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地下人さん のコメント

何名かの方が今日のシンポジウムのことについて書かれていますが、私はちょっと違う印象を持ちました。そもそもシンポジウムに参加された国会議員の先生は、時間を作って来てくださっています。もちろん満足できない意見もありましたし、まだ勉強されていないんだなという先生もいました(俺何様?)。でも、まずは皇室に目を向けていただきありがとうございます、という感想です。もちろん不満は残ります。立憲民主党の津村先生は、匍匐前進でまずは愛子様を皇太子にするところから、と仰っていました。この意味は男系男子の男子は外して男系を残すということです。すかさず小林先生から、それは非常に野蛮な考えであること(=愛子様に男子を生めと強制することになる)、高森先生からずるずる時間をかけている間に国民は関心を失ってしまうという反論がなされました。津村先生は、それでも皆が納得しやすい形からがいいのではないか(=男系を維持したままの女性天皇)という意見を表明されましたが、あとはどう小林先生や高森先生の意見を反映してくれるかです。両先生とも今日で津村先生の意見がコロッと変わるはずだとは思っていないでしょうし、こういった先生方にも理解してもらうように、私たちも普段の努力で説得や啓蒙を図るべきではないでしょうか。

問題なのは、やはり議員席の空席が多いことです。いかに国会議員がこの問題を直視していないかを知ることとなりました。しかしこの怒りを今日来られた方にぶつけても仕方ありません。むしろこの方たちを通して、立憲民主党にも影響力を行使するという形が建設的ではないかと思います。ちなみに下記が今日来られた方です。
・国民民主2名(タマキさん/ヤマオさん)
・立憲3名(シナタケシさん/ツムラケイスケさん/コミヤマヤスコさん)
・無所属1名(タカイタカシさん) ※間違っていたら訂正お願いします!
今自分たちがすべきことはこの人たちを罵ったり絶望したりすることではなく、いかにこの小さな火種を大きくできるか、という戦いなのだと思います。

さて長くなってしまったので、私からは矢部万紀子(皇室ウォッチャーでコラムニスト)さんの話をして終わりにします。というのもこれは自分自身の反省なのですが、今まで女性皇族の気持ちを分かってきたつもりで、全然分かっていなかったと思ったからです。矢部さんは同じ女性として女性皇族が置かれた立場を思いやって、「きっと(皇室は)やりがいのない職場なんだろう」と仰いました。一瞬ドキッとする発言ですが、またことによれば非礼とも受け取られかねない発言ですが、矢部さんは女性皇族の気持ちに寄り添われる形で意見を述べられました。

生まれたときから男子でない十字架を背負わされ、その十字架は成人となっても背負い続けます。皇室制度が天皇なくして存在しえない制度であることを考えれば、天皇になれない女性皇族は自身の存在をどのように考えるでしょうか。また女性皇族には「結婚退職」という他にはないある特殊な制度が義務付けられています。成人となって公務を担当するにようになっても、いつかは結婚していなくなると考えれば、あまり公務に責任を持ちすぎても跡を引き継げないと思うかもしれません。実際、黒田清子さん(紀宮様)は「内親王という立場は、先行きを考えるとき、将来その立場を離れる可能性がどうしても念頭にあるため、中途半端に投げ出してしまうことのないように、継続的な責任のある立場に就いたりすることは控えてきたということはあるかもしれません」と仰っていたようです。このように、「結婚退職」という制度によって、自分の能力を発揮したくても十分に発揮できない環境が女性皇族にあるのだとしたら大変酷だなと思うと同時に、この結婚退職制度を無くす、あるいは任意にするなどの改善が必要なのかなと思いました。

また矢部さんは、私たちが普段使う「女性宮家」という言葉も、皇室に人手が足りないから残ってね、と聞こえるし、今回突然できてた「皇女制度」も、会社は辞めてもパートで仕事を任せるから、のように聞こえると仰っていました。とかく私たちは女性皇族を数合わせの道具のように扱ってしまっているのではないかと反省しました。

というのが私の感想です。高森先生、小林先生、倉持先生、お疲れさまでした。倉持先生の司会ぶり、個人的にすごくよかったと思うんですけどねー

p.s. シンポジウムは無料だったけど、交通費で2万円かかりました。それでも行ってよかったです

No.68
48ヶ月前
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第379号 2020.11.24発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…日本の新型コロナ死者が2000人に達したとして、わざわざマスコミが見出しをつけて報じていたが、約10か月かけて、たかだか2000人である。そんななか、またもや盛り上がってきたのが「コロナ後遺症の恐怖」である。感染から回復した人には、その後も呼吸苦やせき、だるさ、脱毛、嗅覚・味覚の異常などが残る場合があるという。そして脱毛の症状がみられるケースがあるというが、果たして「コロナ後遺症」は恐れるべきものなのか? ※「ゴーマニズム宣言」…冬になれば新型コロナの感染者(正確には検査陽性者)が増えることも、それでも死者数は例年のインフルエンザを超えないであろうことも、とっくにわかっていた。しかし菅義偉首相は21日、「Go Toトラベル」の運用見直しを表明。「Go Toイート」についても都道府県へ制限を要請するとした。これに対して、極右新聞である産経新聞と、極左新聞の東京新聞は大喜びで、同じ意見の社説を掲載したのである。なぜこんなことになったのか? ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!今年の紅白で注目しているのは?敗色濃厚のトランプが不正投票とゴネたのをどう思う?仕事としての「オン」と私人としての「オフ」はある?人生であと一回だけ黒澤明の映画を見られるとしたら何を見る?諸星大二郎先生の作品で印象に残っているのは?「あのときこうしていれば良かった」という後悔はある?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第192回「“後遺症こわい”を問い質す」 2. ゴーマニズム宣言・第398回「腰抜け老人民主主義」 3. しゃべらせてクリ!・第336回「こんなご時世、子ろももクダ巻いちゃうぶぁ~い!の巻〈前編〉」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第192回「“後遺症こわい”を問い質す」  日本の新型コロナ死者が2000人に達したとして、わざわざマスコミが見出しをつけて報じていたが、 約10か月かけて、たかだか2000人 である。ちょうど1年前、令和元年11月の統計を見ると、1か月間の死者総数が約12万人、内訳は、感染症の死者だけで2000人/月、肺炎8000人/月、誤嚥性肺炎3600人/月にものぼり、新型コロナの死者とは比較にならない規模だ。マスコミは、日本人はめったに死なないものだとでも思っているのだろうか。 ●後遺症のない2人が司会・進行しているのに…  そんななか、またもや盛り上がってきたのが 「コロナ後遺症の恐怖」 である。感染から回復した人には、その後も呼吸苦やせき、だるさ、脱毛、嗅覚・味覚の異常などが残る場合があるという。  11月22日(日曜)のTBS『サンデージャポン』では、肺がん専門医の奥仲哲弥医師を中心に番組が作られ、「後遺症の怖さ」を煽る内容になっていたが、その司会は、実際にコロナに感染して回復し、特になんの後遺症もなく、当たり前のように仕事に戻っている爆笑問題の田中裕二と山本里菜アナが務めているのだから、まったくトンチンカンだった。  番組でまず紹介されたのは、アメリカの女優アリッサ・ミラノの自撮り映像だ。     アリッサ・ミラノ  アメリカでは、新型コロナの患者に脱毛の症状がみられるケースがあるのだという。そして、アリッサ・ミラノも、自身がコロナに感染して、回復したあとも、ブラッシングするたびに髪が抜けるのだと言って、わざわざ入浴後の姿を晒して、髪が抜ける様子を実演してみせていた。     抜けた毛を見せつけるアリッサ・ミラノ  ロングヘアなので、まとめるとすごくごっそりと抜けたように見えるし、それをカメラに向かって突き出して「ほら、これを見て」と言っている感じは、ホラー映像そのものだ。  それに、自分の髪が抜ける様子をわざわざ自撮りしてまで見せつけようとする彼女の精神状態そのものがひどく病んでいるように感じられて、その精神状態のままに置かれていることこそが、なによりの脱毛の原因なのでは……とすら思えた。  アメリカでは、大勢のコロナ死者が出ているのだから、肌感覚としての恐怖は強いだろうし、ロックダウンによって女優としての仕事もなくなってしまったはずだから、そのストレスも重なっているだろう。日本でも人気女優の自殺が相次いだが、アリッサ・ミラノもきっと不安とストレスが倍増しているのではないかと感じた。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!