男1「へぇ、そいつはご機嫌なこった。そのフェスティバルってのはいつ開催するんだ?」
男2「いや、もう今日がエントリー最終日だ。」
男1「今日だと?まだ作りかけじゃねえか!さてはゴゼンの野郎、早々に諦めて投げ出しやがったんだな!意気地のねえ男だ!」
男2「やめろハインツ!ゴゼンはベストを尽くしたんだ!ただ…奴は色々と遅すぎたんだ…!そして奴にとって早すぎたんだ…期日が…!」
男1「マンフレッド…」
男2「ゴゼンはまだ諦めていない。見てろ。あの野郎、塗料の希釈を始めやがった。」
男1「なんてこった…まだゴゼンはやる気だって事か…!」
男2「ああ、このサラマンダーはフェスティバルでデビューを飾れなかった。だがな、ゴゼンはそんな些細なことで腐るような男じゃねえ。ゴゼンはこいつに向き合うだろう。たとえいつになったとしても、ゴゼンは必ず完成させるはずだ。」
男1「そうかい、ご機嫌なこって…。しかしマンフレッド、俺は仕事でもなんでも、期日を厳守することは基本中の基本だと思うんだがなぁ…。」
男2「ハインツ、それを言っちゃおしまいよ。大事なのはハートよ。」
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こんなん笑うわwww
二人の会話をもとに少し手を加えました。
暇な方は読んでいただけると嬉しく思います。
Write By Kasa
ゴゼン・レイジの挑戦
今は11月が終わろうとしている夜中、もう間もなく日付が変わろうとしている時間だというのに
一人の男、ハインツが薄暗い道を歩いていた。その足取りは酔っぱらっているのだろうか、少しふらついている。
彼は友人に会いに町はずれの工場に向かっていた。
ハインツはこんな時間だというのに灯りの点いている工場のドアから中の様子を窺っている友人の隣から
工場の中を見回してみた。
工場の中ほどには、まだ完成とは言えない1機のマシンが佇んでいる。そしてそのマシンの陰で一人の男が歯を食いしばりながらも
そのマシンを組み付けていた。
「マンフレッド、なんだいこいつは。」
ハインツは隣に立つ友人 マンフレッドに声をかけた。
「来たか、ハインツ。なんでもこいつは、大きなフェスティバルでデビューさせようと、
孤独な男…ゴゼン・レイジが夜な夜な組み立てていたジェット機・サラマンダーっていうモノらしいんだ。」
マンフレッドはハインツの疑問をわかっていたかのようにそのマシンの事を口にする。
ハインツもゴゼンの事は知っていたが、付き合いが浅く彼の事はあまりよく知らなかった。
ゴゼンがこの町に来たころに、『一緒にゲームでもしないか?』と誘ったこともあるが
『ごめん、用事があるんだ・・・』と断られたこともありあまり声をかけることも無くなったのだ。
「へぇ、そいつはご機嫌なこった。そのフェスティバルってのはいつ開催するんだ?」
ハインツも職人だ、ゴゼンの作っている機体はまだ未完成だが、その作り込みを目にして凄いものを作っていることはわかったのだ。
マンフレッドに興奮気味に聞いてみた。
「いや、もう今日がエントリー最終日だ。」
マンフレッドは、すでに時間が足らないことを察して残念そうに答える・・・。
「今日だと?まだ作りかけじゃねえか!さてはゴゼンの野郎、早々に諦めて投げ出しやがったんだな!意気地のねえ男だ!」
ハインツはゴゼンが完成させれない事に憤りを感じ、マンフレッドに嚙みついた。
「やめろハインツ!ゴゼンはベストを尽くしたんだ!ただ…奴は色々と遅すぎたんだ…!そして奴にとって早すぎたんだ…期日が…!」
マンフレッドはゴゼンを見てきた。仕事を終え、食事もろくに食べずにこのマシンを完成させようと頑張ってきた姿を・・・。
少しでも時間があれば、ゴゼンはこの工場に通っていた。朝早くから夜も日にちをまたいで通い詰めていた。
「マンフレッド…」
マンフレッドはゴゼンが諦めていないことを知っていた。
「ゴゼンはまだ諦めていない。見てろ。あの野郎、塗料の希釈を始めやがった。」
ハインツはマンフレッドの言葉に、そしてゴゼンのひたむきな姿に言葉を漏らしてしまう。
「なんてこった…まだゴゼンはやる気だって事か…!」
マンフレッドはハインツの肩に手を回し、街に足を向ける。そしてゴゼンの事をハインツにも知っていてほしかったのだろう。
ゴゼンには諦めのひとかけらも無いことを・・・。
「ああ、このサラマンダーはフェスティバルでデビューを飾れなかった。
だがな、ゴゼンはそんな些細なことで腐るような男じゃねえ。ゴゼンはこいつに向き合うだろう。
たとえいつになったとしても、ゴゼンは必ず完成させるはずだ。」
マンフレッドはゴゼンが諦めていない事、そして必ず完成させると信じていた。
「そうかい、ご機嫌なこって…。しかしマンフレッド、俺は仕事でもなんでも、期日を厳守することは基本中の基本だと思うんだがなぁ…。」
ハインツもゴゼンに頑張ってほしいと思いながらも、つい悪態をついてしまう。
「ハインツ、それを言っちゃおしまいよ。大事なのはハートよ。」
二人は街に戻る道を歩きながらゴゼンのマシンが完成する日が待ち遠しいと思っていた。
空では月が二人の足元を照らしてくれていた。