四君子さん のコメント
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第217号 2017.3.21発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…3月16日、籠池泰典理事長は、森友学園の小学校建設費について、安倍首相からの寄付金があったと主張した。この発言を安倍政権は「首相に対する侮辱」として、籠池氏の証人喚問を決定した。証人喚問に先立って考えておくべき点とは?
※「ゴーマニズム宣言」…築地市場の豊洲移転について、2月の朝日新聞世論調査では、移転を「やめるべきだ」が43%、「目指すべきだ」が29%となっている。ところが言論人の世界では、石原慎太郎元都知事の3月3日の記者会見以降、次第に小池百合子都知事に対して「豊洲の問題を政局に使いすぎている」という批判が高まり、豊洲移転にさっさと決めろという意見が主流になりつつある。果たして、石原を擁護し「犠牲者扱い」するのは正しいのか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!「勉強ができればホワイトカラーを目指すべき」という教育のあり方は正しい?「電車内で漫画を読んではいけない」という考えに変わりはない?創価学会についてはどう見てる?天皇陛下のお気持ちは勝手に忖度すべきではない?「共謀罪」は大丈夫?日常と非日常の折り合いをどうつけている?男は何を武器として挑むべき?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第25回「トカゲ本体から目を反らすな! 籠池証人喚問が暴くもの」
2. ゴーマニズム宣言・第217回「石原慎太郎は腹を斬るべし」
3. しゃべらせてクリ!・第175回「田園調布学園に、疑惑はありましぇんね!?の巻〈前編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第25回「トカゲ本体から目を反らすな! 籠池証人喚問が暴くもの」 私はだまされているのだろうか? 籠池のおっちゃんを追い過ぎるあまり、だんだんあの顔に見慣れてきてしまい、問題発覚当初からの急速な面持ちの変わりように、籠池氏が受けている袋叩きの苛烈さと、その中での心境の変化が妙にリアルさを伴って感じられるようになってしまった。おまけに、報道陣に囲まれて自宅を出入りする姿を見ると、常に命の危険に晒されているようにも感じてハラハラする。
その上、安倍首相の提灯ジャーナリスト・田崎史郎氏がどんどん籠池ファミリーを叩くので、しまいに「いやいや、確かに図々しいし、厚かましいし、独善的やし、在日差別するイヤ~なおっちゃんおばちゃんやけど、そこまで頭の回転する極悪人とはちゃうと思うで?」と言いたくなる境地に至ってしまった。
確かにあのおっちゃんは、あかんおっちゃんや。あのおばちゃんも、あかんおばちゃんや。そしてあの息子は、だいぶやばい息子や。でも、あのファミリーだけを「悪の根源」と断じる方向に突き進んでしまうと、その悪を支えた「巨悪」「本当の悪の根源」から目をそらされてしまうのではないか?
◆「安倍首相から寄付金100万円」証言
3月16日、籠池泰典理事長は、森友学園の小学校建設費について、安倍首相からの寄付金があったと主張した。
「我々がこの学園を作り上げようとしたのは、 みなさんのご意思 があってこそだと思っています。そのご意思の中には、誠に恐縮ですが、 安倍内閣総理大臣の寄付金が入っている ことを伝達します」
籠池氏の『みなさんのご意思』という言葉からは、小学校建設に賛同して寄付金を入れた多くの自称保守界隈の人間の姿、そして、園児らによる教育勅語朗誦を見て感心感激し、熱心に講演を行ってきた人間……百田尚樹、曽野綾子、櫻井よしこ、竹田恒泰、渡部昇一、田母神俊雄らの顔が次々と浮かんでくるようだった。
塚本幼稚園教育講演会の記録。あのボスも、あの魔王も! 自称保守キャラクター、オールスターそろい踏み!
参照: http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/
そして、『安倍内閣総理大臣からの寄付金』――この言葉の衝撃力は凄まじかった。
籠池氏によると、2015年9月5日、塚本幼稚園にて行われた安倍昭恵夫人名誉校長就任講演の際、昭恵夫人から「どうぞこれをお使いください」といって、現金100万円が手渡されたという。記名はなく、「どなたからですか」と聞くと、 「主人(安倍晋三)からです」 。領収書については「いや、まあ、それは結構です」と断ったという。
籠池氏の長女・町浪氏は、この時の様子について 「塚本幼稚園三階の和室『玉座の間』で、安倍昭恵夫人と籠池理事長、時間帯によっては、副園長の籠池婦人が加わった3人で懇談が行われており、その場において、封筒に入った100万円を手渡された」 とした。
籠池町浪氏(塚本幼稚園教頭)の証言要約
2015年9月5日の安倍昭恵夫人名誉校長就任講演会の日、塚本幼稚園3階の和室「玉座の間」(!)で、籠池理事長と安倍昭恵夫人が2人きりで、時間帯によっては、そこに籠池諄子副園長が加わった3人で懇談をしていた。
懇談を追えて和室から出てきた諄子副園長が、現金100万円を示しながら、町浪氏に対して、 「小学校を建てるにあたって、安倍晋三さんからいただいたよ」 ということを言った。100万円は封筒に入っていた。その日は土曜日で、郵便局がしまっており、すぐに入金できないため、その時は(大金を持っているのが)怖いので、いったん金庫に入れた。
現金受け渡しの場面は自分は見ていないが、安倍昭恵夫人から籠池理事長に手渡され、それを、処理するために諄子副園長の手に渡り、そして、金庫に入った。
その後、諄子副園長が、安倍晋三小学校寄付金払込票(↓)の
(↑)左側のご依頼人欄に「森友学園」と記入した。右側の受領証の部分は、空欄だった。
週明け、9月7日月曜日に、幼稚園の職員が、空欄にされていた右側に「安倍晋三」と記入して、もらった現金100万円とともに、この払込票を持って、淀川新北野郵便局の寄付金口座へ振り込みに行った。
しかし、郵便局では左側の払込票と、右側の受領証の名義が違うので受け付けられないと言われて、その場で、修正テープを使って「安倍晋三」と書いたものを消し、「匿名」と書き換えた。だが、それもだめだと言われた。
そこで、幼稚園職員が、携帯電話で塚本幼稚園の事務室に連絡した。連絡を受けた事務室の職員が顧問会計士に連絡をとって相談し、受領証の名義もそろえて「森友学園」にするほうがよいということになった。その旨を、郵便局にいる職員へ連絡し、「匿名」と書いたものをさらに修正テープで「(学)森友学園」に変更した。修正部分に淀川新北野郵便局長の修正印が押され、100万円が寄付口座に入金された。
受領証の名義欄。修正テープの下には「安倍晋三」⇒「匿名」という文字が隠れている
本来なら、寄付を受けた際は、寄付者名簿に名前を記入するようにしている(安倍晋三小学校の寄附者銘板に名前を刻印して顕彰するという約束もしている)。
しかし、安倍晋三首相からの100万円に関しては、籠池理事長夫妻が、 「これは名前を伏せてほしいというご意向があった」 と、職員らに指示した。そのため、教頭である自分も、その後の処理を行う職員に対して「そういうことでお願いね」と指示した。
結果、官庁に提出されている寄付金名簿では「安倍晋三」の名は伏せられ、この時の100万円は、「森友学園」によるものと記載されている。ただし、寄付金口座への入金については、学園側の記録のために「安倍晋三」の名義にしようとした。しかし、それは事務処理上叶わなかった。
残された払込票は、「安倍晋三からの寄付」という証明はできない。しかし、籠池氏側の証言を裏付ける証拠ではある。修正テープには郵便局長の修正印が押されているのだから、この話を裏付ける取材も可能ということだろう。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
しかし、その作品はその作品であり、政治家としての評価や品格はまた別物です。騏驎(きりん)も老いぬれば、駑馬(どば)に劣る、でしょうか。
石原慎太郎擁護者の名前に、有本香さんの名前を見かけましたので、長くなりますが、述懐を加えます。
有本さんがゴー宣道場の師範を、不意にやめられた当時は、驚愕しました。名前を冠する番組を「道場」のホウムペーヂ上に開設当初から持たれていたし(つまり、この「道場」のことに、以前から携わってきたのだろうと推察したのです)、先に自分が應募当選した回で、「中國人と朝鮮人と日本人が一緒になったら、物凄い立派な國ができる」とおっしゃられていたのが、強く心に刻み込まれてもいました。その後、ツィッター上で、TPP贊成の胸奥を暴かれ、そのことを時浦さんに素っ破抜かれた際に、何か内輪もめのようなことが起きているのではないか、という杞憂(きゆう)を抱いたものです。
少し気の毒にも思っていました。
だから、もしも「道場」に参加されたいのなら、往復はがきで應募されてはいかがですか、と以前の「道場」の掲示板に書いたこともあります。
一往断っておきますが、これは有本さんを見送るための措置で、かつては関係者だったかも知れませんが、今は過去の人だという区切りを 、ほかの人にもつけてあげられると思ったのです。
確かにお節介でした。反省しています。
とはいえ、前に存在した報道カメラマンの渡部さんの番組がなくなったり、故加藤議員の祕書のかたのウェブログも自然消滅し、過去の「道場」のゲストで、今話題にされている稲田朋美さんや、岡田斗司夫さんなどの扱いを見ていると、この「道場」に参加されたからと言って、その胸懐・意見が優遇されることはないのだ、ということが分かって参りました。有本さんも、道場からはなれられた意志は尊重されるべきだ、新しい解纜(かいらん)をいわってあげるべきなのだ、と。
私も今は、この人にあまり興味はないです。
チベットや、新疆ウィグルのことなどに専念されてほしいと願います。そうすれば、ひょっとしたら(たぶんあり得ないと思うけれども)、胸襟を開かれ、小林先生などとまた共闘する機会もあるのではないか、と思います。少なくとも、そのことに関してだけは、正しいのではないか、と私は思うのです。
小林先生は先に角川で出された新書で、中國の民主化・解体は國内での果てしない殺戮を生じ、日本をはじめとする周辺諸國をも混乱に招く虞れがあるとおっしゃられていましたが、朔北(さくほく)、西域で元来「支那」でないところについては、直接的ではないにせよ、独立を応援するのは悪くはない、と思います。このままでは、チベット人、ウィグル人が居なくなってしまうのは事実だから。
なお、先に、南アフリカのホウムランドは旧ソ連や中國の民族同化よりはましだ、みたいなことを申しましたが、政府に人為的に押し込められた領域を勝手に「國」扱いして、治安維持をする政策は、合衆國でインディアンを強制移住させるのと同じで、やはり部族間の紐帯(ちゅうたい)を断ち切ることにしかならぬのではないか、と考え直しました。勿論、ソ連や中國共産党の施策とも重なります。アラブ地域・西南アジアではないですが、こういう地域に無理矢理國民國家を建設するのは無茶なのではないか、もっとゆるい統合で、部族内における自治を認めて、國防みたいなものは中央政府が責任をもって独占する、みたいで良いのでは、と思いました。
そう考えると、やはり日本はめぐまれているように感じられます。
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