ニセただしさん のコメント
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第304号 2019.2.19発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…ジャーナリストの伊藤詩織さんが実名で顔を出してレイプ被害を訴えたのち、出版された『Black Box』(文藝春秋)。この本のなかで、詩織さんをレイプしたとして描かれているY氏は、捜査の末に逮捕状が発布されたにも関わらず、逮捕当日に警視庁上層部からの鶴の一声で「逮捕中止」の“恩恵”を受けている。Y氏は安倍晋三、麻生太郎らと個人的に非常に近しい間柄であり、その様子はY氏本人が出版した『総理』(幻冬舎)につぶさに描かれた。『Black Box』事件の真相とは?
※「ゴーマニズム宣言」…小林よしのりを見れば平成がわかる!!今回は平成後半を振り返る!保守陣営との完全決別、沖縄問題、ネトウヨの誕生、アイヌ問題、皇統問題、東日本大震災、原発問題、AKB48、安保法案を巡る学生デモ、共謀罪、新連載の開始、そして「SPA!」での『ゴー宣』復活…初めて明かされる裏事情も!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!好きな「おにぎりの具」ベスト3は?以前は否定的な見解を示したこともある石破氏に、今回注目している一番の理由は何?ヤクザは社会にとって必要悪?絶対悪?小林先生にとって人生とは?古雑誌にプレミア価格がつくことをどう思う?自称フェミニスト達の暴走をどう見てる?自動運転車はアリ?ナシ?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第115回「伊藤詩織著『Black Box』事件全容一覧」
2. ゴーマニズム宣言・第313回「平成のわし、活躍しまくり(後編)」
3. しゃべらせてクリ!・第261回「あつあつおでんで身も心もほかほかぶぁ~い!の巻〈前編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第115回「伊藤詩織著『Black Box』事件全容一覧」 ジャーナリストの伊藤詩織さんが実名で顔を出してレイプ被害を訴えたのち、出版された『Black Box』(文藝春秋)。
この本のなかで、詩織さんをレイプしたとして描かれているY氏は、捜査の末に逮捕状が発布されたにも関わらず、逮捕当日に警視庁上層部からの鶴の一声で「逮捕中止」の“恩恵”を受けている。Y氏は安倍晋三、麻生太郎らと個人的に非常に近しい間柄であり、その様子はY氏本人が出版した『総理』(幻冬舎)につぶさに描かれた。
■公私ともに総理と親しいY氏
『総理』(幻冬舎)より抜粋
7月26日、私は逆風の渦中にあった安倍と東京・富ヶ谷の私邸でじっくり話す機会があった。白いサマーセーターにチノパンというくつろいだ姿でリビングルームのソファに腰かけた安倍は――
またしばらくの沈黙の後、今度は安倍が口を開いた。
「お通夜に行くんだけど、一緒に行かないか?」
「もちろんです。ありがとうございます」
富ヶ谷の安倍の自宅で待ち合わせをして、安倍の車で中川(昭一)の東京・世田谷の自宅に向かった――
麻生と安倍。私は何度となく3人で食事をし酒席をともにした。この経験を通じて断言できるのは、永田町広しといえどもこの二人ほど、いわくいいがたい独特かつ特別な関係は見たことがないということだ――
「本年4月より8%の消費税を国民の皆様に(…中略)」
安倍は本番さながらに、私に向かって語りかけた。目の前で、現職の総理が解散を宣言している。私はまるで自分が、官邸1階の記者会見室にいるような錯覚にとらわれた――
翌日日本に向かう政府専用機の機内で安倍が麻生と協議した末に増税時期を最終決断するという段取りになっていた。しばらく考え込んだ安倍は、
「Yちゃん、ちょうどいいからさ、麻生さんが今何を考えているかちょっと聞いてきてよ」
これは大変なことになったと私は思った。解散と増税をめぐる、総理と財務大臣の腹の探り合いを私に仲介しろというのだ――
Y氏が出版した『総理』(幻冬舎)には、Y氏が第一次安倍政権退陣後、辛酸をなめている間もずっと安倍に寄り添いつづけた様子とともに「復活を遂げ生まれ変わったスゴイ安倍首相」がたっぷりと描かれている。
私邸で会う仲であるだけでなく、安倍に誘われて一緒に中川昭一氏のお通夜に出向き、意見を出し合って戒名をつけたり、民主党政権時に起きた東日本大震災で、安倍に誘われて一緒に東日本大震災へ支援物資を運びにいったりと「公私ともに」密着している間柄だ。2014年の「消費増税先送り解散」の際には、前夜に同じホテルに宿泊していた安倍晋三と麻生太郎それぞれから、気楽に部屋に呼びつけられ、それぞれの部屋を往復して、首相秘書官よろしく「首相見解」と「財務大臣見解」の綿密な伝令役まで果たしていた。
■「ストップを掛けたのは警視庁のトップです」
一方、伊藤詩織さんの『Black Box』では、Y氏との生々しい会話やメールでのやりとり、その時の詩織さんの心情とともに、最初に相談した高輪署の刑事の対応、意識がなくなった詩織さんを抱えて部屋に連れ込むY氏が映り込んだホテルの防犯カメラの映像、その際に二人を乗せたタクシー運転手の証言、ホテルの部屋を掃除した記録などひとつひとつ「犯行」と「Y氏の嘘」の証拠を積み重ねてゆくも、逮捕状の執行が止められてしまうという一部始終が記録されている。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
第一章は、波瀾万丈で、読んでいてワクワクして、とても面白かったです。なぜ、ジャーナリストを目指したのかも、よく分かりました。
事件の描写は、生々しくて、戦慄を覚えました。小林先生が生放送で話されていましたが、同じように、自分を詩織さんに重ねていました。当事者の女性の気持ちが、直に、伝わって来るようでした。
事件直後の描写も、やはり生々しく、我が身に置き換えると、痛みが伝わってくるようでした。
また、最愛の人たちに、事件後すぐに会わねばならなかった事、これには運命の冷酷さ、非情さを感じました。読み終わった今は、必然とも感じられるのですが、当時の詩織さんの心情を察すると、胸が張り裂けそうになります。
その後、少しずつ、少しずつ前に進んで行く詩織さん、色々な事、やれる事全てを実行に移す詩織さん、何処かに突破口があるだろうと諦めない詩織さんは、小林先生と重なりました。
また、常に周りにいてくれる、決して裏切らないご友人たちの存在は、一筋の光明のようで、とても頼もしく、そして心強かったです。
そして、ご家族との絆、とくに妹さんへの愛情は、とても伝わってまいりました。
山口氏のメールは、彼の人格が滲み出ているようでしたね。身勝手で、保身しか頭になく、プライドが高い。誠意のカケラも感じません。
そんな人間と、事件後、自らやりとりし、時には電話で声を聞く。どれほど耐え難く、屈辱的で、どれほどの、おぞましさだっただろうか…。例える言葉も、見付からない思いが致します。
事件直後の医療機関やサポート機関の対応には、改善出来る点が多そうですね。気付き、少し変えてくれるだけで、被害者が救われる面も相当増すでしょうし、証拠も残る。
警察・司法機関などの対応の粗さ、足りなさにも絶句しました。強姦事件の扱いの低さが伝わってくる気がしました。
日本の古来から続いた性へのオープンさ、明治以降の男尊女卑の感覚などが、性犯罪被害への対応の遅さや鈍さに繋がってはいまいか、などとも考えました。
高輪署のA氏の協力を得て、逮捕状発行に漕ぎ着くまで、それを握り潰され、再捜査で不起訴が決まるも、検察審査会に申し立てをし、記者会見を開くに到るまで、伊藤詩織さんの不屈の精神力、正義や真実への探求力は、圧巻でした。その人間的魅力ゆえ、信頼出来るご友人たちが、周りに集まるのでしょうね。
実例を上げながら、準強姦罪を検証する章では、更に深く、現状の問題点や実態が見えた気がしました。合意の壁には、感情の機微を考える日本人の悪い面が現れているのでしょうか。
ゴルフを習っていた高校生の女性の判例には、ただただ同情を致します。
山口氏を含む、性犯罪事件の加害者の醜悪さ、そして、犯罪を揉み消そうとする権力者の醜悪さ、これは一体、何なのでしょうか。卑怯、この言葉から来る物、でしょうか。
最終ページの、『あなたは、どう考えるであろうか。』の言葉が、とても印象的でした。
また、あとがきの、『本当は誰にも知られたくなかった、話したくもなかった、口に出したくもなかった。正直に言うと、本に書くことすら嫌だった。』との言葉が、胸に突き刺さりました。
伊藤さんは、『山口氏への憎悪や怒りの感情は全くありません』とおっしゃいます。本を読み終わり、そうなのだろうな、そういうのじゃないのだろうな、と思えます。
だからこそ、前にも進めたし、伝えていく事も出来るのだろうなと感じています。
このような言葉を使うのは適切ではないかも知れませんが、宿命であったのかも知れないと、考えております。小林先生の前に、次々と難題が立ち塞がるのと同じように。
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