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ヤスさん のコメント

お疲れ様です。
エンタメの力では、週間文春が小林よしのり先生に勝つことはちょっと難しいでしょう。

泉美木蘭さんの民泊のお話、大変面白いです。あいりん地区、なつかしいですね。私もあいりん地区に行ったことがあります。

大学を卒業し就職し、生産もせずただほとんど座っているだけでそこそこのお給料とボーナスを頂ける自分の生活と実力のなさに絶句して、こうなりゃとことん愚かになってやると海外へ飛び出し、外国の貧困層の方々と暮らしているうちに日本の貧困に向き合ったことがないことに気がつき帰国して、約一週間、あいりん地区でホームレスの方々とほぼ同じ生活をしたことがあります。私は男なので民泊という考えは一切なく、三角公園で野宿をしてやろうと思いましたが帰りの車中で迷惑がかかると思い断念し、一泊800円の簡易宿泊施設で泊まろうとしたところ「若い者が泊まるところじゃない」と追い出され、結局外国人バックパッカーが利用するホテルを紹介されそこに宿泊しました。ホームレスの方々と炊き出しに一緒に並び、洗いすぎてボロボロになった使い捨ての割りばしで冬瓜入りの薄いおかゆを食べ、仲良くなったホームレスの方々に連れられて弁当が入手出来るというキリスト教の教会へ行き牧師の超極左的な説教を聞くなど、あいりん地区ではいろいろと刺激的な体験をし学ぶことが出来ました。

海外の貧困は「貧乏」であり、家族や友人、知人同士で助け合うのでとにかく明るく楽天的。対して、私があいりん地区で体感した貧困は「困窮」そのものでした。歴史のタテ軸を放棄し社会のヨコ軸から分断された、薬物とアルコールで満たされ感覚を喪失した世界が残念ながら日本の最貧困地区の正体でした。新自由主義の行きつく先はホガースの「ジン横丁」のような殺伐とした地獄の世界でしょう。

こんなことを書くと不謹慎なのかもしれませんが、あいりん地区での生活は、自分にとっては非常に楽しく本当に思い出深いものとなりました。ホームレスのおっさんには出会って早々「俺は東京の人間が大っ嫌いなんじゃ」と罵声を浴びせられましたが、仲良くなると「困ったらいつでも俺のところにこい」と、なんか胸がキュンとするような言葉をかけてきてくれたりと、まだまだ日本の貧困地区にも人情があることが分かったのが救いでした。

底力を身につけるには貧困、富裕に関わらずギリギリの生活環境の中で全力を出し切るしかないのでしょう。小林先生の魅力はおぼっちゃまくんやゴーマニズム宣言等の表現技法だけではなく、おぼっちゃまくんを産み出すまでの苦闘の日々の中においても存分にありますし、泉美さんが若かりし頃にビジネスに挑戦して失敗し、借金1千万円こしらえたことは、私にとっては羨ましい美談です。泉美さんには底力が既にあるので合気道はあまり必要がないような気がします。

本当に苦しい時期を経験しないと社会に対して反骨精神は育まれないと思います。その反骨精神が社会を変える起爆剤になるのだとしたら、ゴー宣道場ファンとしてこの上ない喜びです。
No.50
86ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
(号外 2017.11.14) 【目次】 1. ゴーマニズム宣言・第252回「帰属なき個は獣以下である」 2. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第56回「“エアビー”で大阪、民泊してみた」 第252回「帰属なき個は獣以下である」  神奈川県座間市で、わずか2か月ほどの間に9人が殺害されるという事件が起きた。  被害者は、行方不明になった交際相手を探していて事件に巻き込まれた男性一人を除き、全員が10代・20代の女性で、容疑者の白石隆浩という27歳の男は、自殺願望を持つ女性とツイッターでコンタクトを取り、自宅に呼び寄せては殺していた。  ツイッターのアカウント名で呼び合っていたため相手の本名すら知らず、どうせ死にたい奴なんだからと、罪悪感もなく犯行に及んだのだろう。  白石は次々に餌食にする女性をツイッターで漁っては、本当は自分には死ぬ気などさらさらないのに「一緒に死のう」などとダイレクトメールを送って気を引き、呼び出して犯して殺し、金目のものは全て奪い、遺体を浴室でバラバラにして、骨から肉をそぎ落とし、生首をクーラーボックスに入れて保存していた。証拠隠滅のために遺体をバラバラにしたのなら、こんなことはしないものなので、死体愛好的な異常性欲の可能性もあるらしい。  それにしても今の日本には、ツイッターでやり取りしただけでどこの誰ともわからない、名前も知らない男の家に訪ねて行くような無防備な女子がものすごくいっぱいいるようだ。だからたった2か月で、8人もが餌食にされてしまったのだろう。   白石は家族とも絶縁状態、職は転々として定着せず、居住していたアパートの近隣でも交友関係はほとんどなく、全く社会から孤立しており、今年6月頃には「生きていても意味が無い」などと漏らしていたという。  わしは『戦争論』などでいつも、 「個人」とは社会のヨコ軸と歴史のタテ軸の交差するところに形成される と説いている。  社会のヨコ軸である共同体に一切帰属意識がなく、歴史のタテ軸など意識することもなく、何にも縛られていない一個人というものがあるとすれば、それこそが白石隆浩なのだ。  一切の帰属から解き放たれた個人は、性欲だけのケモノになる。  いや、そう言ってはケモノに失礼だ。  ケモノは本能のルールから外れた行動はしない。異常性欲のために仲間を無駄に殺すなんてことはやらないのだ。   ヒトは本能が壊れたサルだから、帰属による縛りがなくなったら、ケモノ以下の醜悪な生き物になってしまうのである。  幼女4人を連続誘拐・殺害して平成元年(1989)に逮捕され、平成20年(2008)死刑執行された 宮崎勤も、家族や職場などに一切の帰属意識を持っていなかった。  唯一、心を通わせていたのが祖父だったが、その祖父が死んで、3か月後には最初の犯行に及んでいる。   祖父が死んで社会のヨコ軸からも、歴史のタテ軸からも、全ての属性から切り離され、後には性欲しか残らなかったわけだ。  しかも、まともな社会から切り離されていたために大人の女性には相手にされず、性欲の対象が幼女だけになってしまった。それも、当然ながら幼女にも拒否されるから、拉致した途端に殺害するということを繰り返したのだ。  逮捕されると、取り調べの刑事が真面目に自分の言うことを聞いてくれるから、宮崎にとってこれが唯一の人間関係となった。 それで普通なら黙秘するところを、刑事との属性を感じたがために、あっさりと洗いざらい自白したのだった。  人は何にも縛られない一個人になったら、ケモノ以下にまで堕ちる。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!