ホプライさん のコメント
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第320号 2019.6.25発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美 木蘭の『正しい宗教のつくりかた』 」…私は鶴見佑子、大学1年生。旧皇族の溶田家に生まれ、日本と皇室についての著書をたくさん出版している溶田宗泰先生を心から尊敬している。先生が主宰する「溶田研究会」に参加するようになったのは2年前、引っ込み思案で友達もできず、受験勉強もあまりはかどっていなかった高校2年生の時に両親に連れられて来たのがきっかけだった。溶田先生は、私の中に眠っていた意識を呼びさまし、なにもない私に「日本人」としての自信をつけてくれた存在なのだ!
※「ゴーマニズム宣言」…香港が今、大きく揺れている。香港では既に、中国政府を批判したらいつ別件で逮捕されてもおかしくないという状況になってきているが、今回、香港政府は「逃亡犯条例」の改正を行おうとした。これが実現したら、香港で反中国政府や民主化の運動に参加した活動家などが別件で逮捕され、中国本土に移送されるリスクが高まる。この言論の自由が決定的に脅かされてしまう危機を前に、香港では返還後最大規模のデモが行われたのだ。この香港デモには台湾も敏感に反応しているが、日本はどうだろうか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!ホルムズ海峡のタンカー攻撃事件を巡る英国の態度をどう見る?性風俗店の存在って女性差別なの?女子高生がスカートの下に短パン等を履くのをどう思う?過去の天皇で傍系継承した際、祭祀の継承はどうしていたの?先生が一番印象に残る大人物は誰?「キーが高すぎて歌うのが辛い」と感じる歌手は?問題続出の吉本興業は「GAFA化」している?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭の小説「正しい宗教のつくりかた」・第1回「正しい宗教のつくりかた」
2. ゴーマニズム宣言・第330回「香港デモから見る日本人の緊張感のなさ」
3. しゃべらせてクリ!・第277回「チャマ・ゴジラ対フクロギドラ!地上最大の決戦ぶぁ~い!の巻〈前編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第1回「正しい宗教のつくりかた」 ●わたしの先生
「溶田研究会にご寄付をしてくださったみなさま、本当に、本当にありがとうございました。厚く、厚く、御礼申し上げま……あっ、溶田先生」
「今日の練習かい? 偉いなあ。鶴見さん、よろしく頼むね。きみはこの溶田研究会の期待の星だよ。素直で真面目な良い子だし、きみのような若い女の子は、ただ存在するだけでいいぐらいだ。溶田研究会のアマテラスだね」
「そ、そんな、畏れ多いです。先生、昨日配信の溶田宗泰チャンネルも拝見して勉強させていただきました。今日は先生のお役に立てるよう、精一杯がんばります!」
楽屋前の廊下で緊張して立ち尽くし、挨拶の練習を繰り返していた私をわざわざ励ましに来てくれたのは、尊敬する溶田宗泰先生だった。旧皇族の溶田家に生まれ、日本と皇室についての著書をたくさん出版している溶田先生は、多数のテレビ出演をこなしながら、国史や伝統文化を学ぶ「溶田研究会」を主宰し、全国で講演活動を行っている。私は研究会に参加して学ぶ一女子大生に過ぎないが、今日は先生の講演の場で、特別に挨拶の時間を任されることになった。壇上で大勢に向かって話すのははじめてのことで、昨夜は緊張で眠れていない。
「あれ、目が充血してるぞ? 鶴見さんはがんばり屋だからな。僕ね、きみを一番評価しているんだ。リラックスしていこうね」
「は、はい!」
四角い眼鏡の奥でやわらかく微笑みながら、先生が一歩こちらへ近づき、私の左肩にそっと手を置いた。先生がこんなに近くにいて、私に触れている――!
その途端、先生の触れた部分から痺れるような熱い電流が走り出すのを感じた。それは渦を巻いてたちまち全身をかけめぐり、脳の隅々の神経細胞から手足の指先まで細密にゆきわたって、私の内側を感激の恍惚でいっぱいにした。
なんてことだろう、旧皇族の溶田宗泰先生が、歴代の天皇の血を引く御方が、いま私の体に触れている。そして、私だけを見て微笑んでいるのだ。ここには溶田先生と私だけがいる。先生は、私が緊張でよく眠れていないことに気づいてくれた。一緒にこの会場へやってきた両親ですら言ってくれないことを、すぐに悟ってくれた。やっぱり先生は普通の人じゃない。そんな普通じゃない凄い人に、私は評価されているなんて。
大地から浮き上がるような感覚だった。胸がいっぱいになり、涙があふれ出そうだった。
「溶田先生、まもなくお時間です」
呼び掛けるスタッフのほうを振り向き、壁の時計を確認した先生は、右手でさっと眼鏡の位置を整えると、表情を引き締めて舞台袖へと向かっていった。
なんて素敵なんだろう。勉強会でもテレビでも、私は先生の横顔を見るのが好きだった。大きな下顎と立派に突き出た喉仏。そこには男性としての強さと逞しさが宿っている。けれども決して粗暴なイメージはなく、全体の佇まいは上品そのもの、時に激しく、時に相手を説き伏せるように、とめどなく繰り出される知識もやはり旧皇族としての凄さを感じさせた。
生まれも育ちも私なんかとはまるで違って、本来は同じ空間にすらいられない人のはずだ。そんな人が気さくに励ましてくれる。それどころか、肩に手まで置いてくれる。そんな溶田先生のために、今日はがんばらなければ。
ほどなくして、「君が代」の前奏が流れだした。溶田研究会開幕の合図だ。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
それから人が、家族の誰かの許可を得ないで、家族の住んでいる家に入ったら、撃ち殺すことを法律は保証してる。
日本人があった、それでアメリカへ行って、親しゅうしてるアメリカ人、なんか一人の人の庭を見せてもらってた。
そうすると隣の庭との間の木戸が空いてた。それで、日本でよくやることだが、ついでに隣のお庭も拝見というんでのこのこ入って庭を見てた。
そしたらピストルで撃たれた。それがちょうど腕へ当たった。ちょうどというのは死にもせず、傷も付けられた。
それで訴訟を起こすっていうんで弁護士を呼んだ。そうするとそれは正当防衛だって言われた。だから確実なん。
これが家族という、つまり、集団生活の最小単位です。アメリカの一切の住み方が、これに基づいてある。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣つくる その八重垣を みたいな大自然そのものが家ってもんじゃない。
だから私、例えばテレビでアメリカ物見ますと、こんな人の世の住み方というのは、さくさくとして砂を噛むようなもの。
また一生というのは、努力とかやり甲斐とか見るなら、滓のような人生だ。
そうしか思えない。
それを貴方々は、大多数は、日もこれ足らぬくらい、て、そんなに熱心じゃありませんが、かっこ良いぐらいで真似する。
アメリカの人も相当だけど、その真似しかしない日本人はこれに輪をかけた相当なもの。
その相当な方々に話をする光栄を得た。
何の因果で日本民族の一人に生まれたんだろうと、何度溜息が出るかわからない。
が、仕様がない、ここに生まれたんだから。
で、こんな風だから、日本民族って言って、自分とは何かったら、本質心です。心は重ね合わすと皆一つになる。
殊に日本民族のように、自分は自分という名の自分、他人は他人という名の自分、自然は自然という名の自分とまで言うんだったら、「ただ一つの心」です。
心は真情以上じゃないと合わせられない。不一不二っていうのは阿頼耶識でも真如でもないん。
だから日本民族の一人であるということを十分…自覚って言うのは意や知じゃないん、情に情がわかる。
評論や批評や批判もそれがわからないとできないから資格ないん。
そういう人は皆、ただ一枚の心から、ただ一つの心から生まれて来て、またそこへ帰る一片(ひとひら)の雲が自分だと、そんな風に思う。
例えば吉田松陰、例えば松尾芭蕉。
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