加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage
第8回『ブルージャスミン』『マッチポイント』
【毎月第2木曜配信】
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2017.1.12 vol.768
今朝のメルマガは、加藤るみさんの連載『加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage』をお届けします。
今回は巨匠ウディ・アレン監督の描く「残念な男女」特集。欲望のままに生きる浮気性の女性を描いた『ブルージャスミン』と、スカーレット・ヨハンソンの魅力が炸裂する不倫サスペンス『マッチポイント』です。
▼執筆者プロフィール
加藤るみ(かとう・るみ)
1995年3月9日生まれ。岐阜県出身。サンミュージックプロダクション所属のタレント。映画鑑賞をはじめ、釣り、世界遺産、料理、カメラ、アニメと多趣味を活かしてマルチに活躍中。インターネットラジオK'z Station『おしゃべりやってま~すRevolution』にレギュラー出演中。雑誌『つり情報』でコラムを連載中。
本メルマガで連載中の『加藤るみの映画館(シアター)の女神』、過去記事一覧はこちらのリンクから。
新年明けましておめでとうございます!!
2017年がやってきました。加藤るみです。
今回は、私の大好きなウディ・アレンが描く残念な男と残念な女特集!!
新年早々、パンチの効いた2作品をドヒャンとお届けしたいと思います。
ご紹介するのは、セレブの転落人生を描いた『ブルージャスミン』と、
サイテーなのに強運すぎる男の物語『マッチポイント』です。
この2作品に通ずるキーワードは、ズバリ、人間の欲望(笑)。
昨年、世の中では不倫騒ぎが大きなニュースとなりましたね。
そんな今だからこそ、欲望には大切なものを瞬時に奪ってしまう怖さがあるということを、
この2作品を観て感じていただけたらと思います。
そして、巨匠ウディ・アレンが描く、人間心理の本質を見抜いたストーリーに、
あなたもクスッと笑ってしまうはず。
私が初めてウディ・アレンに出逢ったきっかけ。
それは、『ミッドナイト・イン・パリ』という作品でした。
そう、略して「ミッパリ」です。
“現実逃避”をテーマに描いた、タイムスリップコメディーで、
私はミッパリを観て以来、雨のパリに強い憧れを持っています。
この作品を観て、ウディ・アレンの沼にどっぷりハマってしまい……
それからの私は、過去作を次々とチェックするようになりました。
私が思う、ウディ・アレン映画の魅力をざっくり三つ挙げたいと思います。
まず一つ目は、ただ単に世の中を綺麗事でまとめるのではなく、
世の中のイヤ〜〜な部分や矛盾点をユーモラスに描くところ。
人生の悲哀をしっかりと映し出すところが好きなんです。
彼自身の人生を映画に投影しているからこそ、リアリティがあるんでしょう。
基本的に、皮肉がたっぷり詰まっている脚本なんですが、
それでも「面白い!」って思える言葉のセンスが大好きなんです。
二つ目は、舞台の街に必ず行きたくなる魔法をかけてくれること。
毎回、映画らしいロマンチックな舞台にうっとりしてしまいます。
それに加え、音楽のセンスも抜群にオシャレなんです。
三つ目は、構成の上手さに「やられた〜〜!」ってなること。
起承転結がはっきりしていて、全てに意味があり理由がある。
そして、予測もできないような展開に驚かされることが多いです。
どんな結末であれ、余韻に浸れるところが魅力だと思います。
クセは強めでありますが……(笑)
ぜひとも、一度ウディ・アレン映画に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
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