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na85さん のコメント

 今月5回目となるライジングの配信、ありがとうございます。よしりん師範、お疲れ様でした。とても衝撃的な内容でした。

 まず96条改正の邪悪さがよく判りました。中身をどう変えるかの説明を一切せず変える手続だけ簡略化しようというのは、例えば家を建て替えるとき次に建てる家をどういう家にするかの説明もなくいきなり壊し始めるようなものです。本来なら「戦勝国に屈従する前文を日本の国柄を反映するものに変え、2条・4条改正で天皇・皇室の弥栄を祈り、9条改正で自主防衛を可能とし、日本国の真の独立を目指したいと思う。そのためには憲法改正要件96条を少し緩めるための議論をしたいがいかがだろうか」という感じの説得をすべきところです。このまま手続だけが変わってしまうと、国民のごく一部が強硬に主張する改憲論が実現するようになると思います。まず国会議員の過半数でよいなら、グローバル展開する大企業やそのステイクホルダーであるマスコミ・官僚などグローバリストの思い通りの改憲案になる可能性が強くなり、次に国民投票において全有権者ではなく有効投票数の過半数の賛成でよいなら、国の事を考えて勉強もしているけど忙しくて投票できないという人の考えは反映されず、忙しくて勉強不足なため騙される生活者と暇なのに騙されるネトウヨ系ニートの考えが通りやすくなります。日本国憲法にはTPPの非関税障壁となるものが多く含まれていますから、改憲が容易になればTPPに合わせて国家の形を外資に都合の良いものに変えることができます。
 また原理と準則の話も理解が進みました。日本国憲法の三大原理は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」ですが、96条改憲は国民主権の膨張が他の2原理を圧殺するものだと感じます。人間を取り換えの効く部品として使いたい外資を含む大企業にとっては基本的人権が邪魔になり、侵略戦争においても自衛隊を手駒として使いたい米軍・連邦政府にとっては平和主義が邪魔になるはずです。国民の一部の意見で憲法を自由に変えらる程に歪めた国民主権によって憲法に含まれる非関税障壁を解除していきたいのでしょう。もう判りました。安倍改憲とはグローバリズム適応改憲です。
 さらにグローバリストにとっては皇室が最後の非関税障壁だと映っているかもしれません。冨田メモをスクープしたのはグローバリスト新聞の日経でしたし、拝金グローバリストのホリエモンは「天皇制に違和感がある」と表明しました。支配されずとも自己統治している日本人の最後の心のタガを外すには、中心に戴いている天皇・皇室が権威を失うような、消滅するような改憲条項を加えようとするでしょう。

 安倍改憲はさらに国体破壊改憲につながるでしょう na85
No.37
141ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
2013.4.18発行 『ゴーマニズム宣言』   「『憲法96条改正』は立憲主義の破壊だ!」  まず宣言しておくが、わしは憲法改正に反対ではない。  9条は国家の防衛本能に違反していると思うし、他にも改正してほしい条文がある。だから 「改憲派」 ではある。  だが、憲法は手段であって、目的ではない。   「護憲派」が言うように、憲法を守れば平和が維持できるわけでもないし、「改憲派」がこだわるように、憲法を改正すれば素晴らしい国になることもない。  石破茂が 「憲法96条改正なら、憲法9条を念頭に投票を」 と発言しているが、イラク戦争の総括ぬきで、自主防衛の目標もなく、改憲のみに執着している安倍政権・橋下維新の会や、自称保守派の思考停止の様子を見ていると、もはや完全に「憲法改正が日本の誇りを取り戻す」式の、目的そのものになってしまっている。  こういう状態で繰り出される姑息な戦略は、国民を誤魔化すデマや錯誤が潜んでいるものだ。  憲法9条改正を全面に打ち出すのならまだわかるが、なんと自民党が参院選の争点にしたがっているのは、 「憲法96条改正」 なのである。  「はれ?」と気のぬけるような感覚はないか?  「96条って何?」「何で96条?」と思う人は常識のある人である。  憲法96条は改憲のルールを定めたものであり、 「衆議院・参議院それぞれ総議員の3分の2以上の賛成」       ↓ 「国民投票で過半数の賛成」  という手続きを経れば改憲ができるとしている。   安倍政権は、この国会議員の 「3分の2」 を 「2分の1」 に緩和すべきだと主張しているのだ。  だがこれは、とんでもない愚作である。 立憲主義の崩壊 に繋がりかねない暴挙なのだ!  自称保守派は、 「日本の憲法は世界一改正が難しい規定になっており、それはGHQが占領憲法を永遠に押しつけたかったからだ」 と必ず言う。  全員そう言うので、かつてはわしもそうなのかと思っていたのだが、自称保守派が全員一致で言うことは大概ウソだと学習したので、自分で確かめてみた。   するとやっぱり、これも完全にウソだった!  日本国憲法の改正手続きは、世界的には常識的なレベルの規定なのだ!  例えば アメリカでは「 上院・下院それぞれ3分の2以上の賛成 」の後「 全米50州の州議会のうち4分の3以上の承認 」が必要である。 日本国憲法の改正よりもハードルは高いかもしれない。   ロシアでは「 連邦議会上院の4分の3以上、下院の3分の2以上の承認 」の後「 83の連邦構成体(共和国・州・地方など)議会の3分の2の承認 」が必要。   オーストラリア では、連邦議会の可決こそ「両院の過半数」と緩やかだが、その代わり、その後に必要な国民投票のハードルが高い。 州ごとの集計で過半数の州が賛成し、なおかつ全選挙人の過半数の賛成が必要 という「二重過半数条項」が課せられている。   デンマーク も議会の議決要件は「過半数」だが、 総選挙を経て再度議決し、もう一度議会の過半数の賛成を得た上で、さらに国民投票にかけなければならない。  他にも例はいくつも挙げられるが、通常の法律の改正よりも特別難しくなっているのは、憲法の常識なのである。   そもそも憲法とは、国民大衆が権力者を縛る手段として存在するものであり、権力者の都合で安易に改正できないようになっているものなのだ。  それに憲法は他のすべての法律を規定する特別な法律であるから、その安定性はある程度、確保されなければならないのも当然なのである。   改正に特別厳しい要件を課す憲法を「 硬性憲法 」という。  それに対して通常の法改正と同様の手続きで改正できるものを 「 軟性憲法 」というが、これはイギリス、ニュージーランド、イスラエルなど、成文憲法を持たないごくわずかの国に限られる。  だが イギリスでは、これも不文律であるが「国王の存在」「議会主義」の2大原則を変更することはできないとされており 、軟性憲法だからといって何でも簡単に変えられるというものではないのだ。  自称保守は「外国では頻繁に憲法改正が行われている」とよく言うが、これにもカラクリがある。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!