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「It cannot be helped」なニッポンにお届け無料生放送「あとは自分で考えなさい。」連動ブロマガ「だから、言わんこっちゃない!」9月16日号!
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「It cannot be helped」なニッポンにお届け無料生放送「あとは自分で考えなさい。」連動ブロマガ「だから、言わんこっちゃない!」9月16日号!

2015-09-16 13:07

    It cannot be helped」なニッポンにお届け無料生放送「あとは自分で考えなさい。」連動ブロマガ「だから、言わんこっちゃない!」916日号!


     

    視聴予約は http://live.nicovideo.jp/watch/lv234567828


     

    tanaka@nippon-dream.com


    http://www.nippon-dream.com/


    https://your-hope.jp/


     

    http://www.facebook.com/yassy.tanaka.1


    https://twitter.com/loveyassy/with_replies


    https://goo.gl/nKNXsI


     

    いよいよ明後日18日(金)夜、堀潤さん水野誠一さんと共に「これまでの延長線上に未来はない」「脱『空威張りニッポン』宣言」@横浜市開港記念会館


    http://www.nippon-dream.com/?p=14913
    https://www.your-hope.jp/yokohama0918/


    お問い合わせは 03-5212-0333 YT研究所


     

    明後日18日(金)「モーニングCROSS」では鋼矢板工法を拒み続ける国土交通省水管理・国土保全局(旧河川局)を喝破します!


    http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/025f7fc97574c20a7d7034291f031e254-3.pdf


     

    一級河川・鬼怒川の河川管理者は国土交通省水管理・国土保全局(旧河川局)。


    当該箇所を自然堤防=河川の上流から運搬されてきた砂などが河道の岸に沿って堆積して形成された微高地の状態にしていたのも国土交通省水管理・国土保全局。


    ソーラーパネルで「浸食破堤」や「浸透破堤」でなく「越水破堤」だから河川管理者に責任なし、と脱兎の如く責任回避作戦に出たのも国土交通省水管理・国土保全局(旧河川局)


    「鋼矢板工法」PDFの左下で詳述


    http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/025f7fc97574c20a7d7034291f031e254-3.pdf


    http://linkis.com/blog40.fc2.com/Z0BYm


    http://canadadenihongo.blogspot.ca/2015/09/blog-post_13.html


    https://www.facebook.com/yassy.tanaka.1/posts/10153630776864586


    https://www.facebook.com/yassy.tanaka.1/posts/10153628254294586


     

    堤防決壊「越水破堤」の可能性 専門家が現地調査


    http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000058684.html


     

    「『脱ダム』宣言」&役立たずな砂防ダム


    http://www.nippon-dream.com/?p=10607


    ヤッシー治水関係アーカイヴ


    http://www.nippon-dream.com/?cat=22


    http://www.nippon-dream.com/?p=6773


     

     

    鬼怒川の越水箇所は以前から危険が指摘されていた ソーラーパネル設置のため自然堤防削る


    荒川が決壊すれば...死者1000人、孤立者70万人!「東京壊滅」の悪夢はいつ起きてもおかしくない


    http://j-town.net/tokyo/column/gotochicolumn/211868.html


    http://www1.gsi.go.jp/geowww/Photo_reading/kyuukadou.html


    ソーラーパネル設置のため削られた自然堤防「一番危険な場所」も土のうだけ

    http://www.hochi.co.jp/topics/20150910-OHT1T50258.html


    人工的な堤防がなく洪水の危険性が市議会などで指摘されていた


    鬼怒川は1級河川で国が管理している。若宮戸地区は民有地のため、堤防を造る場合、国と土地所有者の協力が必要になる。


    同省関東地方整備局河川事務所などによると、若宮戸地区では、通称「十一面山」と呼ばれる丘陵部が自然堤防の役割を果たしていた。しかし昨年3月下旬、民間事業者が太陽光発電事業を行うため、横150メートル、高さ2メートル部分を削ったという。


    鬼怒川氾濫の“犯人”にされた会社「うちが原因ではない」

    http://www.hochi.co.jp/topics/20150913-OHT1T50034.html


    アホあほ


    民有地も強制収容するでしょ、道路は


    法規制はどうした


    堤防決壊「越水破堤」の可能性 専門家が現地調査


    http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000058684.html


     決壊した茨城県常総市の鬼怒川の堤防には、国土交通省の調査チームが入りました。あふれた川の水が堤防周辺を削り取り、大規模な決壊に至った可能性があるということです。

     13日の午前、大学教授などの専門家で構成される国の調査委員会のメンバーが決壊した堤防周辺に入り、堤防の断面を測るなど現場の状況を調査しました。堤防が壊れた原因については、まず大雨の増水で川があふれ、その水が堤防周辺を削り取って破壊する「越水破堤」の可能性があるという見方を示しました。
     調査委員会・安田進教授:「今、見た限りではしっかりした地盤がある。だんだん越流して崩していったのかなと」
     調査委員会はさらに詳しく原因究明していく方針です。


    鬼怒川決壊「越水破堤」か 現地調査の専門家が見方示す


    http://www.asahi.com/articles/SDI201509131868.html


    鬼怒川の堤防決壊「越水破堤」か 調査委員会が見解


    http://www.nikkansports.com/general/news/1537922.html


    越水「人災だ」住民反対押し切りソーラーパネル設置


    http://www.nikkansports.com/general/news/1536943.html


    許可したのは国交省


    記録的な豪雨、改修予定の堤防襲う 鬼怒川決壊


    http://www.asahi.com/articles/ASH9B5JTLH9BUTIL034.html?ref=nmail


    鬼怒川の堤防140m決壊、修復に2週間


    http://www.yomiuri.co.jp/national/20150910-OYT1T50105.html?from=yrank_ycont


     

    https://www.facebook.com/mamosJAPAN/posts/914774728590198?pnref=story


    「鬼怒川水害」早く逃げなかった住民が悪い?国交省擁護の大学教授に違和感


    http://news.livedoor.com/article/detail/10578991/


    【鬼怒川堤防決壊】自衛隊の“プロ判断”を称賛


    http://news.livedoor.com/article/detail/10579174/


    常総市


    https://www.google.co.jp/maps/@36.0937723,139.9661232,4800m/data=!3m1!1e3


     

    決壊部の応急工事、1週間程度で 太田国交相


    http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015091101001444.html


    関東・東北豪雨:太陽光装置設置工事で堤防削られる 常総


    http://mainichi.jp/select/news/20150912k0000m040085000c.html?fm=mnm


    国の管理外?


    社会的共通資本だろ


    鬼怒川水害「太陽光事業者の掘削が要因では」 住民指摘


    http://www.asahi.com/articles/ASH9C5G6NH9CUTIL06H.html?iref=com_rnavi_arank_nr01


    決壊場所よりも上流


    この地区は、鬼怒川が決壊した三坂町地区の上流約5キロにあり、10日は決壊より前に越水被害を受けた。


     

    オバマ氏の広島訪問に期待感米下院院内総務


    http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150911-OYT1T50103.html?from=yrank_ycont


    米ボーイング、一部737型機の最終工程を中国に移転へ=報道


    http://jp.reuters.com/article/2015/09/13/boeing-idJPKCN0RD0XC20150913?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=JP%20Daily%20Newsletter%202015-09-14&utm_term=JP%20Daily%20Mail


    「新入社員を自衛隊派遣」 企業通じ戦地に若者


    13年 防衛省が同友会に提示 辰巳議員が追及


    http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-27/2015082715_01_1.html


    経団連、「武器輸出を国家戦略として推進すべき」提言を公表


    http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/10/arms-export_n_8119896.html

    以下の客観的数値を如何に認識し、戦略を立てるか!


    日本自衛隊    中国人民解放軍


      隊員    248千人    2285千人


      予備役   48千人     51万人


    4世代戦闘機 293機       731


    (在日米空軍・海軍約187機 計日米約480機)


      潜水艦   16艦        69


      戦車    767台       2788


      核弾道    0         250


      予算    58920億円   151200億円



    米軍幹部との会談資料、「同じ題名の文書は存在」=自衛隊統幕長

    http://jp.reuters.com/article/2015/09/10/self-defense-idJPKCN0RA0ZD20150910 

    池上彰が斬る!「朝日より読売、産経が問題」

    安保法制報道に見るメディアの暴走とは?

    http://toyokeizai.net/articles/-/82234


    ウクライナ問題、ロシアが外交攻勢 10月に4カ国協議 
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H8Q_Q5A910C1FF2000/


    人襲った犬に拳銃13発射殺 千葉県警「使用は適正」


    http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015091401001301.html

    苦情や意見で電話回線パンク 松戸署の大型犬射殺

    http://www.chibanippo.co.jp/news/national/278180

     HUG THE BROKENHEARTS

    https://www.facebook.com/yassy.tanaka.1/posts/1631078167173065

    武雄市図書館:不要本、市教委「安全対策で図書費削った」


    http://mainichi.jp/select/news/20150912k0000e040172000c.html?fm=mnm


    小牧市議会:TSUTAYAとの新図書館計画で住民投票


    http://mainichi.jp/select/news/20150911k0000m040030000c.html


     

    英労働党、強硬左派コービン氏を党首に 中道路線転換 


    http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H3R_S5A910C1FF8000/


    英労働党 強硬左派が党首に コービン氏「中道で再建」へ異議


    http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015091302000124.html


    「新国立」建築家ら不満 条件厳しく応募に壁


    http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015091302000135.html?ref=rank


     

    新国立「女王ザハ」の怒りを鎮める日建設計の騎士道精神


    http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/sj/15/150245/091100019/?P=1


     

    再生エネが2位に浮上、発電量でガスを抜く


    http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1509/14/news047.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook


    山崎製パン「ランチパック」「芳醇」、発がん性物質指定の添加物使用、厚労省が表示要請


    http://biz-journal.jp/2015/09/post_11512.html


    福島第1の汚染水、3つの対策ようやく本格化 


    http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14HEP_U5A910C1CR8000/


     

     

     

    小林陽太郎氏


    http://president.jp/articles/-/16192


     

    経団連、安易な文系見直し反対 即戦力だけ期待を否定


    http://www.asahi.com/articles/ASH9956F5H99UTFK018.html


    (争論)文系学部で何を教える 冨山和彦さん、日比嘉高さん


    http://www.asahi.com/articles/DA3S11631210.html


     

    消費税還付手続き、わずらわしそう 財務省案が判明


    http://www.asahi.com/articles/ASH994SR3H99ULFA01X.html


    増税還付、端末の提供検討 小型店向け、費用は数百億円


    http://www.asahi.com/articles/ASH994SR2H99ULFA01W.html


     

    橋下徹氏、引退後の国政進出を示唆? 「私人の出馬なら公約ではない」


    http://www.j-cast.com/2015/09/09244736.html


    「私人のときの出馬するかしないかや、政治家が引退した後の人生について、こんなこといちいち国民に約束する話ではないし公約でもない」


    https://twitter.com/search?q=http:/www.j-cast.com/2015/09/09244736.html


    維新に問われる「都構想」「橋下氏」2大看板からの自立


    http://www.sankei.com/west/news/150909/wst1509090110-n1.html


     

    橋下「大阪都鉄道構想」は、なぜ頓挫したのか


    幻となった「なにわ筋線」と「関空リニア」


    http://toyokeizai.net/articles/-/83145


     

    腐り切った東京五輪組織委という病巣 エンブレム撤回でも責任全否定、佐野氏擁護の闇


    http://biz-journal.jp/2015/09/post_11448.html


     

    東京五輪:「エンブレム修正知らなかった」浅葉審査委員


    http://sp.mainichi.jp/sports/news/20150909k0000m050155000c.html


    2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題で、審査委員を務めたアートディレクターの浅葉克己・日本グラフィックデザイナー協会会長(75)が8日、毎日新聞の取材に応じ、白紙撤回された佐野研二郎氏(43)の原案が2度修正された過程を「知らなかった」と証言した。事前に説明がないまま、大会組織委員会から最終案を提示されたとし、「修正はだめだ」と異議を唱えたものの、発表まで日時が迫っていたため了承したという。


     浅葉氏によると、今夏のエンブレム発表直前に組織委から最終案の説明を受けた際、「(東京を意味する原案の)Tが(最終案は)Lになっており、おかしい」と疑問視したが、受け入れられなかったという。


     浅葉氏は文字をデザインする「タイポグラフィー」の第一人者で、有名企業の広告を多数手がける。


     エンブレム修正に関しては、審査委員代表の永井一正氏(86)も途中経過を知らなかったことを既に明らかにしている。


     組織委は、毎日新聞の取材に対し「修正作業の説明が不十分だった」などと釈明した。


     

    生誕100年:デザインの可能性語った亀倉記念シンポ


    http://mainichi.jp/select/news/20150909k0000m040018000c.html

     

    ワタミ、介護事業を売却へ経営再建へ基盤強化


    http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150910-OYT1T50017.html


    難民分担、制度化を EU提案 東欧反発、協議難航も


    http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/international/international/1-0177913.html


    焦点:難民は「未来の熟練工」、ドイツ高齢化の救世主か


    http://jp.reuters.com/article/2015/09/11/analysis-migrants-germany-skilled-worker-idJPKCN0RB0I820150911?sp=true


     

    内需主導で経済成長を=正社員拡大、女性活躍を議論―諮問会議


    http://jp.wsj.com/articles/JJ10443890238020024663819352396522859564697


     

    東京が世界一のグルメ都市に、米誌ランキング


    http://www.cnn.co.jp/travel/35070047.html?google_editors_picks=true


     

     

    汚水処理施設の普及率89% 未利用は1300万人


     国土交通、農林水産、環境の3省は10日、下水道や浄化槽などの汚水処理施設を利用している人が、2014年度末で1億1275万人になったと発表した。人口に対する普及率は13年度から0・6ポイント増の89・5%。


     調査を始めた1996年度の61・8%から27・7ポイント上昇したが、財政の厳しい小規模自治体を中心に、約1300万人が汚水処理施設を利用できない状態となっている。


     都道府県別で普及率が最も高かったのは東京の99・7%で、兵庫98・6%、滋賀98・3%が続いた。最低は徳島の55・7%で、次いで和歌山59・0%、大分72・3%。東京電力福島第1原発事故の影響で調査できない地域がある福島は集計から外した。


     市町村の規模別にみると、100万人以上の市は99・5%で、5万人未満は76・7%だった。


    9/10 17:42


     

    デルタ航空のボーイング 747-400初号機が退役、2016年からデルタ航空博物館で展示

    http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20150910_720580.html


    高速道路標識、「不思議な文字」の悲しい運命


    「公団ゴシック」は廃止されて標準の書体に


    http://toyokeizai.net/articles/-/83923


    スズキがVWと手を切った代償 巨額のエコカー開発費がのしかかる


    http://www.j-cast.com/2015/09/11244872.html?p=all


    松本人志、安保法制反対デモを疑問視 「戦争は中国から近付いて来ている。国会に向かって言っても意味がない」


    http://www.j-cast.com/2015/09/09244803.html?p=all


     

    「異常なほどに焼き肉店が多い街」の真実


    その文化をつくったのは山だった


    http://toyokeizai.net/articles/-/83980


    モンサント、頑なだった態度をなぜ一変?


    遺伝子組み換えの最先端、根強い不安に対応


    http://toyokeizai.net/articles/-/83586?cx_click_topnews=article_header


     

    図で見る「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」


    http://www.cnn.co.jp/special/interactive/35060149.html


    図で見る「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)勢力範囲


    http://www.cnn.co.jp/special/interactive/35065020.html


    アルカイダ指導者、ISISトップをこき下ろす 「偽者のカリフ」


    http://www.cnn.co.jp/world/35070451.html


    ザワヒリ バグダディ


     

    FNルペン党首、ドイツは「奴隷が欲しいだけ」


    http://www.newsdigest.fr/newsfr/actualites/france-news/7327-2015-9-7.html


     

    強硬左派候補 本命に急浮上


    http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015082802000137.html


    英労働党 強硬左派が党首に コービン氏「中道で再建」へ異議


    http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015091302000124.html


    労働党党首選「英国の再国有化」唱えるコービン氏が圧勝 こうして左派は自滅する 


    http://blogos.com/article/133610/


    英労働党、強硬左派コービン氏を党首に 中道路線転換 


    http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H3R_S5A910C1FF8000/


    Your Choice Share The Future


    YOUR CHOICE. SHARE THE FUTURE.


    [FT]英労働党強硬派が避けるべき愚策 


    http://www.nikkei.com/article/DGXMZO91024090X20C15A8000000/


    欧州難民 海峡トンネルの先 夢見て 劣悪な衛生環境 課題に


    http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015091302000121.html?ref=rank


     

    オバマ氏、NY訪問で中国企業買収の高級ホテル使わず


    http://www.cnn.co.jp/usa/35070452.html?google_editors_picks=true


    ロシア就航便の廃止相次ぐ、景気悪化や政情不安で乗客減少


    http://www.cnn.co.jp/business/35070466.html


     

    いま必要なのは「主体的避難」


    気象災害を生き抜くために「災害過保護」から脱却せよ


     

    http://ironna.jp/article/1978


    http://ironna.jp/theme/359


     

    さらばソフトバンク 「ペッパーの父」退社の真相 


    2015/9/8 6:30


     孫正義社長に辞めさせられたのではないか――。1人のソフトバンクの技術者の去就を巡り、インターネット上で波紋が広がった。ヒト型ロボット「ペッパー」の開発者として知られる林要氏(41)のことだ。同氏は9月7日付でソフトバンクを退社した。どうして孫社長、そしてペッパーとの別れを選んだのか。


    ■日本を離れて




    ソフトバンクのヒト型ロボット「ペッパー」(2014年6月、千葉県浦安市)


     8月末の米国シリコンバレー。林氏は知人のロボット技術者に会うため、世界中の英知が集まる名門スタンフォード大学のキャンパスを訪ねていた。次のビジネスのヒントを求め、ロボティクス(ロボット工学)に強い大学を巡っているという。


     林氏がソフトバンクを退社すると公表したのは、8月20日だった。直前に放映されたテレビ番組で、ソフトバンクグループの孫社長がペッパーの開発陣を叱責している映像が流れたことから、ネットでは「林氏は孫社長に退職に追い込まれた」という話がどんどん拡散していった。


     ところが、当人に直撃すると、話は少し違っていた。


     「ちまたで言われているようなことはない。ペッパー開発に一区切りついたからです。孫社長と対立したわけではないし、ソフトバンクを批判するつもりもない」


     つまり、ケンカ別れではない、ということだ。


     林氏はソフトバンクでペッパーの開発リーダーをつとめる前は、トヨタ自動車の技術者だった。孫社長が開いている後継者育成機関「ソフトバンクアカデミア」への参加をきっかけに、ソフトバンクに急接近した。


    ■時間軸にズレ


     それは、ちょうど孫社長がロボット事業への参入を考えていたころ。当然のことのように、孫社長は林氏をスカウト。2012年、林氏はソフトバンク入りし、ロボット開発の責任者となった。




    ソフトバンクで「ペッパー」の開発リーダーだった林氏(8月、米国シリコンバレー)


     林氏を含めて開発チームの努力の結晶が、6月に一般発売されたペッパーだ。毎月1000台が3カ月連続で完売。高額商品であることを考えると、いい出足だ。


     ソフトバンクという成長企業で、戦略事業の行方を握るキーマン。そんな大事を任されることに重圧はあっても、やりがいも大きいはずだ。なぜ、ソフトバンクを辞めたのか。まだ納得しがたい。


     林氏は、その理由を探るヒントを「会社が決めた方向性と自分が開発したい方向性がかならずしも一致するわけではなかった」と語る。それは孫社長らとの対立を意味していないが、どうも、林氏は何かしらのズレを感じていたらしい。


     ソフトバンクでは、周囲が想像するとおり、製品開発の方向性を決めるのは孫社長だ。ロボットに関しては、「鉄腕アトム」をつくる、という壮大な夢を持ち、米グーグルが買収した東京大学発のベンチャー、シャフトなどの複数の有力ベンチャーの買収を検討したこともある。


     しかし、孫社長は技術者ではないため、具体的な開発スケジュールなどを詰めるのは現場だ。つまり、林氏らエンジニアたちだ。


    ■ペッパーが「皮肉屋」の理由




    「ペッパー」の一般販売を発表し、記念写真に納まる(右から)鴻海精密工業の郭台銘CEO、ソフトバンクの孫正義社長、アリババの馬雲会長(6月、千葉県浦安市)


     独特の嗅覚を持つカリスマ経営者と、先端技術をリードするエンジニア。路線対立というより、技術革新のスピードを見つめる2人の間で、時間軸にズレが生じていたのではないだろうか。つまり、孫社長が考える時間軸、林氏の考える時間軸が異なっていたということだ。


     例えば、林氏は、「ロボットの自律能力(状況に応じ自分で判断し動く能力)」に関して、こう語る。


     「期待と現実に、大きなギャップがあったと思う。専門的な技術者であれば共通の認識があると思うが、最新の人工知能(AI)でも、できることはまだまだ限られている。僕自身はソフトバンク在職中、その中で何ができるかを考え抜いてきた」


     そんな林氏の苦労こそが、ペッパーに「人とコミュニケーションするロボット」としての命を吹き込んだのだ。


     ペッパーはもともと、ソフトバンクが2012年に買収した仏アルデバラン・ロボティクスが開発した製品が原型。AI技術の進歩は猛スピードで進んでいるとはいえ、いまだ人間にはほど遠い。


     そこでひねり出した知恵がAIを補完するアイデアだった。ペッパーの場合、「皮肉屋」という設定にして冗舌にしゃべらせてコミュニケーションを特定の方向に誘導することが一つのパターン。認識するシチュエーションを限定していくことで、AIの認識能力に限界があることをカバーした。


     ロボット技術を巡る期待と現実。林氏がソフトバンク時代にぶつかった大きなズレである。


    ■「AIバブル」の果てに


     林氏だけではない。AIの技術開発でも先行するシリコンバレーでも、林氏と同じズレを抱える技術者たちが増えている。AI時代の到来を巡って、行き過ぎた熱狂が起きてしまっているからだ。


     今回のAIブームのはじまりは10年ほど前。米国で、脳の構造を模倣した「ディープ・ラーニング(深層学習)」が編み出されたことがきっかけだった。画像や音声の認識精度が飛躍的に向上してきている。


     その結果、米フェイスブックや米グーグルなどが相次ぎ、AI関連のベンチャー企業の買収に走った。関連企業には資金が簡単に集まる状況だ。実用化への期待が膨らみ、「AIバブル」の様相を呈するようになっていく。


     しかし、期待に現実は届かない。AI研究の第一人者で、中国検索大手百度(バイドゥ)の人工知能研究所トップ、アンドリュー・ング氏は「現状のAIは人間を脅かすにはほど遠い。AIを単純化し、過度に危険性をあおるのは真剣な研究者の邪魔になる」と顔をしかめる。


     「AIはたとえるなら、生まれたての赤子の認識能力も持っていない」


     米アップルの音声認識・自動応答サービス「シリ」開発に携わり、SRIベンチャーズの前トップでもあるノーマン・ウィナルスキー氏は指摘する。


    ■「究極の例」は仏像


     林氏も、AIの進化のスピードについて同じスタンスを持っているのだろう。だからこそ、すぐにでもAI時代が到来することを夢見る孫社長といったん、たもとを分かつことを決意したのではないか。




    林要(はやし・かなめ) 1998年都立科学技術大学(現首都大学東京)大学院修了、トヨタ自動車入社。2012年ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)入社。15年9月、退社。41歳。


     林氏は、「なんらかの形でロボットには関わりたい」とするが、次の進路を決めて、ソフトバンクを辞めたわけではない。現代のロボット開発では、ソフトウエアやネットワークを含めると、数十億円単位の開発投資が必要になる。大企業の後ろ盾なしには、かなり険しい道だ。


     林氏自身、冗舌なペッパーとは逆に「もっとしゃべることを促すロボットがあっていい」と考えている。ペッパー開発中の調査では、1日の終わりに頭を整理するため、その日の出来事をしゃべりたいという女性が多かった。そこに潜在的な需要があるとみているのだ。


     「(ロボットという)形があることは重要だ。我々の体には無意識に働きかける多くのセンサーがあり、感じ方に大きな影響を与える。触覚や音などを駆使し魅力を高めることがコミュニケーションには有効だ」


     林氏は、ロボットという存在がAIの限界を補うのに有効だと考えている。究極のモデルとして挙げるのが仏像だ。実体を持ち、手でさわれる。決してしゃべらないが、人に「対話」を促す性格を秘めているように見えるからだ。


     AIとロボットの融合技術が社会にもたらす巨大な可能性に疑いはない。だが、いつも期待が先行する分、現場の技術者たちの苦しみも大きい。AI開発の歴史は幻滅の連続だ。世界中のAI技術者が今ももがいている。林氏の離職も、その中の一つの出来事のように見える。


    (シリコンバレー=兼松雄一郎)


    五輪エンブレム問題が暴いたデザイン界の未成熟 


    2015/9/11 6:30


     精神的に追い詰められたアートディレクター佐野研二郎氏が東京五輪の公式エンブレムを取り下げ、デザイン界は戦々恐々としている。「数千人規模でインターネットの画像検索サービスを使って、類似した作品を見つけ出し『盗用』と糾弾される時代になった」(電通の30代クリエーター)。オリジナルとは何か――。デザイン界は根源的な問いを突きつけられている。


    ■ポカリはコーラの「パクリ」?




    ポカリスエット(右)のパッケージデザインはコカ・コーラ(左)に似ているだろうか


     電通のクリエーターは、「記憶に残っている他人の作品を咀嚼し、新たなデザインとして世に出すことはある。色や形の一つひとつを自分なりに意味づけできていれば、パクリとは言えない」と解釈する。


     具体例として挙げるのが、ポカリスエット(大塚製薬)とコカ・コーラ(日本コカ・コーラ)のパッケージデザインの類似性だ。ポカリスエットの青い背景と白く描いた波打つ模様は、確かに赤を基調としたコカ・コーラのデザインに似ている。それでも「ポカリスエットのデザインは、コカ・コーラとは意味づけが全く違うのでオリジナルだ」という。


     だがネットの衆人環視の下で、オリジナルとコピーの線引きを曖昧にするデザイン界の「常識」は通用しなくなるのかもしれない。


     佐野氏は、五輪エンブレムでの盗用を全面否定する一方、サントリービールのためにデザインしたトートバッグの一部では認めた。スタッフが他人の作品から勝手に図柄を借用していたことが分かり、「BEACH」と書かれた矢印や、フランスパンを配置したバッグの発送を中止する騒ぎに発展した。


     ここまであからさまな盗用でなくても、どの作品でも創作の過程で、先人の作品の影響を多かれ少なかれ受けている。


     映画、絵画、音楽、文芸作品などの分野では、意図して他者の作品のエッセンスを埋め込むことは、「オマージュ」「サンプリング」「パロディー」などと呼ばれ、市民権を得ている。鑑賞者には「元ネタ」を探す楽しみがあり、編集の妙を称賛する文化がある。


     しかしデザイン界においては、糾弾の“祭り”となる。デザインとそれ以外のアートシーンを分けるものは何なのか。


    ■「参照元」を明記する文化


     美術評論家で多摩美術大学の椹木(さわらぎ)野衣教授は、作品を作り上げる過程で影響を受けた「参照元」を、作家自身が明らかにする風潮があるか否かの違いだ、と見ている。




    デザイン界の変革を訴える美術評論家の椹木野衣氏


     「音楽シーンでは1990年代にサンプラーの登場によって、他人の楽曲の一部をサンプリングして、自分の作品に埋め込む制作手法が一般的になった。参照元の楽曲はCDなどにちゃんと明記し、世に送り出している」(椹木氏)。たしかに、聴き手も、サンプリングの手さばきの巧みさでアーティストを評価する。絵画の世界も同様だ。椹木氏は、「過去の巨匠たちの作品をどう踏まえて作品を創造したかを、作家自身が自己分析し、語っている。鑑賞する側は、作品から作家の意図を読み解き、知的に楽しんでいる」と指摘する。


     しかしデザイン界では、参考元を明らかにする風習がない。


     「デザイン界では過度に作品にオリジナリティーを求めてきたから、参照元が明白な作品は、コンペでもなかなか評価されない。作家も参照元を明らかにしようとしてこなかった。なので、あら探しをされて『パクリだ』と言われてしまう」(椹木氏)


    ■一夜にして天国から地獄へ


     「夢かと思った」


     東京五輪の公式エンブレムが大々的に発表されたのは7月下旬のことだ。佐野氏は、自身が手がけた作品が104件の候補の中から選ばれた時の気持ちを、記者会見でにこやかに話していた。後世に名を残す大仕事を射止め、そのキャリアは前途洋々に見えた。


     それからわずか1カ月あまりで、「もうこれ以上は、人間として耐えられない限界状況だと思うに至りました」という悲壮なコメントを出すとは、想像だにしていなかったに違いない。


     デザイン界にも、作家が参照元に敬意を払い、鑑賞者も参照元を想像して楽しむという文化があれば、佐野氏はネットの「住人」によって天国から地獄に突き落とされることもなかっただろう。デザイン界の「オリジナル信奉」が佐野氏を追い詰めたともいえる。佐野氏の悲劇は、デザイン界全体の悲劇でもある。


    (吉野次郎)


    ■画像や映像も照合可能に
     今回の五輪エンブレム騒動は、多数のネットユーザーが個人のブログなどを探索して類似や模倣を見つけた。だが、いずれこうした探索は自動でできるようになりそうだ。「模倣者」にはますます肩身の狭い時代が来る。
     日立
    ソリューションズは、日立製作所の中央研究所が開発した画像認識・検索技術「エンラエンラ」を活用して製造業などに画像の検索システムを提供している。エンラエンラは、1億件を超える大量の画像の中から瞬時に似ている画像を検索できるのが特徴。画像の色や形状を細分化して数値データに置き換えることで、似ている順序を明確に示す。
     あるメーカーは、金型部品の図面検索に活用中だ。取引先から「こんな金型部品がほしい」とFAXで図面の注文を受けた際、似たものを探し出すことで過去の図面を有効活用している。類似の設計を再利用するニーズは多く、日本ユニシスや富士通は設計の3次元(3D)形状が類似するものを探し出す技術を開発している。
     NECの画像認識技術「ガジル」は、アプリなどに応用することで、店頭でスマホで撮った写真と同じ商品を電子商取引(EC)サイトで探すことができる。
     照合できるのは静止画だけではない。NTTは、映画やテレビ番組の制作会社向けに、編集済みの映像に使われた元の映像を見つけ出す技術を開発した。
     一般に映像の制作では、元の映像の色を調整したり、文字を重ねたりしていく。ただし、どの映像にどの元映像を利用したのかを記録していない場合も多く、映像の再編集の際には人が目視で元映像を探さなければいけない状況にある。元映像を何度も撮り直しているケースもあり、探す手間は膨大だ。
     米映画スタジオに映像管理サービスを提供する米ピックスシステムと実証実験を進め、どのコマが使われているのかを90%以上の精度で検出できることを確認した。NTTは映像制作の現場の負荷を大幅に軽減できると見込んでいる。
     国内のIT(情報技術)関連企業が得意なのは、動画や図面など個別の対象について最も適合するものを高い精度で探す技術だ。一方、米グーグルなどは巨大なサービス基盤を背景に、大量の画像データから類似のものを探し出すのが得意だ。こうした技術が融合すれば、検索・照合はネット上でより高度に進化する可能性がある。
    (竹居智久)

    品質支える職人気質 伊の鉄道車両工場、日立が買収 


    http://www.nikkei.com/article/DGXKZO91602980Q5A910C1X11000/?dg=1


    http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXKZO91602980Q5A910C1X11000&uah=DF141220120044


    品質支える職人気質 伊の鉄道車両工場、日立が買収 


    2015/9/11


    日本経済新聞 電子版

     イタリア中部のピストイア。14世紀のルネサンスの中心だったフィレンツェ近郊のこの町には、10月に日立製作所の傘下に入る鉄道車両メーカー、アンサルドブレダの中核工場がある。工場の合言葉は「進化・プライド・成功」を意味する「EOS」で、職人気質の高さを示す。日立を迎える現場をルポした。



    職人気質が「ETR1000」を生んだ


     フィレンツェから車で北西部に約30分。花畑などに囲まれた場所に東京ドーム2つ分の広さを持つピストイア工場が現れる。正門をくぐると目に入るのは、アンサルドブレダの前身のエルネスト・ブレダが1911年に製造した蒸気機関車だ。


    ■「究極の美しさ」


     「とにかく美しさを追求しろ」。アンサルドブレダのカルロ・クレモナ上級副社長は鼓舞する。外見の美しさだけではない。クレモナ上級副社長は「究極の美しさは生産拠点や製品の機能や効率も引き上げる」と語る。


     工場のレイアウトは「究極の美しさ」とジュゼッペ・マリーノ最高執行責任者(COO)は強調する。工場の東側から部品を受け入れると、溶接や塗装、車両組み立て、検査を経て西側の引き込み線から出荷する流れで無駄がない。


     ピストイア工場を見た日立幹部は「笠戸事業所とは対照的だ」と感想を漏らす。日立の鉄道車両の主力生産拠点である笠戸事業所(山口県下松市)は構内の真ん中にグループ会社の製造設備などがあり、効率的な構内物流が難しくなっている。


     製造現場は整理整頓されて無駄が少ない。多くの作業で導入された自動化装置が整然と並び、工場の隅々まで手入れが行き届く。マリーノCOOは「理想的なレイアウトをベースとした高い生産効率がピストイア工場の強さの秘密だ」と説く。


     整然としたレイアウトと両輪になるのが、従業員のスキルの高さだ。ルネサンスの中心地だった地域ならではの職人気質の高さに加え、従業員の離職率が極めて低く、技術の蓄積が進む。


     クレモナ上級副社長は「労働時間の約3%を研修に充てている。ベテラン技術者らが現場や専用の研修施設で若手を指導する仕組みを採用している」と強調する。






    ピストイア工場の内部は整然としている


     「ピストイア工場の生産性は世界一流となった」。アンサルドブレダのマウリッツィオ・マンフェロット最高経営責任者(CEO)は力を込める。だが、そこに至るまでの道のりは険しかった。


     約80年前に世界最高速の機関車を生み出した実績があるアンサルドブレダだが、近年は独シーメンス、カナダ・ボンバルディア、仏アルストムの世界3強の台頭で収益は低迷していた。


     立て直しに取り組んだのがマンフェロットCEOだ。アンサルドブレダと同じグループで鉄道信号を手掛ける高収益企業のアンサルドSTS出身だ。2011年に着任すると経営改革プランを作った。そのプランを実行したのが伊自動車大手フィアットから転じたマリーノCOOと、製造現場からたたき上げで頭角を現したクレモナ上級副社長のコンビだ。


     掲げたスローガンは「EOS」。進化、プライド、成功を合言葉にまず従業員の意識改革に取り組み、研修時間を2割増やした。生産工程も見直し、部品管理にトヨタ自動車流の「カンバン方式」を採り入れた。部品を入れているケースの重量が一定水準より軽くなると、部品会社に自動発注する仕組みを導入した。


    ■生産性35%改善


     マリーノCOOは「生産性は11年比で35%以上改善した」と実績を誇る。赤字体質は一掃され、世界各地から受注した地下鉄や2階建て車両などが工場に並ぶ。ひときわ目立つのが赤を基調したデザインの「ETR1000」。最高時速300キロで走る高速車両だ。


     クレモナ上級副社長は「ETR1000こそがEOSの結晶だ」と誇らしげに語る。09年から開発して13年に初出荷した。100人以上で構成するテストチームが徹夜で1000項目以上の検査をした。15年6月の商業運転開始時にはマッタレッラ大統領も乗車した。


     日立は10月1日付でアンサルドブレダを完全子会社にする。日立の笠戸事業所の生産能力は限界に達しており、11月に操業を始める英ニュートン・エイクリフ工場も生産余力は少ない。日立が受注した車両をピストイア工場で生産する方向で話し合いを進めている。


     EOSはギリシャ神話に登場する「夜明けの女神」も意味する。日立も社名に「日出ずる国」という由来を持つ。アンサルドブレダのアレッシオ・デ・シオ上級副社長は「理念は同じ。日立と新しい時代を切り開く」と意気込む。


    (多部田俊輔)



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    国民に伏せられた暗闘2人の談笑  編集委員 中沢克二 


    2015/9/9 3:30




    中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞


     軍事パレードがあった3日の未明、いつもはPM2.5に遮られる北京の空にオリオン座が瞬いていた。工場の全面操業停止の効果だった。


    ■周永康を除く15長老が勢ぞろい


     現地時間、午前10時、強い日差しを受けた天安門の楼閣上には共産党、国家、軍のトップである習近平と、先々代、先代の国家主席、江沢民(89)と胡錦濤(72)を含む存命の最高指導部経験者15人が顔をそろえた。


     注目すべきは、1年ぶりとなった江沢民の公式の場への登場とともに、ただ一人、欠けていた最高指導部経験者だ。習近平が牢(ろう)に送った周永康である。彼は江沢民グループの重鎮だった。周永康の欠席までの経緯は、習近平がトップに就いてから1000日強にわたる「反腐敗」と言う名の権力闘争そのものだ。


     習近平は、江沢民ら長老による「院政」を封じ込めるため必死に戦ってきた。これはあくまで党内部の暗闘だ。表舞台では、習近平と江沢民がパレードを見ながら、にこやかに会話を交わす。


     1年前、国慶節(建国記念日)を控えた9月末の音楽会でも、健康不安説があった江沢民が久々に現れ、習近平の隣に座っていた。2014年7月末の周永康の摘発発表から間もない時期だった。直後の8月、河北省の保養地に最高指導部と長老らが集まった「北戴河会議」で、周永康の摘発公表は渋々、了承された。だが、習近平と江沢民の暗闘は続いた。


     軍事パレードは習近平の独り舞台――。その演出は手が込んでいた。


     「老江(江沢民)が現れたのは見たけど、習大大(習近平)の隣にいたなんて知らなかった」


     北京の庶民の感想だ。国営中央テレビの生中継にくぎ付けとなった多くの国民は、江沢民の出席は映像で確認したが、習近平の左隣にいることが分からない。「ツーショット」がないのである。


     「習・江の確執にも配慮した上での報道上の操作だった」




    軍事パレードを前に談笑する習近平国家主席()と江沢民元国家主席。右は胡錦濤前国家主席(3日、北京)=写真 柏原敬樹


     関係者の声だ。そもそも江沢民は一般国民に人気がない。周囲の人物が汚職まみれなのは、江沢民自身の問題でもある、と見られている。「反腐敗」や「虎退治」で大衆の支持を得た習近平が、“悪役”の江沢民と談笑する映像は習人気を冷やしかねない。つまり一般国民向けには「ツーショット」は不要だった。


     一方、習・江の確執は、中国政治の不安定の象徴として世界の視線を集めている。海外からの目を考えれば、習・江の談笑は報道すべき事象だ。だからこそ、海外、華僑向けの通信社は2人が談笑し、隣に胡錦濤もいる写真を配信した。事実上、共産党宣伝部の管轄下にある中国系香港メディアもこれを使った。非常にわかりやすい。


     江沢民の健康状態はどうなのか。天安門上の席に着く前、階段を下る際は左脇から抱えられたものの、歩くのには支障がない。高齢でも健康に大きな問題があるようには見えなかった。左隣の胡錦濤に向けて親指を立てるポーズまでとったのが話題になった。




    天安門前の巨大スクリーンに映し出された江沢民()と胡錦濤。国営中央テレビは、江の向かって左に座る習近平と一緒に映った映像をあえて流さなかった(9月3日の軍事パレード)


     胡錦濤は終始、表情が硬かった。いや、表情がなかったと言ってもよい。そして、気になる映像がインターネット上に出回った。欄干の間から見える胡錦濤の左手先が絶え間なく小刻みに震えているのだ。意図的なズームアップ映像だ。


     「不仲だった隣の江沢民の振る舞いに我慢ならない怒りの表明」「側近の令計画を追い落とした習近平が気に入らないのでは……」。少し不真面目な解説も流れたが、健康になんらかの問題があると見るのが一般的だろう。「パーキンソン病を患っている」。そんな噂もある。


     胡錦濤は9000万人近い共産党の青年組織、共産主義青年団のボスだった。12年の習近平への権力委譲では、中央軍事委員会主席を含めて全て引退した。江沢民の院政に悩まされた経験から「口出ししない」スタイルを取った。


     しかし、17年の党大会での最高指導部人事は別だ。共青団のホープで広東省トップの胡春華(52)らを押し上げたい。だが、もし健康が優れないなら政治力も衰えるのがこの国の常だ。


     他の長老らの様子はどうか。中央規律検査委員会が「慶親王批判」の文章を発表したことで、次ぎに習が狙う標的と噂された曽慶紅(76)。無表情の胡錦濤の後方で元気に動き回り、健康をアピールした。一族が電力業界に多大な影響力を持つ元首相、李鵬(86)の姿もあった。この二人は、習近平と同様に党高級幹部を親に持つ「太子党」の重鎮である。


     国有企業改革の断行などで評価の高い元首相、朱鎔基(86)には、やや衰えが見えた。脇に控える秘書役は声も発せず天安門の欄干の手すりをたたく動作をした。「ここに両手を置きなさい」というサインだった。


     長時間、日差しの強い壇上に立つ老人が体力を消耗して倒れないよう、両手による支えを促したのだ。とはいえ、重鎮に対し、子供を諭すようなしぐさをするのは違和感があった。朱鎔基は一瞬戸惑いつつ指示に従った。


    ■後継者を決めるのは俺だ


     めったに姿を現さない最高齢98歳の元老、宋平は、習近平と同じ中山服姿だった。鄧小平から信頼された宋平は、胡錦濤や温家宝を見出し、最高指導部メンバーにまで押し上げた。




    天安門前をパレードする米国を射程に入れる大陸間弾道弾「東風5B」を載せた軍事車両(3日、北京)=写真 柏原敬樹


     07年、習近平がいきなり次期最高指導者候補の最右翼に躍り出る際も影の立役者だった。当時は、共青団を基盤とする李克強が有力と見られていた。だが、長老らの反対が多く、まとまらない。内情を知る党関係者はこう述懐する。


     「長老の意見取りまとめに向けて宋平は習近平を強く押した。キーマンの一人だった」


     ここでは習近平の父で元副首相の習仲勲と宋平の良好な関係も功を奏した。宋平が名伯楽だとすれば、2年後の最高指導部人事では、なお発言力を持つかもしれない。


     「後継者を決めるのは俺だ」。軍を掌握した習近平は、17年の最高指導部人事を見据え、こう思っているに違いない。だが、共産党の伝統では、今回、天安門上に並んだ15長老の力は無視できない。


     だからこそ毎年、「北戴河会議」が注目される。今夏、北戴河には15長老が皆、いたわけではない。だが、長老それぞれが習近平に対してなんらかの形で見解を提出している。テーマは今回の軍事パレードのあり方、経済運営、そして今後の重要人事だ。習近平と江沢民ら長老との綱引きはまだ終わらない。(北京にて、敬称略)


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    読者からのコメント

    小倉摯門さん、60歳代男性
    日本の外務省には歴史的にアメリカンに傾倒するアメリカンスクール要員が多く、交流は分厚く期間は永い。が、チャイナスクール要員はそもそも後発であり日中の人的パイプは細く蓄積が乏しい。ここに描かれた程度のことは判っているだろうが、日本にはどれほどの叡智が中国の複雑で重畳的な権力構造の奥の院の実態を広深永かつ的確に把握できているのだろうか?特に尖閣の国有化から安倍政権になり、ますます日中の人的パイプが細り情報量が減っている中では、群盲が夫々に巨大な龍の一部分をなでるだけ全体像を評しているのではないのか。安倍首相が中国包囲網などと20世紀的な発想で世界を飛び回り中国に対して喧嘩腰で挑発する構えを続けているのだから、危なっかしいことこの上ない。そもそも、安倍首相は道理も論理もなく私情に駆られて暴走しているのだから、尚更に危機感が募る。

    ときさん、50歳代男性
    大人しいクマのプーさんのような男だと思い、簡単に操れると思って、最高指導者の地位につけたが、意外に権力闘争に長けて、しまったと長老達は、内心思っているのでしょうね。習近平は、父親が左遷されて苦労した経験があるからこそ、強かな長老達とも互角にやりあえるのだと思います。問題は習近平の次の後継者だと思います。この世代は中国共産党の権力が確立した中国しか知らず、出世街道を挫折なしで登りつめた人間がなると予想されますが、こういった人物って、中国共産党の力を過信して暴走するんじゃないかと心配です。

    西口 正道さん、70歳代以上男性
    切所の様ですから、免罪符になるか否かは兎も角歴史研究を仮想して、中国共産党史検証作業の基盤として、複写可能な時系列的指導者氏名表をHP上に構築してください。 志と時間が有れば、粛清史を増築出来ます。 国民党他の作表も並行すれば、将来の分裂も含めて、予想の助けに成ります。 彭徳懐周、恩来等、切腹の作法があれば、あの晩節は無かったとの感慨がありますが、支那現住民は何時、何処から来て入れ替わったのでしょうか。古典は虚構か。

    中国との平和を祈念する国民さん、70歳代以上男性
    政府の嫌中国のベースの取材・報道でなく、中国国民からの目線と本日のような権力の動きを的確な記事を提供していただくようにしていただき、併せて、日本の国益を確保していく観点での報道を期待します

    50歳代男性
    中国にしても、日本にしても。政治の中枢で起きていることの実態は、見えにくいものではないでしょうか。中国の実態の全容が、極めて複雑で秘密主義的で、最初から見えにくいという感覚でとらえやすいとするならば。日本の実態の全容は、一見すると私たちに見えているようで。実は一部をさわっているだけで、全体を見ている気になっているかもしれません。また中国でも日本でもトップリーダーとなれば、私情がないトップリーダーはいないと思います。もちろん、私情や私的な権力闘争に流されたり、私欲の方が大きかったりすると。国という公的な組織のトップリーダーとしては、不適格であり国民にとっても良くないことであると言えるとも思います。その上で、中国と日本のトップリーダーのどちらが私情や私欲が強く、権力闘争を優先にして、国をリードしようとしているのか?と考えてみると。実態の全容の一部しかさわっていない個人的な目で見れば、中国のトップリーダーの方が私情や私欲で政治をしているように感じています。

    長谷川 浩道さん、60歳代男性
    最近の中国の経済状況をめぐって、世界中に不安が渦巻いている。それだけ、世界経済に占める中国の存在が大きくなっているということだろう。それをバックに、軍事面での海洋進出、経済面ではAIIB設立など、中国はその存在をさらに巨大に見せようとしている。米国と「対等な大国関係」を目指してもいる。我が国の中でも、そのような中国を評価して、もっと接近すべきだという意見と、「過大に評価されている」として、戦略的友好関係にとどめるべきだという意見がある。今回の「習政権ウオッチ」で、是非その中国の実像を明らかにしてほしいと願う。

    目立たない温厚な男と見られていた習近平は、中国トップに就くやいなや豹変(ひょうへん)した。「反腐敗」を名目に政敵を次々に放逐する”新皇帝”の野望とは何か。日本経済新聞出版社より「習近平の権力闘争」を出版しました。日経新聞電子版で連載中のコラム「習政権ウオッチ」と同様、ご愛読ください。

     

     

    「原発推進、責任感じる」 小泉元首相「即ゼロ」に思い


    関根慎一、冨名腰隆


    20159130501


     首相退任から丸9年。小泉純一郎元首相へのインタビューから感じられたのは、「原発ゼロ」社会実現への強い思いだった。「政治が決断すれば必ずできる」。予定時間を大きく超え、約90分間にわたって小泉氏は語り続けた。


     ――川内原発1号機が再稼働しました。政府は福島の原発事故を教訓に再稼働の審査基準を厳しくしましたが、それでも「原発ゼロ」ですか?


     「再稼働は間違っている。全国で1基も稼働しない『原発ゼロ』の状態は2年近く続いていたが、寒い冬も暑い夏も停電したことはなかった。日本は直ちに原発ゼロでやっていけることを証明してしまった。原発を止めると『電気料金が上がる』と言う人がいるけれど、多少料金が上がっても原発ゼロがいいと考える国民は多い。政府はできる限り原発ゼロに近づけていくべきなのに、維持しようとしている。それが自然エネルギーの拡大を阻害しているんだ」


     「しかも、政府は『世界一厳しい原子力規制委員会の安全基準に基づく審査をパスしたから安全だ』と言うが、(田中俊一)原子力規制委員長は『絶対安全とは申し上げない』と言っている。責任がどこにあるのかあいまいな点が多い。米国と比較しても、避難計画やテロ対策は不十分ではないのか。よく『世界一厳しい』なんて言えるなあ」


     ――小泉政権だって原発を推進していましたよね。


     「当時は推進で、なぜ首相を辞めたら原発ゼロなんだって、いまだに批判される。私も4年半前の福島原発事故が起きるまでは専門家の話を信じていた。でもね、自分なりに勉強して分かったんだよ。政府や電力会社、専門家が言う『原発は安全でコストが一番安く、クリーンなエネルギー』。これ、全部うそだ」


     「なぜうそか。例えば、新潟県中越沖地震東日本大震災など、マグニチュード7前後の地震は最近10年でも頻繁に起きている。それを考えただけで、原発は安全じゃない。対策を講じようとすれば、さらに莫大(ばくだい)な金がかかる。あの津波が来る前の福島原発も、『安全対策が不十分ではないか』と指摘されていたが、東電が採算が取れないとけちった結果、甚大な被害を引き起こした。いまだに家に戻れない福島の状況を見ても原発がCO2より危険なものを生み出しているのは明らかで、全然クリーンじゃない。原発は環境汚染産業なんです」


     「かつて原発を推進してきた1人としての責任は感じている。でも、うそだと分かってほっかむりしていていいのだろうか。論語にも『過ちては改むるに憚(はばか)ることなかれ』とあるじゃない。首相経験者として逃げるべきじゃない、やっていかなければと決意した」


    ■なぜ「即ゼロ」論に


     ――福島原発事故の直後は「原発依存度を下げるべきだ」という主張でしたが、今は「即、原発ゼロ」論者ですね。なぜですか。


     「2年前、フィンランドのオンカロにある高レベル放射性廃棄物最終処分場予定地を視察したんだ。硬い岩盤を400メートル掘って地下で管理しようとしているが、湿気が入ると将来腐食して外に放射能が漏れる可能性があるといい、まだ稼働していない。全国各地で温泉が湧く日本のどこに、そんな管理ができる場所があるのか。ああ、これは無理だなと確信した」


     「使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物を日本で管理する最終処分場は、まだ1カ所も決まっていない。もし『政府が決めるから承知してくれ』なんて思いがあるなら、かなり甘いんじゃないか。本当は情報を公開しなきゃいけないのに、今もコソコソやっているでしょう。本来、『原発ゼロにするから受け入れてくれ』と政治側から国民を説得するのが筋です。それもせずに再稼働だけ進めれば、ますます『核のゴミ』が増えるだけ。今すぐゼロにしても、廃炉中間貯蔵施設建設だってお金はかかる。コストが安いなんて、これはとんでもないうそを言ってるよ」


     ――米国は平和利用を前提に核兵器の材料にもなるプルトニウムの活用を認めています。これによって「潜在的な核抑止力になる」との主張もあります。


     「一部にはあるかもしれないけど、抑止力とか他国を牽制(けんせい)するような武器にはなり得ない。プルトニウムの保有は便益より損失が大きいと思う。そもそも核廃絶の時代なんだから、核兵器を持たなければならないというのが分からないね。米国だって核の問題を真剣に考えるようになってきている。もちろん廃炉プロセスは数十年かかるから、研究者の人材養成は引き続き大事だと思う」


     「米国は、日本が『原発ゼロで行く』と決めれば、必ず認めます。同盟国だからね。一部の推進論者は反対するかもしれないが、日本国首相と米国大統領が信頼関係のもとで話をすれば、米国は絶対に日本の意向を尊重する。それが民主主義国家同士の関係だ」


    ■原発ゼロ「首相が決断すればできる」


     ――安倍晋三首相は第2次政権発足時は「原発依存度を減らす」という姿勢でしたが、現在は原発維持・活用に傾いています。


     「原発ゼロは首相が決断すればできるんです。彼もわかっていると思う。でも、原発推進派の影響を受けちゃっている。原発は電力会社だけでなく鉄、セメント、建設……、あらゆる業界が多大な資金を投じて推し進めてきた。その業界からの支援があれば言いにくい雰囲気があるのは、私も政治家出身だから分かります。でもそれを乗り越えて決断するのが政治だ。自民党が公約とは違う方向に進んでいるのは残念だね」


     「3月に首相経験者の会合があった時、私は安倍首相に言いましたよ。『郵政民営化は全政党反対だったけど、原発ゼロは野党はみんな賛成だ。自民党だって首相が決めれば反対できない。こんないいチャンスはない。首相の決断一つでやれる、国民的大事業だ』と。彼は苦笑いして聞いてましたね。森(喜朗)さんや福田(康夫)さんもいて、周りが『まあまあ、今日はそういう会じゃないから』って止めてたけどね」


     ――世論調査で原発再稼働を問うと、今も反対が賛成を上回ります。ただ、それが選挙の投票行動につながらない状況もあります。


     「『原発ゼロはまだ先の話だ』とか『他に大事な問題もある』と感じた人が多かったのかもしれない。自分の生活が原発と関係する人も少なくないでしょう。でも政府がどれだけ安全性を強調しても、いまだに最終処分場は決まらない。国民は『今のままでは済まない時代がいずれ来る』とわかってますよ。原発ゼロが選挙の争点になる時は必ず来る。時代は変わります。その時、候補者自身がどう判断するかだろう」


     ――次男の小泉進次郎衆院議員と原発を話題にすることはありますか。


     「私の講演は、インターネットなんかで聞いているようだね。たまに食事する時などに話もするが、私からああしろこうしろとは言わない。息子も一人の政治家だ。自分で判断すればいいが、いずれにせよ原発の問題からは離れられない世代だ」


    国民運動は続けたい


     ――来年は参院選の年です。新たな政治勢力を結集するために国政復帰することは?。


     「もう引退したんだからまったくない、それはまったくないよ。でも、私は講演などを通じて国民運動はやっていきたい。原発をなくそうという動きは根強いよ。決して一過性じゃない。聴衆の雰囲気から、それがひしひしと伝わってくる。こういう運動は全員反対でもやるという決意と意欲がないとできない。焦ることなく、あきらめずに続けていく、価値のある運動だ」


     「憲政の神様である尾崎行雄は95歳の生涯を閉じる直前、こんな言葉を残した。『人生の本舞台は常に将来に在り』。それは国会近くの憲政記念館の石碑に今も刻まれています。私自身、引退してまさかこんなことになるとは思っていなかった。人生、何が起こるかわからない。私は、まだ73歳。いつ舞台に立ってもいいように、向上心を持って勉強しろ、頭を使え。そう尾崎さんに言われている気がします」


         ◇


    ■再稼働「勝負の時」と見たか


     「記者に原発問題について話して勝手に書かれたことはあるけど、こうやってインタビューを受けるのは、(首相を)辞めてから初めてだ」。小泉元首相は冒頭、こう切り出した。


     私たち2人は、かつて小泉首相番記者として政治記者生活のスタートを切った。そのころ、小泉氏は原発を推進していた。ところが、東日本大震災による福島第一原発事故の後、原発ゼロに転向した。その理由を聞きたくて、インタビューを何度も申し込んだが、すべて断られてきた。


     今回応じた理由を尋ねたが、それには直接答えず「まさか原発ゼロで出るとは思わなかった。不思議なもんだよ」と返した。


     ただ、インタビューに応じたのは決して思いつきではないはずだ。今回、小泉氏が私たちに「会おう」と指定してきたのは9日。それは原発再稼働を推進する安倍晋三首相の民党総裁再選が決まった翌日、川内原発1号機が営業運転を再開する前日だった。小泉氏にとって、このタイミングは「勝負の時」に映ったのかもしれない。


     原発推進だった首相時代からの路線転換については「都合が良すぎる」「勝手な理屈だ」などと批判がつきまとう。もちろん、小泉政権時代も電力会社は安全対策を怠ってきており、行政トップとしての小泉氏の責任は免れないだろう。小泉氏自身、全国各地の講演で「責任は感じている」と必ず反省を口にする。


     普段、永田町を取材している私たちから見れば、現職国会議員から「原発ゼロ」の機運は感じられない。そう伝えると、小泉氏は大きく首を振った。「国民が変われば、政治も変わる。自分一人でもやる」(関根慎一、冨名腰隆)


    http://digital.asahi.com/articles/ASH9D4J8PH9DUTFK003.html


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