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mhiro206さん のコメント

ビデオニュース・ドットコムでの米村慈人氏の話が勉強になりました。東大法学部の教授で、内科医でもあるという異色のキャリアの持ち主です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/69ad2d59b74bbc490c31879348c7bc6fe7071da3

本編には、森田洋之氏へのインタビューもありますが、それも含めた内容は以下の通りです。
春から医療が逼迫しているといいながら、半年たってもコロナ用のICUはあまり増えませんでした。日本では行政の医療に対する権限が弱く、医療法でも医療機関にどのような医療を提供するかを指示するような権限は与えられてないそうです。コロナ患者を受け入れるかどうかを決めるのは、あくまでその病院の院長とのことです。日本では民間病院が約8割で、感染予防等の初期投資がかかり他の患者が逃げてしまうリスクがあるため、受け入れる病院が増えていかない。一部の病院が義侠心や使命感からコロナ患者を受け入れているのが実態で。そこの負担だけがどんどん増大しています。このように日本の医療体制では、機動性や柔軟性に欠けるという弱点があります。一方、海外ではコロナ患者数の波に合わせてICUを増減させたり、人員の配置を変えるといったことをどこの国もやっているようです。これは、特にヨーロッパでは、ほとんどの病院が公的存在で国が指揮命令できるからのようです。

確かに民間病院の市場原理に任せていたら、金にならないコロナ患者を受け入れるはずがありません。昨日のとくダネ!で三浦瑠麗氏が、医療団体の合同記者会見に対し、「主に会見で話していたのは、コロナ患者の受け入れを拒否している私立病院の大半の方々」と指摘していたそうです。
https://www.rbbtoday.com/article/2020/12/22/184886.html
彼らの言い分は「コロナ患者なんか受け入れたくないんだ!だから、これ以上感染者が増えないようお前たち国民が我慢して自粛しろ!」ということでしょう。病院の経営を守るためのポジショントークですね。そのためには、飲食業や旅行業など他の業界が崩壊しても知ったこっちゃないと言っているのに等しく、道義にもとります。
行政に権限がない以上、医師会には病床数を調節するなどの責務があるはずなのですが。

幸いコロナは弱毒なのだから、指定感染症を外せばとりあえず問題は解決しそうなものですが、それを主張しないのが謎です。もちろん最大の問題は、医療体制の改善や資金的サポートもなにもしない政治の不作為だとは思います。
No.68
40ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第383号 2020.12.22発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…スウェーデンのグスタフ国王が、17日、スウェーデン公共放送SVTのインタビューで今年1年を総括しての感想を求められ、「私たちは失敗したと思う」と発言したことが世界的大ニュースになっている。米英のリベラル系メディアがこぞって「スウェーデン国王が自国のコロナ対策の失敗を認め、政府を批判」という論調で報じ、日本のマスコミもそれらの記事をそのまま翻訳したような形で追従し、またもやスウェーデン叩きがはじまったのだ。グスタフ国王の発言の真意とは? ※「ゴーマニズム宣言」…「コロナとインフルエンザとの比較」は、もはやメディアでも、医師会でも、専門家の間でも、完全なタブーとなっている。そこで今回やりたいのは、「第3波襲来」だの「感染者過去最多更新」だの「医療崩壊の危機」だの「もはや緊急事態宣言しかない」だのと大騒ぎしている現在の新型コロナの流行状況と、ちょうど昨年の今頃のインフルエンザの流行状況との比較である。これまで何度も「新コロはインフル以下」と言ってきたが、その「以下っぷり」は、想像をはるかに超えていた!! ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!現時点における国全体の感染者数はどの程度いると予想する?憲法裁判所があったら、今回のような法律無視の政府のやり方に対処できた?なぜ70%もの国民が緊急事態宣言を求めているの?テレビ文化発展の歴史は、民主主義堕落の歴史と重なるのでは?内なるヒーローにがっかりさせられたことはある?東大の研究チームが発表した「GoTo利用者はコロナ発症率2倍」をどう見る?日本のゴジラが復活するにはなにが必要?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第196回「“スウェーデンは失敗だ”を問い質す」 2. ゴーマニズム宣言・第402回「インフルからコロナへの転換」 3. しゃべらせてクリ!・第340回「忠牛ばっふぁ郎登場!猪突モ~進ぶぁい!の巻〈前編〉」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第196回「“スウェーデンは失敗だ”を問い質す」  スウェーデンのグスタフ国王が、17日、スウェーデン公共放送SVTのインタビューで今年1年を総括しての感想を求められ、「私たちは失敗したと思う」と発言したことが世界的大ニュースになっている。 “We have failed.” という一文で新聞記事を調べていくと、ニューヨークタイムズにハフィントンポスト、NBC、ガーディアン、BBCなど米英のリベラル系メディアがこぞって 「スウェーデン国王が自国のコロナ対策の失敗を認め、政府を批判」 という論調で報じ、日本のマスコミはそれらの記事をそのまま翻訳したような形で追従して、6月に起きた 「テグネルが失敗を認めた!」 というデマと同じく( 第170回「“スウェーデン失敗”というねつ造報道」 を参照)、またもや「スウェーデン国王が失敗を認めた!」というスウェーデン叩きがはじまった。  グスタフ国王のインタビューは、12月21日夜に放送される予定の年末恒例の番組だそうで、今回はその一部がコマーシャルのためにチョイ出しされたものだ。  映像が発言ごとに細かくカットされており、1分程度に短く編集されているため、どのような質問に対して発言したのかがわからないが、次のような発言があった。 「私たちは失敗したと思います」 「亡くなったすべての人、多くの家族、そして事業を失う可能性のある多くの経営者の悲しみと悔しさを考えると、それはひどいことだと感じます」 「私はパンデミックの影響を受けたすべての家族のことを知っています」 「この困難な状況でスウェーデンの人々は苦しんでいます」 「亡くなった親族に、別れを告げることができなかったすべての家族のことを私は思い浮かべています。あたたかくお別れすることができなかったという出来事は、重くてトラウマになる経験だと思っています」  これらの発言を、スウェーデンの一部コメンテーターが、「国王がスウェーデンのコロナ戦略を叱責した」と解釈。さらに、「国王が政治的発言をしていいのか!」と国王を批判する人物も現れて、物議をかもしたらしい。  だが、コメンテーターたちの解釈そのものが間違っているのだ。  この件については、 すでにスウェーデン王室から、 国王の発言は「非政治的」なものであり、政治批判ととってはならない と強調するコメントが出されている。  宮廷の広報・報道官であるマーガレット・ソーグレン(Margareta Thorgren)氏は、AFP通信に対して 「国王はスウェーデン全体、社会全体について述べておられるのです。国王のなさっていることは、さまざまなかたちで影響を受けたすべての人々、そして、パンデミックで亡くなった人々に共感を示すことなのです」 と述べた。  立憲君主制をとるスウェーデンで、国王が政治的発言をすることはあり得ない。憲法違反になるからだ。日本で、天皇陛下が人々の苦しみや痛みに寄り添い、慰めるお言葉を述べられることはあっても、「GoToキャンペーン」や「緊急事態宣言」など個々の政策について言及されるわけがないのと同じように考えればよい。  スウェーデンの国王は、国家元首とされており、スウェーデン軍の儀式には軍服で出席するし、特別閣議や情報閣議などを通して国家の中枢に関わっているが、憲法には 「政府が王国を統治し、政府は国会に責任を負う」 と明確に記載されている。あくまでも、儀礼的・国家代表的な権能の行使のみが保障された、象徴的な立場なのだ。  スウェーデンのロベーン首相は、これを念頭に、 国王の発言は、政府がすでに認めていること(高齢者介護施設における死者を防げなかったこと)について確認されたものだ という解釈を示し、 「もちろん、非常に多くの人が亡くなったという事実は、失敗以外のなにものとも見なすことができない」 と、スウェーデンにおける高齢者介護施設の欠点について、改めて認識を述べている。 ●スウェーデンの介護施設の問題  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!