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.      る       .さん のコメント

『鬼滅の刃』に出てくる、人食い鬼の始祖「鬼舞辻無慘」の台詞、
「私に殺されることは大災に遭ったのと同じだと思え
何も難しく考える必要はない
どれだけ人を殺そうとも、天変地異に復讐しようという者はいない」と。

明日に、3年以上遅れてようやくコロナ終息。
けれど日本人は皆、
「コロナ禍は大変だったけれど、自然災害のようなものなんだから仕方がない。
もう忘れて、元の日常に戻ろう。それでいいじゃないか。
いつまでも恨み辛み述べていてもしょうがない。
難しく考える必要はないよ」と。


こんなことになるんじゃないかとは思っていました。ウオオオщ(१д१щ)オオオオン……

イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンのオペラ『ピーター・グライムズ』、
徒弟の子を漁の最中に死なせてしまった漁師ピーター・グライムズは、漁村では鼻つまみ者扱い。
皆を見返してやろうと、裁判での判決を無視して新たな徒弟の子を雇い、漁に出ようとすると、
村人たちは憤慨して、群衆となってピーターのところに押しかけようとする。
それを見て焦ったピーターは、その新しい徒弟の子を崖から滑らせて死なせてしまった。

数日後、その子の上着が海岸で見つかり、村人たちはまたも暴徒化してピーターを探しに行く。
錯乱状態のピーターは、彼の理解者であった人に進められるままに、沖に出て自ら船を沈める…。

翌朝、船が発見されるが、あれだけヒステリックに騒いでいた村人たちは、もはや関心を示すこともなく、
何事もなかったかのように、元の穏やかな日常へと還っていく……。


ドウセワレラ…ੴੴジャキョウノツカイニ オモワレテタコトダシ…


去る4月中頃、私めの母が怪我して病院に運ばれたというので、正直行きたくもない病院に、何日か仕事を休んで行きました。
案の定、病院では皆マスクを着用してました。もう既に政府は屋内でもマスク緩和と言っているのに。
私に「マスクお持ちですか?」と言ってきた受付係もいました。政府は既に屋内でもマスク緩和と言っているのに。

といっても、実は私も院内ではマスクしていたのですよ。
勿論普通のマスクではなく、A3サイズの紙に
「コロナ禍はマスコミのインチキ!」
「マスクは偽善!」
「ワクチンは人殺し!人体実験!」
「政府、厚労省、マスコミ、医者、専門家、製薬会社、誰も責任取らない!」等々のメッセージ、
それに「コロナ君キーホルダー」の画像をプリントして、
それを雑誌に張り付けて、口元に当てて、「これが私のマスクだ」と。ヨウハ…(´oั ₃oั๑)9ビョウインニ ケンカウリニイッテキタト…

というのも、最近ようやく増えてきたノーマスクを見て、「人の振り見て我が振り直せ」というやつで、
マスクしていないと、如何にも周囲に配慮できない、怖がる人への迷惑を考えない、自分勝手で意識の低いバイキン、人を見下した傍若無人なエゴイストと、
これまで我々のことを、コロナ脳たちはやっぱりそういう風に見ていたんだろうな…と、そう客観視するようになりまして。3ネンカカッテ…σ((ಥᜋథ*))イッシュウマワッテキチャッタワケ……


「皆がマスクを外せば、コロナ禍はそれで終わる。
すべてはマスコミや煽り医者、エセ専門家たちのまやかしのパンデミックなのだから。
さあ、大丈夫だから、勇気を出してマスクを外してごらんよ」と、
ただマスクを拒否しているというだけのことでは、そんなメッセージまでは伝わりっこなかったのだと。

だから、「論破祭り」や「たけし社長の意見広告大作戦」、はたまたロシアのオフシャンニコワ氏のように、
メッセージというのは、はっきりとでかでかと伝えなければならないと。イヤ ホントニ…♫ꉂꉂ(ᵔ▿ᵔ*)ベンキョウニナリマシタワ♪

「本を読めば分かる」では、本を読まない大衆には伝わらない。
ましてや、自分たちが正しいと信じてやってきたこと一切合切が否定されるようなものなど、
たかがコロナ風邪に怯える程度の弱い人間には受け入れられるわけがない。


「集団的浅慮」「レミング・シンドローム」、
全体主義になれば、みんなみんな絶望的にアホになって破滅へと向かってしまう、そういうことは人の世にはよくあることなのだと。
だからみんなみんな気の毒なほど頭が悪くなって、コロナ脳になってしまったのはしょうがないことなのだと。
ひとつ間違えれば、私もそっち側に行っていたかもしれないのだと。

いくら論理を駆使したところで、人々はすっかり頭が鈍くなってしまって通用しないのだから、
無言のメッセージや本の力や高尚な言い回しなど伝わるわけがなかったのだと。

だから、「ボーカル」となって、そういう可哀想な人たちにもはっきり分かるようなメッセージを伝え、安心させてやらなければと。
信じるがどうかは自由だけれど、私はこういう信念のもとに顔にパンツなど履かんのだと、自分の言葉・表現で堂々とはっきり示してやろうじゃないかと。
これがこの三年余りノーマスク・ノーPCR・ノーワクチンで真実のために戦ってきた男の境地であり、人類愛と愛国心の結晶なのだと。ソリャコンナコトヤリタクハナイケド…ゞ(`″´)ダレモヤラナインダカラ シャアナイ……


それに、これまでずっとコロナ脳世間・マスク警察と戦ってきた者としては、
3年遅れてやっとこさマスク外したような、政府の言いなりになっているだけの家畜どもなんかと一緒にされるのは不快不愉快千万だし、ウロコダキサンナラ…Ψ(`ơ ₃ơ´)σ「ハンダンガオソイ!」ト ヒラテウチサ…
これまでろくに勉強してないくせに偉そうに「マスクしろよ!」といってきた奴らに、「てめーはただ恥知らずの偽善者だ!」と突きつけて目にものみせてやりたいし、
もしかしたら『ゴー宣』『コロナ論』読者の同志に遇えるかも知れないしと。ハハノシリアイノムスコサンガ…σ(゜°;)ドウモ ドウシラシイヨウダケレド…?

ワクチンはまだまだ続くようでほっとけないし、
いずれ「コロナ禍三年余の徹底検証大会」が催された時のために、人々に「疑惑の種」を蒔くことができるかもしれないと。
A6ハガキサイズにすれば、あらゆるところへ忍ばせることができますし。アイコサママツリデキカイアラバ…( ॣ•͈∀•͈ ॣ)オヒロメスルコトモ…?

最初からこうすればよかったんだよなぁ…!と。
あの時あの時あの時、こうしてコロナ脳・マスク警察どもの度肝を抜いてやればどうだったろうか?と。
所詮はコロナ煽りなんて、引くに引けなくなったマスコミらの「ベルト歌舞伎」なのだから、
こっちも思いきってカブいてみせたらよかったんだよなぁと。マダマダ…(´・・`;)“コ”ガミジュクダッタナァ……


けれど、それも今日まで。
まだマスク圧を感じるようなシーンのために、一応用心して用意はしておくけれど、
無駄に長きに渡ったコロナ騒ぎも、オフィシャルに終わったのなら、
やりきれない気持ちは残るけれども、もう私も日常に戻るしかない。ミンナトットトマスクハズシテクレリャ…๛σ(=″=;)ワタシモラクナンダケドナァ……

というか、「令和の麻原彰晃」とか言ってテロ予告して逮捕されたあの船橋のイカれ女、あれ何なんだ!!?と。
よりにもよってあの女、上述の私のメッセージと同じ内容を主張していたと、
マスコミは大きく取り上げてやがった。。。フッザケヤガッテ~~~!⧛(ง `″皿°)੭ꠥ⁾⁾⧚マサカ『ゴーセン』ドクシャジャナイヨネ…?

これで「最後の悪あがき」も失敗に終わったということです。
母からは「もうあんた病院来ないでほしい」と言われましたし、ムリナイムリナイ…ヾノ・∀・`)ソリャトウゼンダワナ…
仕事場の連中は皆完全無視。ムリナイムリナイ…ヾノ・ω・`)ソリャトウゼンダワナ……
電車では『コロナ論』以上にジロジロ見られたし、医者や看護師らにはかなりウケてましたけど。ベツニ…ヾノŎㅿŎ)ウケネライデヤッタワケデハナイケドサ……


ミナサマ GWマンキツチュウノヨウデ…( ◜࿀◝ )( ◜࿀◝ )( ◜࿀◝ )ミナサマノブンモトイウコトデ…アシカラズ…


『鬼滅の刃』のラスボス「鬼舞辻無慘」は、
「殆どの人間はそうしている。何故お前たち(主人公たち鬼狩り)はそうしない?
理由はひとつ。鬼狩りは異常者の集まりだからだ」と。

このまま、最初から無意味だったことが明らかだった「緊急事態宣言」のために経済が破壊され、自殺に追い込まれた人たち、
マスクを付けさせられて、それでマラソンして窒息死したあの子ども、
日本では最初っからインフルエンザ以下の風邪ウイルスだったのに、2類相当感染症罹患者として病院をたらい回しにされたために持病が悪化したりして亡くなったり、流産してしまったり、
そして、国連からもその曖昧さを指摘され続けている「公共の福祉」のために打ったワクチンのために、「因果関係不明」として見殺しにされた人たち、、、

そんなことからすべて目を背けたまま、生き残っている自分たちは幸運に思って、元の日常に戻れと?
みっともなく集団ヒステリーを起こして、そのために多くの人を死なせてしまったことも、
死んだ人間が生き返ることはないのだから、いつまでも拘るなと?


「統一協会」だって「ウクライナ戦争」だって、「立憲的改憲」だってそう。
いつまでもそんなことに拘らずに、どうせどうにもならないんだから、日銭を稼いで静かに暮らせばいいだろうと?
有耶無耶にしたまま終わらせてしまったために、統一協会は権力の中枢まで入り込んで侵略していたというのに?
それを問題視して議論している我々は異常者だと?

以前「ゴー宣道場」にゲストとして登壇された藤井聡氏は、日本は「衰退途上国」だと仰った。
けれど、それは消費税以上に、日本人がもう人食い鬼のようにただただ人を食ってでも生きようとする、
そんな卑しい生き物に成り下がってしまったからではないかと。アア ソレニシテモ…⧛m(᛭✦ ཀ ❂ m)⧚ニホンチクグンガニクイッッ……☠


それで思うのは、先日の「よしりん十番勝負」。
井上達夫氏がコロナ脳になってしまっていたのは、実に実に残念なことだったなぁ…と。
井上達夫氏が「コロナ禍=インフォデミック」だと分かってくれてたなら、
玉川徹やら河野太郎やら尾身茂やらふざけた医者・専門家どもを猛烈に猛然と批判し、それなりの影響力があっただろうに…と。

井上正康氏のように、「お言葉ですが…」と物腰柔らかにユーモラスに論理で諭していくのもいいけれど、
井上達夫氏のような強烈な厳しさ激しさも必要だったのでは?と。アラルユジョウキョウニタイオウスベク…୧( ᐖ)σサマザマナルアーヲソロエテオクベシ……キホンデスナ♪


そしてそこからどうしても思ってしまうのは、
結局、井上達夫氏はコロナ脳は解けたのか?と。
また菅野志桜里氏は、あの「ワクチンパスポート」について今現在どういう見解なのか?と、
そこのところ有耶無耶にせず、白黒はっきりさせるべきだったのではないか?と。

勿論、あの「よしりん十番勝負」はウクライナ戦争がテーマでしたから、あの場でそれを問い質すのは野暮なことかもしれないけれど、
けれど、いくらウクライナ戦争や統一協会について説得力のあることを言ったからといって、
コロナやワクチンの見解についてあやふや、曖昧なままで不問にして、有耶無耶のままでいれば、
そういう“甘やかし”こそが、「リベラルの堕落・劣化」を許すことになるのではないか?と。ムロン…щ(`▼″▼´)σイノウエマサヤスシニタイシテモネ……


アメリカは「パクス・アメリカーナ」だの「グローバリズム」だのと思い上がって、「テロとの戦い」とアフガン戦争イラク戦争を起こし、そして失敗した。
けれど、そのアメリカの大罪を、世界は国連は厳しく裁くことはなかった。
有耶無耶のままにした結果、ロシアにウクライナ侵略の大義を与えてしまった。
アメリカが何もお咎めなしなら、俺たちだってやらなきゃやられるからと。

その「テロとの戦い」を支持したことを、一切総括しなかった産経新聞、
それが間違いだったことはもう明白だか、自分たちの言論の過ちを有耶無耶のままにした結果、
今なお「テロは悪以外の何物でもない」と、20年経って一個も進歩することがない……。

コロナやワクチンについても、このままオオカミ中年たちの罪を有耶無耶にしたままでいいのか?と。
必要なのは、それこそ井上達夫氏のようなあの「厳しさ」だと。
曖昧さ、いい加減さ、欺瞞、偽善、陰謀論、そして堕落を許さぬあの厳しさ!テメーラニ…(σಠ″皿ಠ)9アスヲイキルシカクハネエ!


なんでもかんでも白黒はっきりさせることはないにしても、
はっきりさせるべきところははっきりさせなければ、甘やかしになって堕落させてしまう!
そんなことでは、陰謀論に嵌まったりして、何も進歩することがない!

コロナ脳大衆はどいつもこいつも皆人殺しだ!
無思想性のアイヒマンだったんだ!
一人一人がその「凡庸な悪」の責任を自覚せよ!
そのリアルから目を背けるな!甘ったれるな!と。
保守もリベラルも、ぶったるんでんじゃねえ!と。

「常識の逆襲」は成らなかったが、必ずやあのインチキ煽り医者どもも、マスコミともども「常識の復讐」によって常識の海に引きずり落としてやるぞ!と、
有耶無耶にしたままトンズラなどさせるものか!厳しく断罪してやるぞ!…と、
テロは起こさないけれども、それが今の私の中で、ある新しい動きのための動機づけとなっておりまする。


5月の「ゴー宣道場」、そんな私にとって大きなヒントを頂けることを衷心より期待しております。オイドンニモ…m(゜°;(。。;(゜°;(。。;m)チエヲサズケテクンロ~…


No.87
18ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第467号 2023.5.3発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…もう何度も何度も言っていることだが、テロにも「公に資するテロ」と、「愚にもつかないテロ」がある。ところが、メディアに出てくるのは「あらゆるテロを許すな」というお決まりの文句ばっかりだ。産経新聞に至っては来島恒喜の事件を引き合いに出して「テロリストに同情するな」と唱えていた。全てのテロは悪であり、暴力ではなく言論で解決すべきだという理屈は「全ての戦争は悪であり、話し合いで解決すべき」という主張と全く同じである。産経新聞は、自分が散々「お花畑」と馬鹿にしてきた反戦サヨクと完全に同類であるということを自ら白状しているのだ! ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…結核やジフテリア、鳥ならまとめて殺処分になる鳥インフルエンザH5N1などと同じ2類感染症の区分だったコロナが、来週5月8日から予告通りインフルエンザや性病と同じ5類感染症になる。この局面で、界隈がどのような反応を見せているのかを記録しておきたい。そして、「5類になったらコロナ病床が何床用意できるのか不透明だ!」と言う煽り医者もいるが、「病床の確保」について今年1月に会計検査院が内閣へ提出した報告書から、驚くような実態が明らかになっていた! ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…もうじき5類になるのにコロナ脳の“専門家”たちが往生際悪く煽っているのは何故?マスク着脱を見ても女は特に個人の判断ができない?広島の原爆資料館を訪問する外国人観光客の数が増えているそうだけど、これって良いこと?首相襲撃事件に関して、要人警護の観点から見ると日本はあまりにも杜撰では?ハリウッド映画などに見られる多様性を意識した作品作りをどう思う?現在のれいわ新選組は信用できる?「スーパーマリオザ」の映画の大ヒットをどう見てる?アメリカのバンド・KISSのジーン・シモンズは強烈なコロナワクチン信奉者…年老いると命と金が惜しくなるもの?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第496回「全てのテロは許されないか?」 2. しゃべらせてクリ!・第423回「選挙戦2023! ぽっくんにまかせてクリたらすごいぶぁい!の巻【後編】」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第290回「コロナ5類、煽り医者たちの今」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第496回「全てのテロは許されないか?」  もう何度も何度も言っていることだが、テロにも「公に資するテロ」と、「愚にもつかないテロ」がある。  ところが、メディアに出てくるのは「あらゆるテロを許すな」というお決まりの文句ばっかりだ。  そんな意見は人間ではなく、AIに聞いて応えさせればいい。  先月の岸田首相を狙ったテロと、昨年の安倍元首相を殺害したテロとは本質的に異なるということくらいは、少し考えればわかりそうなものだ。  最初に断っておくが、厳密にいえばこの両者とも「テロ」と呼ぶには疑問がある。 「テロ」の定義はVol.447「【テロに屈するな】という標語は無意味」で詳述した。   https://ch.nicovideo.jp/yoshirin/blomaga/ar2120347   テロリズムとはある政治的目的を達成するために、敵対する当事者や、さらには無関係な一般市民や建造物などを攻撃し、これによって生ずる心理的威圧や恐怖心を通して、譲歩や抑圧などを強いる行為をいう。 だからこそ、テロリストは犯行直後に声明を出し、自らの目的や要求を明らかにするものなのだ。  ところが、岸田首相襲撃犯は現時点で未だに犯行動機を明らかにしておらず、世間に主張すべき政治的目的など持っていないことは、ほぼ間違いない。  安倍首相殺害犯の山上徹也に至っては、逮捕直後から「政治的意図はない」と明言し、統一協会をめぐる個人的怨恨が動機であることを明かしている。  だからこれらは、どちらも本来の「テロ」の定義には当たらないのだ。  しかしこれもVol.447で書いたが、一般的な「テロ」のイメージはもっと曖昧で、要人が公然と襲われた場合には、実行者の動機や目的と関係なく「テロ」とみなす傾向が世界的にある。  実際、岸田首相襲撃も安倍元首相暗殺も、どちらも即座に「テロ」の括りに入れられて、その前提で議論が行われてしまっているため、「狭義のテロ」の定義にこだわっていては議論がかみ合わなくなってしまう。  そこでやむなく、今回はこれらも「広義のテロ」だという認識で話を進めることにする。   わしは山上徹也のテロには同情を禁じ得ない。統一協会のために家族を破壊され、自らの将来が閉ざされてしまい、絶望と恨みを抱いて生きていたら、なんと自分が支持していた安倍晋三が統一協会シンパだということがわかってしまったのだから。 「殺人」という犯した罪に対する法的な罰は厳格に下すべきだが、山上が安倍を標的にしたことには理があるというしかない。  しかも、 このテロは統一協会と権力の中枢がベッタリ癒着している事実を明るみに出した。   統一協会は「反日・反天皇」の外国勢力のカルトである。日本の権力が最も警戒しなければならない存在である。それを最高権力者が国家の中枢に招き入れていた責任は極めて大きい。 安倍元首相は殺されたこと自体は気の毒だが、死んだからといって、絶対にその責任を水に流すわけにはいかない。   山上が行ったことはカルトを政権から叩き出すテロであり、公に資する部分があるテロであり、同情する余地のあるテロである。  一方、岸田首相を狙ったテロは単なる馬鹿でしかない。  犯人の木村隆二は定職にもつかずに実家で母親と暮らしていた24歳の男だ。引きこもらせてくれる家族がいて、仕事もせずに生きていたのだから、山上に比べれば恵まれ過ぎだといえる。  そんな木村は昨年夏の参院選に立候補しようとしたが、公職選挙法で定められた参議院議員の被選挙権年齢「30歳以上」に達していなかったので立候補できず、これを不当だとして国に損害賠償を求めて提訴していたという。  公選法の規定も知らずに立候補しようとして、それができないと不当に扱われたと思い込んで裁判に訴えたというから、相当の馬鹿である。  今回のテロの動機については、この件によって社会から虐げられているという被害者意識を持ち、その原因が政治家にあると思い込んだのではないかという推測が出ているが、おそらくそんなところだろうとわしも思う。とにかくどこをどう見ても、一点の同情の余地もない。  こんな自己承認欲求だけの暴徒の犯行などほとんど扱う価値はないのに、マスコミはこの事件の報道を連日連夜繰り返していたから、うるさくて仕方がなかった。  そんな報道に時間を取るくらいなら、裁判開始に向けて準備が進んでいる山上の方が、もっともっと報じるべきことがある。事件の背後にある統一協会問題がまだ何ひとつ解決していないのに、これに関する報道がすっかりしぼんでしまっているのはどう考えてもおかしいではないか。   テロにも価値の順列がある。クソとミソの区別くらいつけろ!  産経新聞に至っては、あらゆるテロを許さないと言い出した。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!