2020年東京オリンピックの主会場、国立競技場の建設をめぐって大モメだ。

旧国立競技場で、1964年、前回の東京オリンピック、円谷が入ってくるのを観戦し、1993年、Jリーグ開幕試合を観戦したぼくにとっては思い出の競技場が消えてしまったのは寂しい。

旧国立競技場を大幅に改修して再利用すればよかったのにと、今さら悔やんでも遅いが。

昨年5月、JSC(日本スポーツ振興センター)が発表した建設費(解体費は除く)は1625億円。それが2500億円、ことによっては3000億円になるかもというのだから、舛添要一都知事ならずとも文句のひとつも言いたくなろう。

ただし、下村文科大臣に超過分のうち500億円を負担してくれと言われて、「都民の税金だから、そう簡単に出すわけにはいかない」と居丈高な舛添都知事にも違和感を覚える。

就任して1年半、たいした実績も残さず「東京オリンピック準備のため」と称して、やれモスクワだ、ロンドンだと海外出張。

それも、20人近い職員を引き連れて、宿泊は15万もするスイート。連絡を密にするためとか言って側近の職員までスイートに泊まっていたという。

舛添都知事、それも「都民の税金」じゃないのか。

全くの余談だが、テレビで見る舛添知事、最近、目つきが険しく、だんだん人相が悪くなる。坊主頭だから、まるで芝居に出てくる悪役の座頭、藪原検校みたいだ。

この新国立競技場、そもそも建設費が高過ぎる。

北京が約650億、ロンドンが約700億だったというのに当初の予定でも1500億円。

ザハかなんか知らんが、あの流れるようなデザインだって、周囲の神宮の杜とは全くマッチしていない。

景観破壊もいいところだ。

しかもこのザハという女性建築家、建設費がベラボーにかかり、結局、設計はしたものの実際には建たなかったというケースが続出、「アンビルトの女王」と呼ばれる悪名高い建築家だというではないか。

誰が、なぜこんな建築家を選んだのか。

コンペの結果、審査委の票が4対4に割れ、最後は委員長の建築家安藤忠雄氏が断を下したという。

安藤氏自身は週刊誌の取材を逃げまくっているようだが、特に名を秘す、関係者の言葉を紹介する。

「画期的なデザインですから、カネがかかるのは初めからわかり切っていた。2倍に見とけばなんとかなるということで、ザハに依頼したんでしょうが、東日本大震災の復興もあり、資材、人件費の高騰が予想以上だった。

だったら、予算内でやれるように部分的に設計を変更するしか方法はないんです。開閉式の屋根部分を後からつけるとか言ってますが、あれをたとえばスダレのようなものにして、巻いて畳めるようにするとか工夫すればいい。

安藤さんにはそういうアイデアを出す責任があります。

しかし、資材がそんなに上がるというのはおかしい。値段を釣り上げて、得している連中がいるんじゃないですか」

FIFAとは比すべくもないが、オリンピックにも利権がからんでいるというのだ。


花田紀凱