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山田玲司のヤングサンデー 第292号 2020/6/1

セーラームーンのパンツとオリンピック

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【オリンピックがやりたい】


とにかく「オリンピックがやりたい」らしい。


何しろテレビ局、新聞社、出版社、広告会社、巨大企業、自治体、などあらゆる組織が「オリンピック」に絡んでいるのだ。


せめて無観客でもいいからオリンピックを開催したいのは、巨額の放映権料のためだろう。


オリンピック中止による損失の多くは国民の税金で・・みたいな話も当然あると思うけど、「オリンピックによる利益」を当てにして、すでに多くの投資をしている企業も大ダメージを食らうのだろう。


オリンピックの中止で吹き飛ぶ会社もあるだろうし、失業したり、自己破産に追い込まれる人もいるだろう。


なので「何がなんでもオリンピックをしたい」のが、それに賭けた多くの人達の本音だと思う。


これに人生を賭けている人も、子供やローンを抱えた人も沢山いるだろう。



その気持ちはわかるけど、この「何が何でも」という部分には共感できない。


どうもその「何が何でも」の中には「誰かが死んでも」とかいうグロテスクな思惑も入ってしまうと思うからだ。



【空気を作れ】


そんなわけで「何が何でも」の人達は、まず「オリンピックはやっても大丈夫」という空気を作ろうと相談したのだと思う。


「何が何でもオリンピック」チームの中には政治家も大手マスコミも広告のプロ集団もいる。

国民に慕われている多くのタレントも広告塔にできる。


番組や記事の製作チームが「オリンピック開催」に都合の悪い情報を上げてきたら、編集権のある人が握り潰したり改ざんしたりもできる構造になっている。


そんなこんなで、今年の春は「オリンピックは大丈夫ショー」がスタートしたのだと思う。


「何が何でも」なので「事実」は操作される。隠蔽も改ざんも「何が何でも」なので「有り」というルールらしい。

僕にはそう見えて仕方ない。



緊急事態宣言解除までの報道の流れは、見事に「感染者」の数字を減らして見せていた。

報道された数字は「本当の感染者数」ではなく、その影に検査を受けさせてもらえない人達の存在があった。

検査した人の数は都民の中の1万人に1人程度なのだ。


高校生でも「この数字は嘘である」と思っていただろう。


「オリンピックのお金」はこの国に「裸の王様」と「それを指摘できない人達」を沢山生み出した。



「何で解除宣言なの?」と子供に聞かれて「オリンピックの利益のためだよ」と答えるか「もう感染者はほとんどいないから大丈夫なんだよ」と答えるか。


事実はどちらに近いのか。


どっちにしても大人は試されている。




【セーラームーンの嘘】


今週のヤンサンは3回めの「セーラームーン解説」だった。


原作漫画、テレビアニメ前半、に引き続いて「伝説の最終回」」へ続くTV版後半の解説。


バブル後期の異常なまでの明るさと、東映アニメーションという老舗の安定感がある「セーラームーン」


この作品にも沢山の「嘘」がある。