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山田玲司のヤングサンデー 第176号 2018/3/5

長生きには「ゲーム」が効く

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【困惑のゲーム実況】


先週のヤンサンは初の「ゲーム実況」だった。

正直な話「ゲーム実況」には困った。

何が「困った」って「楽しすぎる」のだ。

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思えば「漫画の連載」が分業になって、大人数が仕事場に集合する事が減ったので、昔は普通にやっていた「みんなでゲームをする時間」ってのが無くなっていたし、相手はファンキーで気の合うヤンサンメンバーだ。放送前の動作確認から面白い。


「ゲーム実況」というジャンルの魅力は、なんと言っても「友達の家でワイワイ遊んでいるような雰囲気が味わえる事にある」と思う。


もちろんそれだけじゃないと思うし、自分が出来ない「超絶テク」なんかを見たい人もいるだろう。


でもヤンサンレギュラーにはそんな技を持っている人はいないので、ゲーム実況をやるなら「楽しい雰囲気を伝える」って事に集中しないと・・なんて思っていたけど、そんなもん意識しなくても楽しい。

放送が終わって「楽しい放送だった」とか「またやって欲しい」と言ってくれる人も多かった。



なのに僕はまだ「こんなんで良かったのだろうか?」と思っていた。


「自分たちだけで楽しんでいていいのか?」

「こんなもの放送したら昔からのファミリーを失望させてしまうんじゃないか?」


そんな事をどこかで感じている自分がいた。問題はここだ。


「今回はゲーム実況という挑戦を見せる企画」だと決めていたのに、どこかで「楽しんではいけない」と思っている自分がいたのだ。


何だこれは?楽しいのは罪なのか?何を言ってるのだ山田玲司。


普段から「自分は楽しむために生きている」とか「楽しくない現場からはいいものは生まれない」とか言っていたのに、僕は何を迷っているんだ。「真面目も休み休みに言え」


僕はしばらくこの違和感の理由を考えてしまった。



【ムダを省く病】


確かにヤンサンはお手軽に知識や教養が身につく「得する放送」でありたい。

でもそれだけじゃまるで「功利主義番組」だ。


「功利主義」とは、ざっくり言って「ムダを省いた要領のいい選択をする」考え方だ。


確かに「役に立つもの」「儲かるもの」「効率のいいもの」ばかりを追いかければ、ある程度の「収入」には繋がる。


でも「役に立たないもの」「不便なもの」「意味のないもの」「使えないやつ」「バカ騒ぎ」みたいなものを人生から排除してしまったらオシマイだ。


何がオシマイかと言うと、人生が「面白くなくなる」のだ。



大人が子供に言う「ゲームは役に立たない」と言う言葉も「功利主義」が言わせている。


多くの親が子供に望むのは「高収入」の人生だろう。

親の多くがそれを「幸福な人生の第1条件」だと思っている。

そのために有利な「学歴」が必要で、まずは「勉強」をしなくてはならない。

なので「勉強に関係ないゲームの時間」はムダだからさせたくないというわけだ。


そんなわけで子供時代に「遊び場」「遊び仲間」を奪われた人達は「ムダ」に飢えているのかもしれない。

ゲーム実況コンテンツの人気の背景には、奪われた「みんなとの遊び時間」を取り返したいという思いが乗っているのかもしれない。


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【幸福はムダの中にある?】


確かに「役に立たない時間」は魅力に溢れている。

今回出てくれた人達の中で「レベル上げだけに費やした最高の(ムダな)1日」について誇らしげに語っていた人がいた。

振り返れば確かに「最高の1日」に思える。

僕の人生にも「ひたすら地面に落書きしていた日」や「トカゲを探していただけの日」がある。

膨大な人生の中に「そんな1日」があってもいいはずだし、そんな1日ほど「思い出」に残るのだ。



【長生きの理由】


そんなこんなを考えながら「TED」を観ていたら「世界一長寿の島」についてやっていた。