零細企業が送る番組制作現場の裏側
北海道において、地元住民に受け入れられないイベントの筆頭として挙げられているのがYOSAKOIソーランである。
事実報道機関のアンケートの結果、過半数が「嫌い」という評価を下したこともある。当該報道機関はYOSAKOIソーランのスポンサーであったため、以後その機関によるアンケートは行われていない。
また、著名人が新聞のコラムでよさこい批判記事を書き、その反響(肯定的なものが多かったといわれている)に驚いたのかどうかはわからないが、まもなくそのコラムが打ち切られるという事態も起きた。
これほどまで大々的に批判を受けるYOSAKOIソーランではあるが、僕は好きでもあり、嫌いでもある。少し昔の思い出とともに振り返ってみようと思う。
札幌に30年住んでいる僕にとって、よさこいソーランはわりと身近なイベントだった。
高校生の頃は、無邪気な後輩が「センパイ、見に来てください!」なんて言うもんだから雨の中やいのやいの見に行った。
大学生の頃は、サークルを掛け持ちしている友人達が学内サークルで出演したり、学外のチームに所属したりでなんだかんだ見に行ったのだ。
ところが、この一連の参加の中でどうしても気になることが多く出てきてしまった。
派手な衣装を着て、大勢で固まっていると、さながら自分たちが大きな存在であるかのように勘違いしてしまう人がずいぶんと増えてしまったのだ。
衣装のままで大通公園で歩きたばこをする、肩で風を切るように歩いたり、歩道横1列を占領する。大きな団体だと1ブロック占領してしまうこともある。
地下鉄でも1両まるごと占領したり、大きな声で談笑する。
あえて言わないが、何かに似ているだろう。集団できらびやかな改造を施した二輪車にまたがり、騒音をまきちらして夜の国道を蛇行運転するアレだ。
何度か道外の人に、ヨサコイって本当に北海道で嫌われてるの?と聞かれることがある。
僕は大抵の場合こう答える。
「参加している人やその身内には嫌われていませんよ。あ、あと年配の方は、若い人がエネルギッシュに動き回るのを見て元気がでるから好きって言ってますね」
そして上述の理由を説明するのだ。
コンテストの順位だったり、参加するのに多額の金銭が必要だとか、そんなことは出場していないのだからどうでもいい。参加者側の不満として声を挙げればいい。
僕は、友人がYOSAKOIに出ると聞いたら見には行くが、その出番が終わったらそそくさと帰りたい。お祭りは好きだが、それに乗じてある程度何でも許されると調子に乗ってしまうバカが多すぎるのは嫌だし、そんな自己満足に札幌中心部を封鎖しないでくれと思う。
YOSAKOIの衣装を着た女の子は3割増しでかわいく見える。なので、それを観賞しに行くのはやぶさかではない。元気に飛び跳ねる若い女性を見て楽しむというのもお祭りの醍醐味であろう。何もやましいことはない。何が悪い。
せっかく大勢の人が集まってくる経済効果も高いイベントなのだから、運営や参加者には一般的な視点をもって、なぜ嫌われているかを吟味し、改善していってほしい。
テレビ中継なんて1社で十分だ。
どうでもいい後付だが、北海道は冬にバイクが乗れないため、狸小路を歩く同様の集団が存在する。気合いの雄たけびを上げつつ、スソの長い服を着てあたりを闊歩する。
彼らは徒歩であるため、珍歩団と呼ばれている。
もっとどうでもいい話だが、僕の事務所の近所に改造バイクがいる。ロケットカウルと3段シート、狭めたハンドルに非純正ホーン。ギンギンバリバリかと思いきや、彼はなぜか住宅街を通る時だけ、バイクを押して通っている。
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