「スパイダーマン」と「蜘蛛の糸」
【孤児の恩返し】
昔のヒーローには親がいない。
いや、言い過ぎた。
探せば実の両親に囲まれた主人公ってのはいくらでもいるだろうし「サンダーバード」なんかでは一家で人類を守っている。
でも僕の知っている60年代、70年代のヒーローをとにかく「気の毒な孤児」に溢れている。
おそらく戦後のまもない時代にはそういう境遇の人達が沢山いて、それでも負けないで頑張っている彼らは、その時代の人達にとって「自分自身」でもあったのかもしれない。
仮面ライダーもサイボーグ009もデビルマンもあしたのジョーも、思いつくキャラクターには「ほぼ実の親」がいない。
そんな主人公には何かしら「親代わりの人達」がいてくれて、主人公の能力をサポートしたり「家族」として愛情を注いでくれたりもする。
この「血の繋がりなしの温情」に報いるためにヒーローは戦う。
「無償の愛」には命を賭けて恩返しをするのがこの当時のヒーローだった。
多くの主人公が「愛されないのが当然」という生い立ちなので、その後に出会う人達が与えてくれた愛情に主人公は「世界は思っていたよりも素晴らしい」と思うわけで、これがまた泣けるのだ。
件の「スパイダーマン」も基本構造はそういう物語だ。
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くだんの映画はまだ見れていませんが、昔からハリウッド映画はチョット苦手でした。
ディズニー映画もそうですが、善悪二元論的な構造というか、白黒ハッキリした世界感、主人公側と悪役がわかりやすい構成……。世の中ってもっと複雑じゃない?と思っていました。(故にジブリ派でした)
でも最近の米国映画は少しずつ変わり始めていますね。
願わくは、現実の世界でも、もっとその価値観が拡がって浸透していってほしいなと切に思います。(あと昨今のネット世界にも…。)
一人一人が自分の出来る範囲で優しさを与えること、分かち合うこと、「蜘蛛の糸」的な救済の心を持つこと。
自分の心のなかにbe スパイダーマン…。なんてことを、玲司先生の文章を読んでいて思いました。いつもありがとうございます(^-^)