希蝶さん のコメント
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第281号 2018.8.21発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…日本国内の社会問題を批判するときに、比較対象として「海外では…」と他国の例を持ち出して、他国が無条件に優れているかのように賛美する人々がいる。女医問題でも同じで「海外では女医が多いのに、日本では…」と言われるが、果たして本当だろうか?各国のデータや社会保障制度、医療制度を比較検討しつつ徹底解説!
※「ゴーマニズム宣言」…時代の空気というものは、その時代に生きた人にしかわからないところがある。しかも当時を知っている人でもあっさり忘れて「なかったこと」のように記憶を改竄してしまったりするもので、なおさら後世にその感覚を伝えるということは非常に困難なものになってしまう。今の日本は完全に右側に振り切れて「自尊史観」にまで行ってしまったが、『戦争論』以前はどういう空気だったのか思い返してみよう。
※『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてくり!」。しーぎゃーびー!!ぽっくんたち、嵐の海の中で漂流中ぶぁい!誰か何とかしてクリ!金で解決できるんなら、いくらでも払いまーしゅ!
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第93回「『海外では女医が多い』の疑問」
2. ゴーマニズム宣言・第289回「〈空気〉を変えたのは『戦争論』だ!」時浦兼
3. しゃべらせてクリ!・第238回「しぎゃびー! 嵐の海で絶体絶命ぶぁい!の巻〈前編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第93回「『海外では女医が多い』の疑問」 「日本は諸外国に比べて女性医師が少ない!」
「フィンランドでは女性医師の割合が5割。なぜ日本はできないのか?」
日本国内の社会問題を批判するときに、比較対象として 「海外では…」 と他国の例を持ち出して、他国が無条件に優れているかのように賛美し、「それにくらべて日本は未熟で悪辣」と結論づける人々のことを、ちまたでは、その口癖から 『海外出羽の守( かいがいでわのかみ )』 と呼んでいる。
亜種として「うちらの業界ではさぁ~」と、すぐ“自分のいる業界って特別なんだぜ風”を吹かせて悦に入る 『業界出羽の守』 、先進国での複雑化した貧困問題について語っているのに「アフリカでは飢餓の難民が~」と言い出す 『途上国出羽の守』 も本当にやっかいだ。
また、LGBTに関する話を聞いていると“現実はそんなうす甘い恋愛話ばっかりじゃねえよ!”と腹が立ってきて、つい「二丁目ではねぇ~」と言ってしまう 『新宿二丁目出羽の守』 (あたしだよっ!)も最近発見されている。
■ドラマ見て女性差別と決めつける出羽の守
「20年以上前のアメリカのドラマ『ER緊急救命室』では女性医師が活躍していた。アメリカでは女性にとってERが普通の職場。日本の医療界の男女差別は酷いな」
よっぽど演出がかっこよくて「アメリカ人のたくましい女医、憧れるう~♡」と記憶に残ったのかもしれないが、日本だって 『救命病棟24時』 では松嶋菜々子や松雪泰子が救命医として大活躍していたし、 『ドクターX~外科医・大門未知子』 も超大人気ドラマじゃないか!
『科捜研の女』 に至っては、死体を解剖する監察医のみならず、法医学の世界で働く女性科学者が異常なまでに事件に食い込んで大活躍している。1990年にも 『外科医有森冴子』 が大ヒットしたし、今年10月からはじまるTBS系の連ドラ 『大恋愛~僕を忘れる君と』 は、若年性アルツハイマーに侵された女医の恋愛という、単純に“活躍する”女医像ではない、複雑多岐に渡る設定が発表されていた。
『ER season1』DVDパッケージより
そもそもアメリカはポリコレがすごいから、表現に関しては、男女だけでなく、白人、黒人、スパニッシュなど人種にも相当配慮して配役していると思う。ドラマや映画では理想像を描きながら、白人至上主義との衝突など、現在進行形で大問題が起きているのがアメリカだ。
ドラマの配役だけで、即「アメリカは進んでいる、日本は遅れている」とは決められない。
■国柄を無視するOECD出羽の守
これは、OECD加盟国の女性医師の割合について、各国を比較した表だ。平均は39.3%。日本は20.4%と低く、21.9%の韓国に次いで最下位である。
最下位と聞くと、反射的に「もうちょっとなんとかならんのか……」と思う。しかし、この表を掲げて日本を「女性蔑視」と叩く前にちょっと冷静になってみたい。
「1位のエストニアは凄い。女性医師の比率が73.8%にのぼるじゃないか。それに比べて日本は……。女性の人権がないがしろにされている」
……とは、言えない。
エストニアをはじめとするバルト三国は、もともと旧ソ連の影響を受けており、「働かざる者食うべからず」。日本のように「家事という仕事」が認められず、男女ともに「主婦・主夫なんてあり得ない」という感覚の国でもあるが、そこに加えて 社会体制の崩壊が影響して「男性が早死する」という事象 も起きている。エストニアは人口の男女比率が偏っていて、 女性100に対して男性が88 しかいないのだ。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
私の母親は結婚前は教師をしており、父とも職場結婚でした。実は結婚後も仕事を続けており、当時としては珍しく自家用車に乗って通勤もしていたのですが、さすがに3人子供を産んでしまうとかなり無理があったようで、自分が生まれた頃には専業主婦をしていました。それでも教育熱心で、しつけに厳しく、姉たちも含めて、子供たちのふがいなさをかなり厳しく叱っていましたが。肘をついて食事をするな、とかよく言われました。机に坐っても勉強しているよりも、ぼーとしている時間の方が長い、とか。
子供たちが成長すると、組紐とか染め物とか、保護監察の仕事などもするようになり、手先も器用でミシンで繕い物とかもよくしていました。私はそういうのは全然遺伝しなくて、不器用で姉たちよりも出来が悪く、よく偏食して親を困らせていた、出来損ないのどら息子だったわけですけれども(骨皮筋右衛門とか、覇気がないともよく言われました)。
それでも一人でも自活できるようにと、ご飯のたきかたや、お味噌汁の作り方、卵焼きまでは調理できるようにと、指導されました。
専業というと、社会に出ておらず、視野が狭いように感じられるかも知れませんが、上記のように家にいてもできる社会貢献は種々存在するわけで、また夕飯の献立を考えたり、夏休みは昼のメニューも加わるわけで、その困難さは想像以上のものだと思います。スーパーにだって買い物に出かけなければならないわけですし、特売にも留意するわけで、会社で仕事を担当するのも大変なことだけれども、栄養が偏ってはいけないとか、お金の問題とか、頭を使うことはたくさんあったことだろうと。トッキーさんがあげておられる投稿にもあったように、日曜などは多忙だったのだろうと。
参考までに言っておくと、昭和一桁台の生まれです。恐らくよしりん先生のおかあさんとも同世代です。
だから、先生がおかあさんから冷たく扱われたという話を聞くと、(何度も記していますが)つい社会の厳しさを教えられ、育てられたのだろうという錯覚をしてしまいがちです。それこそ出羽守ではないですが、人にはそれぞれの事情があるのだろうとお察しいたします。
専業主婦と言えば、「夫婦の絆」、私もつづきがよみたいです。あのまま中絶作品にしないで、何とか復活して欲しいと願います。
以上、あまりテーマと関係ない話になってしまいましたが、兼業・専業に限らず、母親は偉大で強い、と思います。
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