希蝶さん のコメント
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第372号 2020.9.15発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」… 安倍晋三が首相辞任を表明した後に行われた各社の世論調査で、内閣支持率が「爆上げ」となる結果が出た。先々週のライジングでは、ありったけの皮肉を込めて安倍首相に「お疲れさま」の言葉を贈ったが、世間ではごくごく素直に安倍に「お疲れさま」と言っているようだ。一体なぜ、そうなるのだろうか?
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…現実にはコロナ関連死者数は減少しており、人工呼吸器使用数もどんどん減っていて、もはやあれほど「増やす!」と言っていたPCR検査数すら8月以降は伸び悩んでいる状況にも拘わらず、なぜか「感染対策」の圧力ばかりが高まって、やり方がどんどん過激になっていく。ヨーロッパ各地でも、「新型コロナ対策からの自由を求める抗議運動」が巻き起こっているが、それに比例して各国政府がますます強権を発動しはじめ、反逆する人々を機動隊が鎮圧するという騒ぎが頻発している。ますます過激化する世界の恐ろしい実態とは?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!世の中にはまだ漫画に対する偏見がある?「彼女は?」「結婚は?」という外圧を封じるにはどうしたら良い?菅首相は期待できる?大坂なおみ選手の、黒人差別に対する抗議行動をどう見ている?日本での大麻解禁についてどう思う?思春期における「消したい恥ずかしい過去」は何?世の中や人生を学んだマンガ作品といえば?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第389回「お疲れさまの真相」
2. しゃべらせてクリ!・第329回「沙麻代ちゃんとふたり、ぽっくんテレテレぶぁい!の巻〈後編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第183回「過激化する“感染対策”と、PCRサイクル数の疑惑」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第389回「お疲れさまの真相」 安倍晋三が首相辞任を表明した後に行われた各社の世論調査で、内閣支持率が「爆上げ」となる結果が出た。
読売新聞では前回比15ポイント増の52%、共同通信は同20.9ポイント増の56.9%、TBS系列のJNNに至っては、同27ポイント増の62.4%である。
先々週のライジングでは、ありったけの皮肉を込めて安倍首相に「お疲れさま」の言葉を贈ったが、世間ではごくごく素直に安倍に「お疲れさま」と言っているようだ。一体なぜ、そうなるのだろうか?
9月8日の東京新聞「こちら特報部」は、『内閣支持率「爆上げ」の謎』と題してその分析を試みていた。
曰く、長く続いた店などが閉店することになると、その前に客が殺到する「閉店人気」のようなものではないか。
曰く、野党再編の代わり映えのしない様子に失望した結果ではないか。
曰く、前回は途中で投げ出した感が強かったが、今回は事前に準備して会見に臨んだので「潔さ」を感じた人が多かったのではないか。
曰く、長期政権を担い、病気を理由に辞任することに対してねぎらいや共感が拡がったのではないか…
いずれも、分析が浅すぎる。
本当の理由は、日本国民が民主主義とは何かも、政治とはどういうものなのかも、一切理解していないからである。
日本国憲法には「国民主権」が明記されている。
現在の日本の民主主義の基本は「国民主権」である。だが「国民主権」は西洋において、王権を倒して権力を奪取した革命の結果として生み出された概念である。日本では歴史上、そのような革命が行なわれていない。
大東亜戦争に敗戦して、アメリカ人から押し付けられた日本国憲法に「国民主権」が明記されたが、残念ながらいまだに日本人は「国民主権」が身についていない。「お上主権」なのだ。
国民主権であるならば、国民自身が国家のありかたについて、どのようにしたいのかというビジョンを持たなければいけない。
ところが、日本国民には国家ビジョンというものが全くない。そんなものはお上が何とかしてくれるはずだとしか思っていないのだ。
本来なら国民は、国家をこうしてほしいという具体的なビジョンを持った上で政治家に権力を付託するものであり、それが民主主義なのである。
ところが日本国民にはもともとビジョンがない。こうしてほしい、こうあるべきだという基準を持っていないから、安倍政権が日本を良くしたのか、悪くしたのかを評価することもできない。
しかもそれ以前に、お上まかせの丸投げ状態だから、安倍政権の政策がどんな結果をもたらしたのかを検証しようという意識すら湧かない。
それで「閉店人気」だの「病気で辞めてかわいそう」だのといった、くだらない理由で支持率を上げてしまう。
今回の内閣支持率爆上げという現象は、日本国民に主権者意識が根本的に欠如していることを表しているのだ。
それならせめて「お上」の側が国家ビジョンを持っていればいいのだが、情けないことに、政治家も国家ビジョンを持つ者は極めて少ない。
それどころか「政治を行うには国家ビジョンが必要だ」という当たり前の認識すら持っていない政治家の方が、多数なのではないかという気さえする。
というのも、橋下徹などもそうだが、政治とはその時その時に起きる状況に応じて、何らかの対処をすることだと思っているような発言をする政治家をよく見かけるからだ。
その場その場に合わせて場当たり的に対応すること、対症療法的に行動してその場をしのぐことこそが政治だとしか認識していない政治家は、かなり多いのではないだろうか?
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
自分にとって、この情況は地獄そのもので、現実逃避していないとかえってやりきれないのですが(その割には何も集中できていないですが)、もう少し頑張ってみます。「常識」や「日常」に裏切られる瞬間があるなんて、思ってもいなかったです。
コメントで飛ばした、「かぐや様は告らせたい」の話を記してみます。といっても、この話は、カレーさんの掲示板で教えて頂いたのを、自分で確かめたわけですが。
秀知院学園生徒会書記の石上優には、中学時代、彼のことを気にかけてくれる大友京子というクラスメートがいました。彼女の存在は内向的な石上にとって、一種の癒やしでした。
その大友京子に、荻野という恋人ができました。石上はそのことを無条件に祝福していましたが、荻野は京子に隠れて浮気をしていました。そのことを知った石上は、荻野にこんなことはやめろ、という忠告をしましたが、荻野は逆に京子と関係を持たせてやる、といった「提案」をしてきました。
ある意味、正義感の強かった石上は、京子が傷つくのが堪えられなくて、気がついたら荻野を殴っていましたが、集まってきたほかの生徒たちに、荻野は石上を京子のストーカーのように言いふらし、嫉妬で自分を殴ったかのように喧伝しました。石上にとって不幸だったのは、京子までその言を信じてしまったことです。
結果、石上は自宅謹慎処分になり、反省文を書くまで授業を受けてはならない、となったのですが、どうしても、自分のした覚えのない反省を、石上は書くことができませんでした。
その後、どうなったのかは単行本で確かめて見て下さい。宣伝になってしまいましたが。これも、ピーチ航空なみの、一種の全体主義ですよね?
この話を他人事として受け止められないのは、ある意味、自分にも経験があるからです。前にも記しているのだけれども、自分の場合は、会社で、〇〇さんが自分に優しいという「冗談」を真に受けて、こういう状態になったら告白をしないと男らしくないという思いこみで告白をし、つきあっている相手がいた、という相手の返事で、それはそれで良かったのだけれども、それを「未練がある」とか噂にされてしまい、何とか相手との関係修復をしないといけないと努力したら、今度は最初にはやしたてた人たちから「会社環境が悪くなるから、何もするな、そういう誓約書を書け」と言われたわけです。しかし、(当時は)どういう誓約書を書けばいいのか分からず、「無関心」としか書けませんでした。
自分の場合、石上と違って、いろいろ廻りに言ってしまったし、「貴方は逃げている」と相手にも言ったし、会社にも居辛くなってやめてしまったし。その後も自分の立場を説明する手紙を相手やいろいろな人に書いたりもしたので、自業自得ですが、この時の石上の気持ちはとても悔しかったのだろうと思いつつ、作品を読みました。まるで気のない相手に、正義感だけで行動して、多数の全体主義に押し潰された彼のことが、気の毒でなりませんでした。
なんて、自分の場合は比べてはいけないのでしょう。実際に「告白」をしたのだから。しかし、「責任逃れ」ととってもよいですが、今思うと、何か廻りに言わされた「告白」のような気もしています。本当に好きだったのかどうか、分からない。なにか病弱の患者を哀れむような気分だったのかもしれない。そういう体質の子だったから。自分でも、最低だと思いますが。自分とよく似た、神経質な子だと誤解もしていましたから。
自分の側のいいわけをもう少しだけしておくと、母親がなくなったばかりの頃の出来事でもありました。自覚はしていませんでしたが、多分、それもあったのでしょう。
そして、当時の自分に、どうすれば良かったのか、本当の意味での助言が欲しかった。
話がずれてしまいましたが、こういう全体主義で、大多数が「是」と思ったことは、固定化されてしまうのが世の常なんだろうと思います。石上の場合も、高校では(一部の理解者以外の)女子生徒から敬遠されていましたし、(比べてはいけないのだけれども)自分の場合もそういう雰囲気だった。
一度コロナウイルスで恐怖してしまったら、それを否定することは個々のアイデンティティーの崩壊につながるのでしょう。本来は、その医師会なり、政府なりがしっかりして、国民の反撥を承知で事実を伝えないといけなかったのかもしれない。でも、それをしなかった。だからみんな、調子にのって、非日常を楽しんでいる。無責任な世間、世界。私はそういうものは「公」ではなく、「私」の集合体でしかない、と定義します。
だから、責任のある医師会、政府、マスコミ、世間、世界が生まれて欲しい、そのように願います。オリンピックでPCR検査など、よしりん先生の予想も当たりそうですが、そんな風潮を阻止すべく、九州の道場が盛り上がって欲しいです。うまくまとまらなくなりましたが、こんな感じです。
長々と下らない話をすみませんでした。まだコメント欄に揶揄を書く阿呆がいるみたいですが、無視してすすみましょう。木蘭さんの感想は、また後回しですが、ごめんなさい。
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