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山田玲司のヤングサンデー 第206号 2018/10/1

「鎖国」を終わらせる時の注意事項

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「引き篭もり」と「鎖国」


最近はどういうわけか「明治維新」の番組をやたらと観てる。


大河ドラマはどうにも恣意的に感じるので、「西郷どん」は観てないけど、録画しまくってる歴史番組やらネットの動画を観ながら漫画を描いてる。


かつては侍の圧政から解放して民主化を成功させたのが「明治維新」だと、漠然と思い込んで観ていたけど、それがどうも怪しいと思うようになった。


確かに・・


「欧米列強の植民地にならずにすんだ」


「腐敗した侍が支配する世の中を解放した」


・・なんてのはいい話だ。


とは言っても次に向かったのが「富国強兵」


それも時代の流れで仕方なかったとは思うけど、とにかくこの流れ「ブレーキ」がなかった。


「豊かになるため強くなれ」

ってのが「富国強兵」だ。


全土が焼き尽くされて、300万人が死ぬまでそれは続き、今度は経済で同じことを始めた。


ある程度は成功したのに、今度は過労で死んでも止まらない。


「頑張ってるのに幸せじゃない」


そんな世の中に長いこと暮らしていると、どうしても「江戸」の事を考えてしまう。


それは飢饉も圧政もあったろうけどね。


「鎖国」になっていって、世界に壁を作って「自分たちだけで浮世絵なんかを楽しんでた時代」なんてのも、あるにはあった。


ところで。

「鎖国」は「引き篭もり」と似てる。


勇ましい連中が浮世絵を「けしからん」なんて弾圧したのも、「アニメはけしからん」ってのに似てる。



そんな幸せな「引き篭もり時代」を終わらせなければならなくなったのが「幕末」だったわけだ。


とはいえ。


「江戸も良かったのではないか」とも思う。


何でもかんでも「勝て」「金持ちになれ」ばかりじゃもたない。


「強くなる」だけで全てが解決するわけでもない。

何より「幸せになれる」わけではない。



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そういえば若い世代に「誰も殺さない、優しいRPG」ってのが流行ってる。


生まれてすぐに「戦え」と言われる世の中に、心の底からうんざりして「鎖国」したのが「引き篭もり」なのだと僕は思う。


とは言え、「開国」の時は避けられない。


世界が暴風雨でも部屋を出なければならない時が来る。


どうしたものか...


なんて考えてたら、五木寛之さんがいいことを言っていた。