先週の生配信番組を聴いていて、創作に関するファンからの質問へ答えたYOSHIKIの話に、僕はとても興味を感じた。

 それは、僕がいつも伝えている「曲を作るのではなく生むYOSHIKI」の本質が鮮やかに伝わる内容だったからだ。
 
 作曲についてYOSHIKIが表現した「降りてくる」という言い方は、ちょうど「YOSHIKIの凄さ#18〜たった2小節で心を震わせるYOSHIKIの名曲 」で僕が語っている通り、「YOSHIKIが曲を生んでいる」ことを意味している。

 このようにYOSHIKIが創作の瞬間について語るのは珍しいことで、とても意義深いと思った。

 

 そんな話の中、YOSHIKIが「ENDLESS RAIN」の作曲について語った。

 YOSHIKIの話だとリクエストは音楽合宿の時だったけれど、僕の記憶では最初にメジャーキーのバラードについて話をしたのは、世のあらゆる名曲についてYOSHIKIと語り合っていた春だった。

 そのメッセージを伝えたことでXの進化に期待が膨らみ、続いてTOSHIとMCについて会話をしたのが5月の終わりだから春に話したのは間違いない。
 
 ただ、今回のYOSHIKIの発言通り、いよいよ創作に集中するための音楽合宿が始まる際に、YOSHIKIと僕でどんな作品を生み出していくのかきちんと会話をして、改めて「メジャーキーのバラードを生む」というテーマを共有した。

 そしてYOSHIKIは作曲に取りかかり、すぐに「ENDLESS RAIN」を生み出した。
 
 音楽合宿が始まった途端、YOSHIKIはすぐに作曲モードに入って部屋にこもっていた。
 
 たまに5人でスタジオに入って音出しもしていたけど、基本的には一人部屋にこもっている時間が多かった。

 一人部屋にこもったYOSHIKIはいくつかの作品を作曲して、そこで生まれた一つの作品が「ENDLESS RAIN」だった。
 
 ツアー中はステージに徹していたから、創作に集中できる環境で作曲に向かったのだろう。

 いずれにしても、1988年の夏にとても大切な作品「ENDLESS RAIN」は誕生した。

 
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  (生まれたばかりの「ENDLESS RAIN」を聴いた部屋のドア)


  
 たまたま前回の記事で「ENDLESS RAIN」が生まれた直後と今が時間を超えてそのまま繋がっているような気がする・・・と書いていたけれど、今回「ENDLESS RAIN」作曲について語るYOSHIKIの声に、初めて聴いた1988年のあの夏と2013年の今が35年の時を超えて不思議なくらいにぴったりと繋がった。

 そして僕はふと、あることを思った。