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【新コーナー】教えて! 湘子姐さん! 作家・天藤湘子さんに相談してみよう

2013-03-15 20:20
    新コーナー

    教えて! 湘子姐さん!

    作家・天藤湘子さんに相談してみよう

     壮絶人生を送ってきた湘子姐さんは、実はいたって女子らしいフツーな日々を送っている。崖っぷちでも諦めない、けど、どっか力が抜けている湘子姐さんに悩みを相談してみませんか?

     相談は専用フォームからどしどしお寄せください!

    『教えて!湘子姐さん!』投稿フォーム


    質問その一

    母とうまくいきません(20代・OL)

     母は、高校を卒業して少しお茶やお花を習っただけですぐに今の父と結婚しました。バイトを含めて生まれて一度も働いたことがなく、したがって職場でイヤな思いをしたことはありません。母の父や兄たち、夫である私の父も到って穏やかな人で、生まれてから一度も怒鳴られたことはないんじゃないかと思います。

     私は昨年、第一希望でなかった会社に就職し、残業やお局さまのイヤミ、おっさんたちのセクハラに毎日耐えています。仕事については、まだ大きな仕事は任せてもらえないので、叱られることもないですが。

     くたくたになって終電で帰って来ても、母は「こんなに遅くまで何をしていたの?」「付き合っている人がいるなら、ウチに連れて来なさい」とかとんちんかんなことばかり言います。待ちくたびれて寝ていることもあります。疲れているので、反論する気も起こりません。

     父は、母ほど無神経なことは言いませんが、「辛かったら、辞めてお嫁に行っちゃえば?」とか言います。

     人が置かれた状況でがんばろうと思っているのに、「いつも御苦労さま」の一言も言えない母には本当に頭に来ます。家を出れば一時的には解決するかもしれませんが、今は毎日残業で説得する体力と気力がないし、将来は介護とかの問題もあるので、ケンカはしたくありません。

     心の持ちようを教えて手ください。

     湘子さんは、お母さんとはどんな関係だったのですか?

    回答

    【現状が辛いみたいですが、もう少し視野を広げてみて下さい。

     まず、お母さんが、とんちんかんなことばかり言うので余計に疲れるみたいですが、お母さんが生きていてくれてるなんてそれだけで充分じゃないですか。

     私の両親は早くに他界し、どんなに泣いても会いたくても顔を見ることも出来ません。そう思うと、夜遅くまで待ってくれるお母さんがいるなんて羨ましいです。また、お母さんはお仕事をしたことがないのであなたの置かれている現状が把握出来ていないのは無理のないことじゃないですか。あなたが少しでも会社の話とかをしているのならまだしも、疲れ切って帰宅して会話らしい会話もないのですから。またお局さんや上司などのことも今にも刺してやろうかというぐらいまで精神的に追い込まれているのなら問題ありですが、そこまででもないのなら、あなたは充分、大人の対応が出来ているし常識も持っているという証拠です。家を出ても一時的には開放感が得られるとも思えないです。

     というのも、独り暮らしって本当に淋しいもんですよ。そんなに理想的なものじゃないんですよ。まぁ、それも慣れたら楽でもありますが・・・・・・。でもせっかく家族がいてくれる環境にあるのに、わざわざ離れることなんてないと思います。家族って本当に大事ですよ。あったかいですよ。私の母との関係はすごく良かったですよ。母は温厚な人ですごく優しかったです。

     いつだって病弱な私のことを心配してくれてそばにいてくれて、どんな時でも遠くから見守っていてくれる人でした。私は今でも母の死から立ち直れていないと言っても過言でないでしょうね。それほど母の存在は偉大でした。

     友達のいない私には本当にいつも見守ってくれている母が何よりも大事でした。あなたはいまはすごくしんどい時かもしれませんが、それだけ周りの人よりも大人だから神経をつかってしまうのでしょうね。何のお仕事に就いても、結婚しても不満のない世界なんてないわけで、逃げ場を探してもきりがないということなのだと思います。あなたがもう少し視野を広げてみれば「あぁ、こんなものかぁ」と笑えるようになれるかもしれませんよ。

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    天藤湘子さん

    天藤湘子(てんどうしょうこ)

    作家・ライター

    1968年、大阪生まれ。

    極道の組長の娘として生まれた。そのことで、小学生の頃、いじめに遭うようになり、やがて非行に走る。中学3年生の時に、傷害事件を引き起こし教護院で8ヶ月間過ごすこととなる。その後、覚せい剤、恋人の暴力、両親の死などを経験。

    2004年4月に自らの生い立ちを綴った私小説『極道な月』(文芸社)を出版。大きな反響を 呼び、10万部を突破。2006年4月、幻冬舎アウトロー文庫より文庫版『極道な月』を出版。現在、実話系雑誌などにライターとして記事を書く傍ら、彫り師としても修行中。

    趣味はイラスト描き、音楽・絵画・映画鑑賞、野球観戦、篆刻、読書、散歩など。

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