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山田玲司のヤングサンデー 第19号 2015/2/9
愛なしで生きられるやつは「嘘つき」か「本物のバカ」か?
愛なしで生きられるやつは「嘘つき」か「本物のバカ」か?
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必ず勝つと決まっているスポーツが面白くないように「ままならない」からこそ恋愛は輝く。
2月4日の放送では「恋と人生に効く映画って何だ?」みたいなテーマでやってみました。
この国では恋愛離れが進んでいて、それが「少子化」につながっていて問題だ、みたいな事はどうでもいいんですが、やっぱり僕は「人が恋に落ちて普通ではなってしまう」ことっていいな、と思うわけです。
「好きになった相手を自分のものにしたいと思う」とか「誰かのものになりたい」とか
あけくに「殺して欲しい」なんて言い出すことすらある。
そんなに激しい感情でなくても「頭をなでて欲しい」とか「側で寝息を立ててる」とかでも人は幸福を感じたり、何ならそんな些細な瞬間を支えに生きれていたりもするわけです。
でもこの「恋」ってやつは良いことばかりではない。
簡単に自分を犠牲にできるほど僕らは「美しい社会」に暮らしてはいないのだ。
「資本主義だの合理主義の果て」に暮らしている僕らは、恋の相手にまで点数を付ける。
自分が好きなだけの話なのに「みんなの評価」を気にしたりする。
「ずっとお金を稼げるか?」とか、「自分を永遠に愛してくれるか?」とか言い出す。
「愛」が欲しいのか「ぬくもり」が欲しいのかわからなくなったり、出会う相手を片っ端から「審査」している人も多い。
そして100%の相手が見つかるまでは、部分的に満足させてくれればいい、と「SEXだけ」とか「世間体だけ(結婚)」とか妥協してみては、割り切れなくて苦しんだりしている。
じゃあ、そんな愚かな行為(誰かを好きになること)なんて止めたらいいと思うかと言えばその反対で、僕はこういう人の営みが(迷いも邪心も含めて)とても愛おしく思う。
必ず勝つと決まっているスポーツが面白くないように「ままならない」からこそ恋愛は輝く。
だけど、心が傷つくのは嫌だからつい安全な道を選ぼうとしてしまう。
本気で好きになった相手に「何こいつキモい」なんて言われたら気分は「世界の終わり」だ。
大好きな彼女が連絡取れなくなったと思ったら、他の男と寝ていたとか、まったく恐ろしい。
それなら1番安全なのは「恋をしないこと」だろう。
「最近の若者は恋愛をしない」なんて言われているけど、本当は恋人に愛されたいに決まっている。
ただ、安全で完璧な相手が現れて「私じゃダメ?」とか言ってキスしてきてくれないだけだ。
そんな事起こるわけない?
起こります。漫画の中では。アニメの中でも起こります。
そんなこんなで男たちは「完璧な美少女の告白」を待っているし、女たちは「完璧な男からのプロポーズ」を待っている。
日本の漫画やアニメ(のほとんど)は「起こるわけないこと」を描いて、寂しい心を癒やすようにできているのです。
それはそれで「文化」で「役割」もあると思うけど、それで自分の「本当の気持ち」を誤魔化し続けるのはもったいないと思う。
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