまって老後に必要な額を確保できないといったリスクに対応できません。

国が関与する公的年金によって、何歳まで長生きしても亡くなるまで年金が保障され、拠出が強制されることで誰もが